千手院のBlog

タイトルそのまま・・・お寺の紹介・生活日記!冬期は墓地の積雪状況もアップしています。

御詠歌

2006年10月04日 | 御詠歌
今日は御詠歌の練習の日。秋晴れの中、午後から2時間のおけいこでした。

10月26日に福島県の飯坂で御詠歌の全国奉詠大会というのが行われます。千手院の皆さんもそこへ参加するため、今回の練習も真剣です。

全国大会といっても競うものではなく、全国の御詠歌を愛する方達が集って、1年の成果を発表したり、なにせ「奉詠(ほうえい)」ですから、仏さま、ご先祖や先達の人たち、宗祖の弘法大師さまなどに捧げる大会なんです。

千手院の皆さんがお唱えする予定の曲は『大師講第二番御詠歌・無礙(むげ)』という歌です。歌詞は「ありがたや たかののやまのいわかげに だいしはいまだおわしますなる」。これに昔ながらの音符がつくわけです。

コンサートに使われるような大きな会場のステージに上がり、お唱えをするのでステージにに見立てて練習しました。

左手には鈴を、右手に撞木、教典をしたにおいてお唱えします。房の色が白や赤、水色とあってとてもきれいです。

本番はホント緊張するんですが、皆さん、がんばりましょう!

もちろん、温泉にも泊まり夜はさらに楽しくなるでしょう。

それと今日は途中でお客さんが来て、毘沙門様について聞きたいことがあるとのこと。浦佐の裸押し合い大祭では押し合いに入る人が皆、毘沙門様の「真言」をとなえるのですが、その意味を知りたいとのこと。

真言は「オン ベイシラマンダヤ ソワカ」。意味は「毘沙門天に帰依し奉る、成就(めでたし)」といった感じになります。実にシンプルな言葉に和訳されるのですが、真言とはわざと訳さなかったもので、その音の持つ響き、言霊に重きを置いたものだと云われています。

浦佐の毘沙門様は由緒ある仏さまで、おかげで町が随分と栄え、人々にゆとりをもたらした時期がありました。しかし、最近は随分と寂しくなってしまいました。「なんでかなぁ~?」と思うことの多いこの頃です。

おっと、ワタクシがこんな事を言ってはいけないですね。

浦佐の町が元気になるよう、がんばりますよー!


お正月準備

2006年10月02日 | 行事・お祭り
今日の浦佐は1日中雨でした。

庭の木々も少しですが色づきはじめ、これからは庭掃除の毎日が続きます。
春にすてきな花を見せてもらった恩返しですね。

さてさて、10月に入り、お寺の正月準備が始まりました。
大体、秋のお彼岸が明けるとすぐに取りかかるのですが、今年はちょっと遅れてしまいました。

「今から何をするのですか?」と聞こえてきそうです。

たくさんあってなにから言えばよいのか迷ってしまいますが、千手院でお正月から行われるご祈祷のお札作りが中心です。

御日待や星祭りなど、千手院のお札はほとんどが手作りなんです。
最近になって少し機械の力を借りておりますが、それでもかなりの時間がかかります。今から取りかかっても、いつもギリギリになってしまいます。

けれど、その「手間をかける」ところにまた良さを感じたりもしてます。

千手院の星祭りは特色があって、お札の他に「記念札」という、その年の年回りを書いた紙を渡しています。1人につき1枚、簡単にしか書いてありませんが、全部手書きで1,000枚以上を書きます。書く内容は1枚1枚違うので時間がかかってしまうんですが、毎年楽しみにしていてくださる方がいるのでがんばっています。

よくこの伝統が守られてきたなぁ・・・と自分でも驚くと同時に大切にしたいと思っています。

感謝、感謝です。


葬儀を考える

2006年10月01日 | 葬儀
29日だったと思うんですが、夜のNHKで『納得!私のお葬式』という番組を見ました。

お葬式の疑問をいろいろとやってました。戒名のこと、費用のこと、作法のこと、散骨や樹木葬など、とても興味深い情報がたくさんありました。

インタビューの中で「私らしい葬儀」という言葉が多く出てました。

「現在の仏式のお葬式、大丈夫かなぁ?」学生の時からの思いが年々危機感に変わってきた中で、さらに追い打ちをかけられる内容でした。

檀家制度は江戸時代に徳川幕府から強いられた制度。それにあぐらをかいてしまった寺院と僧侶。もちろん全部がそうではないにしても、全体的にはその感が強い。

「檀家数」の多いお寺は、やはり過去に立派な僧侶がいたんだと思う。けれど世襲制になってきている今は「檀家数が多い」=「立派な僧侶がいる」とは限らない。亡くなった師匠がよく「下座行」ということを言っていました。立派な僧侶ほどほうきを持って庭を掃き、ぞうきんをかけ、汚くなる仕事をやるもんだ・・・と。

番組でも「葬儀はした方が良い・したい」という方が多かった。しかし、仏式でお坊さんにお願いしたい、という感想はほとんどなかったのが残念でした。それだけ魅力を失っているんだと思います。

「私がもし死んだら、このお坊さんに仏式のお葬式をあげて欲しい」そんな風に言っていただけるような坊さんになりたいなぁ。