【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 1月1日 10 相手を傷つけないで、言いにくいことを話す
平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。
この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。
日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。
紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。
【 注 】
日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。
■【小説風 傘寿の日記】
私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。
元日には、恒例の「今年の私」をテーマに、自分自身の棚卸しをします。
私が30歳代の時に開発した「ビジネスパーソン・ドック」という手法を用います。
自分の生き方、何をすべきか、どの様にすべきか、これを毎年明確にする作業です。
作業と言うより「行事」です。
一昔前流に言うと年初の「ルーティーン」ですね。
竹根に経営を委ねた自社のクライアントの社長の友人が経営する企業で、新年年頭に社員の皆さんに講話をお願いしたいと言われていました。
これまでも、このようなことは何度も行ってきているので、オンラインでお話をしました。
■ 10 相手を傷つけないで、言いにくいことを話す
私は、毎朝一時間ほどのウォーキングをしています。家に近くなる頃には、ポツポツと通勤の人に出会います。
ご自宅では、「寝起きの一本」をしたいところを、ご家族の関係でたばこを吸えないで玄関を出られるのかもしれません。
ウォーキング中の私がいても、堂々と吸い続けている人、掌でたばこを覆いながら、喫煙を隠そうとする人、さまざまです。
おそらく、その様などなたも、「歩行喫煙禁止」ということはご存知なのですが、喫煙の誘惑には勝てないのでしょう。
それを承知で喫煙しているのですから、私はあえて、禁煙すべきだなどと言うつもりはありません。(そう言いたいところですが・・・)
ただ、通り過ぎるまで、たばこを吹かすのを止めて欲しいだけなのです。
ある朝、前方からたばこを吸っている同世代の人がやってくるのが見えました。その人がいる近くに横断歩道があります。
早朝ではありますが、相手が数十メートル先にいらっしゃるので、少々大きめの声で「これから道の反対側に回りますので、ちょっと止まっていて下さい」とお願いしました。
それが、聞こえなかったのか、無視して、私の方に向かって歩いてきました。すれ違い様に、「人とすれ違うときくらい、たばこを吹かすのを止めていただけませんか」とお願いしました。
その人は、なんと、私の顔をめがけて、たばこを吹きかけてきたのです。おそらく、私の語調が強かったので、立腹されたのでしょう。
別の日ですが、見るからに通勤の人らしい、五〇代のでっぷりとした、貫禄のある、重役タイプの男性とすれ違うことになりました。
その方もたばこを堂々と吹かしています。すれちがう、5m程手前で、頭を垂れて、「大変申し訳ありませんが、私が通り過ぎるまで、たばこを吹かすのを一旦中断していただけませんでしょうか」と言いましたところ、吸うのをやめてくださいました。
こちらが、誠意を込めてお願いしますと、相手の人も聴く耳を持って下さるのですね。
このブログシリーズで、歩行喫煙をしている人に対する言い方について、相手に気づいていただく例をご紹介しました。
それが、仕事上の部下であったり、目下の人であったりしますと、相手への配慮を欠いてしまうことがありがちです。
「注意や叱ることにより、相手のやる気を削ぐことがないように」、できれば、「さらにやる気を高められるように」という視点になります。
しかし、親にさえ叱られたことがないような人達が多い昨今ですので、上司だからといって、高圧的な言い方は厳禁です。「パワハラだ」と、訴えられてしまうかもしれないご時世です。
一方で、ストレートに、相手の問題点を指摘し、論理的に話して納得させようというのも、「率直だ」という評価からうまく行く場合もあります。しかし、得てして、率直な物言いを、いきなりされても、逆ギレを買うことになりかねません。
人によっては、自信を失い、せっかく、成長を意図しての行為ですのに、逆効果になってしまうこともあります。
この様に、劣等感を抱かせたり、反感を買ったりしないためには、どのようにしたら良いのでしょうか。
人によっては、「本論から入らずに、相手を誉めるところから始めるのがよい」とアドバイスをする方もいます。
この方法は、成功することが多いですので、いろいろな人が推奨しています。ところが、反面、「下心が、見え見え」とこちらの手立てを読まれてしまいますと、せっかくの配慮もうまく行きません。
ありきたりのことではありますが、注意をしたり、叱ったりするときの基本は、自分が冷静であることが第一です。
相手の性格に応じて、誉めることから始めるのか、率直に切り出すのか、適切な判断が必要です。
これもよく知られていることですが、他の社員のいる前での、注意や叱責は厳禁です。
私は、事前に、キチンとストーリーを整理し、メモにしておき、原則は、それに沿って、論理的に、ゆったりとした口調で話をするようにします。
多くの場合には、これでうまく行きますが、こちらが構築したストーリー通りに進まないことがあたり前のように起こります。そのようなときも、一旦は横道にそれることも容認して、ストーリーを修正したり、状況判断によって補正をしたりします。
けっして、いつも言っていることや、他の人に言っていることと異なる論旨にならないように、主旨一環が原則です。その場限りのやり方は、矛盾を請じかねません。
八方美人的に、「嫌われたくない」という気持ちが先行しても、平素言っている論旨から外れてしまうこともあります。
しかし、中には、論理的に理詰めで話されるのが不得意な人もいます。その様な人の多くは、情緒的な人です。「相手の情に訴える」という戦法も人によっては効果的です。
要は、目的と手段の選択と、状況に応じた臨機応変性が求められるといえます。
■【今日は何の日】
当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。
この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。
■【今日は何の日】 1月2日 はつゆめ 初荷 書き初め
■【経営コンサルタントの独り言】
その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。
◆失敗は、人を成長させる 101
人間というのは、失敗をすることにより多くを学び、その原因を分析し、どうすれば良かったのかを考えます。
また、同じような失敗の繰り返しをしないためにはどうしたらよいのか、自分は今後どの様なことに注意しながら生きて行けば良いのか等々を思考を繰り返します。
ときには、堂々巡りをし、時には、ヒントを掴み、そのヒントがヒントでないことに気がつくこともあります。
それでも、そのヒントを重考(考えを重ねる)するために、ヒントを文字にし、それを何度も、何十回も繰り返し読むうちに、曙光が見えることがあります。
曙光が見えたら、自分の反省を確かなものにするために、さらに重考します。ときには、信頼できる人に相談することもあるでしょう。
ところが、大半の人は、重考をしないで諦めてしまったり、相談した人に断られると、三顧の礼もせずに、そのまま放置したりしてしまうのです。
本当に、その人の助けやアドバイスが必要なら、諦めず、何度でも、何十回でも、その人にアクセスするでしょう。
「営業は断られたときに始まる」という名言があります。
簡単に諦められるようでは、その人の助けを必要とする気持ちは、それほどには強くないのです。
繰り返し頼まれれば、良識ある人なら必ず、助けてくれたり、アドバイスやヒントをくれたり、話を聞いてくれたりします。
まだ、反省の機会を持てば良いのですが、自分が直面した事象が、重大な問題であることに気がつかない人が多いのです。
特に、素直な人やクリティカル・シンキング的に疑うことをしない人に、この傾向が強く、現状をそのまま受け入れてしまうのです。
反省すべきことということに、たとえ気がついても、「自分が悪かった」「やり方を間違えた」「自分には、その様なことを解決する能力がない」というような抽象的な反省しかできない人も多いのです。
抽象的な反省は、反省ではなく、悔恨であったり、後悔であったりに過ぎないのです。それでは、真の反省をしたことになりませんので、同じ過ちを繰り返してしまうのです。
同じ過ちを繰り返しても、おなじ悔恨しかしませんので、反省できていないので、再び同じ過ちを繰り返してしまいます。
おはずかしいながら、私などは、失敗ばかりを繰り返してきました。
そのために、反省の重要性、対処方法の難しさを、嫌というほど味わされてきました。
失敗の少ない人は、幸か不幸か、失敗したときの反省や対処方法を学ぶ機会に恵まれないできてしまっているのです。それは、失敗から学ぶという機会を損失してきたことなのです。
失敗というのは、失敗ではなく、「成長のための教え」なのです。
失敗したまま放置したり、軽視して真の反省をしなかったりしていては、けっして「失敗は成功の母」とはいえないのです。
■【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業
私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。
竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。それを私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。
原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
【これまでお話】
エピローグは、主人公である竹根好助(たけねよしすけ)の人柄を知る重要な部分でした。
親によるある教えで、超一流ではないものの上場商社に入社した竹根の若かりし、1ドルが360円の時代でした。
入社して、まだ1年半にも満たないときのことです。アメリカ駐在事務所を開設するという重大発表がありました。社内では、誰が派遣されるのか話題沸騰です。若輩の竹根は推理小説でも読むような気持ちで、誰が選ばれるか、興味津々で推理を働かせました。
一方で、角菊は、自分の意図とは異なる社長の結論に納得がいかないのですが、かといって、それをあからさまにすることはしませんでした。他方、竹根は角菊からの内示なしに、社内には竹根に白羽の矢が立っていることを知りました。海外経験のない竹根は戸惑うばかりです。
【最新号・バックナンバー】 毎週金曜日正午頃お届けしています。
ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。
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