立春を過ぎましたね。これからはいよいよ春の到来でしょうか。
昨年11月からお願いをしていた浦佐毘沙門堂の正面にある古山門(太子堂)の額の修復が完了し、今日取り付け作業をしてもらいました。
文政4年(1821)に、小千谷の星野喜代五良 喜治という方が寄進してくれた額です。額の裏面に彫ってありました。古山門は室町時代から江戸時代初期に建てられたと推測されており、現在の山門(仁王門)建立にあたり、文政9年に現在地へ移されたのでその5年前に奉納されたことになります。
欅で作られており、正面の金箔のはく離が特に激しく、できるだけ現状保存、新たに手を加えないように時間をかけて修復していただきました。
もう1枚。
聖徳太子の額も痛みが激しくかったため、修復しました。額を降ろしてみて初めて分かったのですが、木枠はありますが、聖徳太子と書かれている部分は何枚も紙を重ね合わせてありました。普通に見ると全く木に見えるのですが、そうではありませんでした。
その分、修復にも大変時間がかかり、一見どこを直したのか分からないようですが、職人さんが予定の3倍くらい手間暇がかかったとお話ししてくれました。感謝です。
紙であるため、風雨にさらされるとやはり弱いと言っていましたが、今回修復いただいたことで何とか現状は維持されました。今後も何とか守っていきたいものです。この額には何の記録も見あたりませんでしたが、紙の中身は修復していないので、中には何か記録があるかもしれません。
この度は、コツコツと積み上げてきた浄財、古山門のお賽銭をほぼすべて使わせていただきました。皆様の信心のおかげであります。古山門は毘沙門堂境内の中で一番古い建造物なため、これからも保存、維持には大変な力が必要になるかと思いますが、精一杯がんばりたいと思いますので、今後も今以上に皆様のお力を賜りますようお願い申し上げます。
合 掌。