アマゾンといえば、言わずと知れた世界最大のオンラインマーケットサイト。当初は書籍からのスタートでしたが、今ではCDやDVD、家電に文房具、キッチン用品や食品まで・・・それこそ、生活用品の総合市場として、日々世界中の物欲と戦っています。
その個人向けの小売りに注力してきたアマゾンが、その有り余るサーバーを有効利用するために、クラウドサービスにまで手を出したときはさすがに驚きました。また、形のある物を扱ってきたアマゾンが、MP3の販売を手がけたときも、やっぱり驚きがありました。
ですから、今更「アマゾンがGoogleを差し置いて、審査込みのAndroidアプリストアを開設する」と言われたって驚きません。・・・驚きませんったら。
Amazon.com、Androidアプリストア開設へ、開発者向けポータル公開 INTERNET Watch
米Amazon.comは4日、Android向けのアプリを販売する「Amazon Appstore for Android」を開設すると発表し、アプリ開発者向けのポータルサイトを公開した。具体的なサービス開始時期は明らかにしていないが、FAQでは年内に開始したいと説明している。
ポータルサイトでは、販売するアプリの申請作業や販売管理などが行える。現在、アプリ開発者の登録を受け付けており、会費は年額99ドルだが、初年は無料。開発者が受け取る報酬は、アプリ販売価格の70%または定価の20%のうち高いほうとなる。無料アプリの登録も可能だ。
面白いのは、アプリの販売価格の決定権はアマゾンにあるという点。開発者は定価の設定ができるだけで、いくらで売るかはアマゾン次第というわけです。そのため「アプリ販売価格の70%または定価の20%のうち高いほう」という規定が存在するわけですね。
これによって、アマゾンは通常の商品と同じようにバーゲンセールを設定したり、二本目半額などのキャンペーンを打つことも可能になるわけです。・・・開発者が受け取れる最低の報酬は定価の20%ですから、それを原価とする一般商品と同じ考え方で商売が出来る訳ですね。在庫は考えなくて良いですけれど。
この売り方はアプリストアとしては常識外れかも知れませんが、アプリを普通の商品としてみた場合、実にまっとうなやり方だと思います。むしろ、この定価(というか原価)という考え方は、ネットで形のない物を売る場合のスタンダードになり得る考え方だと思います。
私はアマゾンの決裁システムを基本的に信用しているので、下手にいろんな決裁システムにクレジットカードの情報を握られるよりも、アマゾンに出来るだけ支払いを集約できる今回のやり方はなにげにすばらしいと思ってます。マイクロソフトのWindows Phone 7でも同様のサービスをはじめないものでしょうか?