Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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初めての地球型系外惑星、発見される

2009-09-20 23:59:59 | Weblog

 よく分かる天文講座の時間です。

 今回のテーマは「系外惑星」について。
 現在、太陽の周りを回っている惑星は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つ。これらは太陽を中心とした太陽系に属しています。宇宙には、太陽以外にも自ら光り輝く恒星が無数にあり、それらの恒星も、太陽と同じように惑星や小惑星を従えて系を作っていると考えられています。この、「太陽以外の恒星を回っている惑星」の事を、「太陽の別の恒星系にある惑星」と言う事で、系外惑星と呼んでいます。

 これまでにもたくさんの系外惑星が発見されてきましたが、それはどれもガス・ジャイアントと言われる巨大なガス惑星です。太陽系に当てはめると木星、土星・・・広義には天王星と海王星も含まれまして、そのままずばり木星型惑星と言うことが多いです。
 なぜ木星型惑星ばかりが見つかるかと言いますと、現在の観測技術では、自ら輝きもせず、直径も小さい惑星を直接観測することはとても難しく、多くの場合、恒星の前を惑星が通ったときの光の増減から間接的に存在を観測することしか出来ないからです。そうなると、「恒星から比較的近くを回る、巨大な木星型惑星」が発見されやすくなってしまうわけです。

 しかしながら、9月16日に発表された「コロー7b」と呼ばれる系外惑星はこれまでの木星型惑星ではなく、「地球型」・・・水星、金星、地球、火星のように、主に岩石で出来ていて大気が薄い惑星・・・である事が確実視されています。

欧州南天天文台、系外地球型惑星を初めて特定 sorae.jp

ヨーロッパ南天天文台(ESO)は9月16日、系外惑星「コロー7b(Corot-7b)」を追跡観測した結果、地球と同じように、岩石や金属などから成る地球型惑星であると特定したことを発表した。

「コロー7b」は一角獣座方向、約500光年離れた恒星の周りを周回している。大きさは地球の2倍以下で、最も小さい系外惑星としても知られている。主星からわずか250万kmしか離れていないため、表面温度は1000~1500度に達し、生命の存在は期待できない。

 この惑星も、恒星の光量の変化から間接的に発見されているため、公転軌道が大変恒星に近くなっています。250万kmというと、水星の公転軌道の半径が5,791万km、太陽の直径が139万kmですので、それこそ表面を嘗めるような軌道を取っています。
 いくら地球型とは言え、重力が数倍で表面温度が1000度を超えていては、地球と同じようなタンパク質とアミノ酸で作られた生命は存在できません。しかしながら、「太陽系外でも岩石惑星が存在する」という確固たる証拠という意味で、天文学的には非常に大きな意味を持ちます。

 今後の調査によって、これからもたくさんの地球型系外惑星が発見されることでしょう。もし、地球と同じように海があって、生命が存在する惑星を発見できたならと考えると非常にロマンがありますね。人類の歴史が続く間にその惑星に到達することは無いかもしれませんが・・・


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