ここのところ気温が高い日が続いています。
気温が上がり、少し南風でも吹くと雪はあっという間に消えていきます。とは言っても、境内周辺はまだ2mほどの積雪があります。
私も何とかインフルエンザではなく、普通の風邪で、昨日の五箇地区の御日待・星祭り祈祷が何とか?勤まりました。ホッとしています。
団体でのご祈祷が終わり、あとは個別に対応しながらのご祈祷の日々になります。
今日はお天気が良かったので、また古山門の雪堀りに行きたかったのですが、風邪がぶり返すと嫌だったので寺務仕事と、何年かに1回のペースで行っているワックスがけを始めました。
私の母親が幼い頃は、老僧から言われて布地の中に剝いたクルミをたくさん詰め、固く握って廊下や柱まで、徹底的に磨かされたそうです。
クルミからでる油が、ちょうど良いワックスになり、建物や木材を保護してくれ、光沢を出してくれるのです。普段は普通に水拭きですが、時折、今で言うワックスがけをしてきたという訳です。
また、昔いらっしゃった女中さんが毎日毎日、最後まで本堂の廊下を水拭きしていたと聞いております。最近はモップを使うことが多くなってきたのですが、「基本は水拭き」だと思います。
おかげで今の千手院本堂があります。感謝、感謝です。
そのような歴史があるので、私もそれを引き継いで?います。
クルミの油はどうしても黒色がでて、手間も相当にかかり、足袋など足下が汚れてしまうので、今は天然の蜜蝋を使っています。もちろんこれでも手間はかかるのですが、柱、廊下、床の間、手あぶり火鉢やたばこ盆などなど・・・、無垢のかけられるところには、順次かけていきます。
こうやって時間をかけて古い物にふれると、とても心地が良いのです。