■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507
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■ 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507
「過去負う者」という映画が上映されている。実在する受刑者向け求人誌の 活動をヒントに、刑務所の出所者の社会復帰という重いテーマを扱っている。 ひき逃げで10年服役した後に中華料理店で働く男性をはじめ、就職したものの 社会の不寛容という壁に突き当たる出所者の苦悩が描かれている。
日本では出所者の約半数が再び犯罪に手を染めている。その大きな要因の 一つが就労だ。周囲の偏見などから仕事に就けず、経済的に困窮したり社会的に 孤立したりする。再犯者の7割は犯行時に無職だったというデータもある。 政府は2016年、再犯防止推進法を施行し、自治体や民間企業などと連携して 出所者の就職などを支援。雇用に協力したいとする「協力雇用主」も 約2万4000社にのぼっているが、実際に雇用している企業は5%ほどにすぎない。
そんななか「仕事に就いて収入を得られれば再犯を防げる」と考え、 更生保護に取り組んでいるのが解体工事などを手掛けるE社 (島根県出雲市)だ。協力雇用主として登録し、現在5人の出所者を雇用 している。代表取締役のS氏は保護司として活動しているほか、 雇用した出所者の家賃や生活費の一部を個人的に援助することもあるという。
一方で、雇用した出所者が行方をくらまし、その後、逮捕されていたことが わかったというケースも。周囲からは「あそこは“ムショ帰り”を雇っている」 との声も聞かれた。実際に雇用している協力雇用主が少数にとどまっている のも、取引先など周囲の理解が得られないのが理由の一つだという。
映画「過去負う者」では、苦悩する出所者のため演劇による心理療法を採用し、出所者が稽古を重ねて舞台公演するというストーリーが展開する。しかし、舞台初日の観客の反応は厳しいものだった…。社会復帰の前に不寛容という大きな壁が立ちはだかっているのが現実だが、それでもS氏は 「出所者の“居場所づくり”を続けたい」と話している。
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