kenroのミニコミ

kenroが見た、読んだ、聞いた、感じた美術、映画、書籍、舞台、旅行先のことなどもろもろを書きなぐり。

クイーン

2007-05-13 | 映画
ヘレン・ミレンがアカデミー主演女優賞に輝いたと聞いたとき、「ゴスフォードパーク」ではつらい過去を持つ使用人、「カレンダーガールズ」で保守的な地域で暮らす女性たちを元気づけたおばさん、それが女王にまで上りつめるとはと冗談を言ったものだが、それくらいミレン=女王である。
ストーリーはダイアナ妃の突然の死から公式声明を出すことを拒んでいたエリザベス女王が、首相になったばかりのブレアとの駆け引き・やり取りを縦糸に、王室内の思惑(特にチャールズ皇太子は当然ダイアナを追悼したいと思うが、フィリップ殿下などはそうは思わない)を横糸につむいだわずか7日間の出来事を描いたもの。しかし、ブレアの行動が王室を救ったという見方と、いや結局イギリス国民は王制を捨てないという見方に分かれる。少なくともブレアの妻シェリーのような共和派が大英帝国を制することはなかったようだ。
もちろん映画で描かれたことが真実であるかどうかわからないが、ダイアナ妃がたおれたときちょうどスコットランドのバルモラル城で避暑していた女王をはじめとする王室一家の動向は側近やその当時城で仕えていた者たちの情報によるものであり、完全なフィクションとは言えないだろう。どこぞの国のかの高貴な方たちも葉山や軽井沢などに行かれるようだが、その内部のことまで伝わっては来ない。パパラッチがダイアナ妃を殺したとの批判もあるが、そこまでいかなくても少なくとも国民の税金で食べている特権階級の人たちの動向がこれほどベールに包まれているというのでは民主主義国家とは言えない。まあ、葉山も軽井沢も域内で野生の鹿討ができるほどのものではないだろうが。
「プリンセスマサコの真実」(原題 Princess Masako:Prizoner of the Chrysanthemum Throne 皇妃雅子:菊のご紋に囚われの身 くらいに訳すのだろうか?)を出版するなと宮内庁が圧力をかけたのだと(多分そうだろう)される日本にくらべて「愛される」王室の公開度も高いということか、英国は。
いずれにしてもブレアももう首相を辞める。親米のメルケル首相やサルコジ大統領の出現で右傾化するヨーロッパから別の意味で目が離せない。ヨーロッパ映画も。
コメント
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