Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

”そば”を食べる

2005-10-29 16:01:14 | Weblog
 私が今まで記事にしていた「食べ物」に関する記事というのは、大部分が「マイナス方向」に心を動かされた記事であり、多くの場合私自身が望んでマイナス方向にし向けている思惑があります。

 と言うよりも、この年まで生きてきますと、おいしいなあと思うことはあっても、それは全く新鮮なおいしさではなく、何かしら過去に経験がある味の延長であることが多いのです。日本の大多数の人の「おいしい」という最大公約数はほぼ定まっており、その当たりを外食産業がついてくるのは当然ですから、「新鮮だけど、おいしい」という事はあまりなくなったわけです。

 そうなってくると、味覚に刺激を与えるものと言いますと、「人があえて食べないもの」「むしろまずいとわかっているもの」のほうが、新鮮な感動があるわけですよ。

 おいしいものよりも、まずいものの方が記事にしやすいですし、周りもそれを求めている・・・そりゃあ、自分では食べたいとは思わないけれど、他人が食べたものならいったいどんな味がするのか気になるというものですよ。

 ですが、今日は違いました。「プラス方向に感動した」んです。本当に、ここ数年で一番おいしいものを食べた、そんな感じです。
 それが、タイトルになっている「そば」なんです。

 まず、最初のお茶請けに出てきた「そばがき」に驚き。自分が今まで食べてきたそばがきは何だったんだ、くらいのおいしさ。ふわふわで、口の中で溶けてしまい、それでいて歯ごたえも適度に残る・・・そしてそばの甘みがわさびと相まって薫り高く、口の中に広がる。
 せいろの上に盛りつけられたやや細切りのそばは、腰が強く、それでいてのどごしはなめらかで、飲み込んでいることすら忘れそうな、箸を進めるのがもったいないくらいのおいしさ。つゆは濃いめのはずなのに、舌にからみつくしつこさが全くなく、そばと一緒に喉に駆け込んでいく様な、さわやかさ。

 私は初めて食べたのですが、そばがきの天ぷらというのがまた素晴らしかった。塩をつけて食べるのですが、そばがきそのままとは、また違った食感で、塩辛さに引き立つ素朴な甘さ。さくさくの衣の後に柔らかに、ふんわりとした噛み心地のタネ・・・

 最後に残ったそばつゆをそば湯にして一気にいただき、至福の時間はあっという間に終わってしまいました。

 私は、麺類で何が好きと問われれば、冷や麦そうめんは嫌いだが、うどんは好きだ。しかしそれよりラーメンが好きで、そばにそれに輪をかけて好きだ。と言うことになりますが、そばどころの長野に行っても、ここまでうまいそばは食べたことが無かったわけです。それが、市内の、こんな裏日れたシャッター街にあったとは・・・

 時間がずれていたのか本当に静かな店で、ちょっとばかりお高いですが、これからちょくちょく使わせてもらおうと思います。

 ・・・あー、おいしいレポートを書いたのは久しぶり。今までは書いてもB級だったので、いい経験をしました。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
早急に (たる)
2005-10-30 01:43:51
どの店で食べたかよろしく。

ハリーハリーハリーハリーハリー!
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えっとぉ (kermount)
2005-10-31 19:39:39
市内なので、今度食べに連れて行くっすよ。
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