Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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Apple、iPhoneの開発規制を緩和

2010-09-10 20:48:04 | Thinkings

 いったい何だったんでしょうね?あのiPhone SDKの締め付けは・・・

 2010年4月8日、iPhone OS 4.0(現iOS 4.0)βの発表に併せて”改悪”されたSDK規約について、大きな反響があったのを覚えておられるでしょうか?問題となっていたのは、このページの解説では以下の部分。

「アプリケーションはObjective-C、C、C++、またはiPhone OS WebKitエンジンによって実行されるJavaScriptで書かなければならない。C、C++、Objective-Cで書かれたコードのみコンパイルして公開APIに直接リンクできる(変換・互換のためのレイヤーやツールを使って公開APIにリンクするアプリは禁止する)」

 簡単に要約するなら、

Flash変換ツールやC#で作ったアプリは禁止。うちのSDKを使え。

となります。これに対して、FlashをiPhoneアプリに変換する機能を次期Creative Suiteの目玉にしていたAdobeは当然怒り、4月7日にC#等の.NET環境でiPhoneアプリを開発できる「Mono Touch」(Monoは.NET互換のオープンソースプロジェクト)を開発したNovelは良い面の皮になってしまいました。

 ところが、今になってAppleが態度を一変。突然ライセンス規約を改正し、開発ツールの規制を緩和してしまったのです。

Apple、iPhoneアプリ開発ツールの制限を緩和 アプリ審査基準も公開 ITmedia

 開発者からの意見を基に、3.3.1、3.3.2、3.3.9項を変更するとしている。これらは主に、アプリ開発ツールと広告配信のためのデータ収集に関連する条項だ。特に「iOSアプリ作成に使う開発ツールに関するすべての制限を緩和」とし、コードをダウンロードするアプリを作るのでなければツールは自由としている。

つまり、AdobeとNovelの努力はようやく報われると言う事です。これによって、Creative Suiteでの開発が再開できますし、変な話、MicrosoftのVisual Studio+C#でiOSアプリを作成することも可能になるはずです。

 今回の改正は「正常に戻った」だけであり、むしろ、何故今まで禁止されていたのかが一番の謎であることは間違いありません。あの頃のAdobeとの対立を考えると、「政治的判断」とか「ジョブズ御大の気まぐれ」位にしか思えないんですよねえ・・・。今後もこのようなライセンスの変更に開発者が振り回されやしないかが一番の心配の種かも知れません。