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経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507

2025-05-14 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507   

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507

 「過去負う者」という映画が上映されている。実在する受刑者向け求人誌の 活動をヒントに、刑務所の出所者の社会復帰という重いテーマを扱っている。 ひき逃げで10年服役した後に中華料理店で働く男性をはじめ、就職したものの 社会の不寛容という壁に突き当たる出所者の苦悩が描かれている。
 日本では出所者の約半数が再び犯罪に手を染めている。その大きな要因の 一つが就労だ。周囲の偏見などから仕事に就けず、経済的に困窮したり社会的に 孤立したりする。再犯者の7割は犯行時に無職だったというデータもある。 政府は2016年、再犯防止推進法を施行し、自治体や民間企業などと連携して 出所者の就職などを支援。雇用に協力したいとする「協力雇用主」も 約2万4000社にのぼっているが、実際に雇用している企業は5%ほどにすぎない。

 そんななか「仕事に就いて収入を得られれば再犯を防げる」と考え、 更生保護に取り組んでいるのが解体工事などを手掛けるE社 (島根県出雲市)だ。協力雇用主として登録し、現在5人の出所者を雇用 している。代表取締役のS氏は保護司として活動しているほか、 雇用した出所者の家賃や生活費の一部を個人的に援助することもあるという。
 一方で、雇用した出所者が行方をくらまし、その後、逮捕されていたことが わかったというケースも。周囲からは「あそこは“ムショ帰り”を雇っている」 との声も聞かれた。実際に雇用している協力雇用主が少数にとどまっている のも、取引先など周囲の理解が得られないのが理由の一つだという。
 映画「過去負う者」では、苦悩する出所者のため演劇による心理療法を採用し、出所者が稽古を重ねて舞台公演するというストーリーが展開する。しかし、舞台初日の観客の反応は厳しいものだった…。社会復帰の前に不寛容という大きな壁が立ちはだかっているのが現実だが、それでもS氏は 「出所者の“居場所づくり”を続けたい」と話している。


【 コメント 】
 TVドラマなどで、刑期を終えた人がテーマとして取り上げられることは多いです。
 ドラマの中で、保護司さんが活躍したり、陰で支えたりというようなシーンを見ますが、それを地で行っている会社があるのですね。
 社会的弱者である「務所帰り」の人を、温かく迎えて挙げるだけではなく、自分の会社で雇用したり、時にはポケットマネーで金銭的な援助をしたりと、まさにドラマを地で行っているのです。
 このような人が現実にいらっしゃるのですから、頭が下がります。
  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 超高齢社会を持続可能に 3b15-5430

2025-04-30 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 超高齢社会を持続可能に 3b15-5430   

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■ 超高齢社会を持続可能に 3b15-5430
 「団塊の世代」という言葉を知っている若い世代は少ないのかもしれない。 戦後間もない1947年~1950年の第1次ベビーブームのころに生まれた世代の ことだ。年間出生数は毎年250万人を超えていた。今の3倍の子供が生まれて いた計算になる。高度成長期が就職時期で、働き盛りの40代にバブル期を経験。 日本の生産や消費、文化を牽引してきた世代だ。
 その団塊世代が75歳以上の後期高齢者にさしかかっている。「2025年問題」 といわれ、雇用や医療、福祉など幅広い分野に影響を与えるのではないかと 懸念されている。その15年後には、団塊世代の子供たち、「団塊ジュニア」 世代が65歳以上になる。高齢者人口がピークとなる「2040年問題」が待ち 構えている。

 島根県松江市で高齢者施設向け調理済み食品の製造・販売など手掛けるM社は、「2040年問題」に向けて、高齢者の食を支える新たなビジネスモデルの構築にチャレンジしている。働きたい意思のある障がい者を 高齢者施設の厨房スタッフとして働けるようにする取り組みだ。
 「障がいを持った人たちは、その時の精神状態によって仕事ができたり、 できなかったりする。その心の動きを『見える化』して、指導員が適切な 指導や対応ができるよう支援する」とN社長は説明する。障がい者就労 支援事業所などと連携し、ビッグデータとITを活用して「障がい者の気持ち 見える化システム」の開発を進めている。
 M社では、「真空調理法」で調理したメニューを全国の高齢者施設などに届けている。食材を皿に盛り付け、再加熱するだけで健康に配慮した美味しい料理が食べられる。障がいを持っている人でもしっかり支援をすれば、盛り付けから配膳までワンオペレーションでこなすことができるそうだ。
 「高齢者施設の厨房は働き手が少ない分野。一方で、就労支援事業所の 多くは赤字経営といわれている。この取り組みが全国に広がれば、少なくとも 3万人の雇用を生む。自立する障がい者を増やすことができる」とN氏。 高齢者施設の人手不足と障がい者の働く場の確保という2つの社会的課題の 解消への貢献が期待される。

【 コメント 】
 高齢社会が大きな問題となっています。
 M社は、先を読んで2040年問題に取り組んでいます。そのときに、「高齢者施設」「食問題」「人手不足」というキーワードを関連付けての経営判断です。
 その経営判断により、自社の成長も望めますし、社会が抱える2つの問題解決にも寄与でるビジネスです。
 経営というのは「時代対応業」と私の先輩が言っていましたが、時代の先を読んで、M社は、自社の長期戦略に取り組むという、経営の基本を実践しています。
 いわば、「あたり前」のことをあたり前に行おうとしているのです。それがやはり経営者にとって必要な思考法の一つといえます。
 一方で、同じようなことを考える人がいるでしょうから、その対応策も今から取り組んでいきませんと、「アレッ!想定していたことと少し違うな」という状況に陥りかねませんので、注意が必要です。
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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ■ 磐梯山に見守られ、会津でモノづくり 3b08-5423

2025-04-23 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ■ 磐梯山に見守られ、会津でモノづくり 3b08-5423   

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■ 磐梯山に見守られ、会津でモノづくり 3b08-5423
 磐梯山は日本百名山にも数えられる福島を代表する山だ。明治時代の大爆発で 山体が大きく変わったが、同時に五色沼などさまざまな湖沼が形成された。 今では登山客が足を止めて魅入るほどの美しい景観をみせている。あざやかな 紅葉が過ぎ、まもなく本格的な冬支度のシーズンを迎える時期は魅惑的だ。

 会津若松市にあるS社の主力工場は、磐梯山が一望できる 高台の河東町工業団地にある。同社はここで、高級カメラや航空機、自動車 向けマグネシウム合金の切削加工を行っている。マグネシウムは実用金属中で 最軽量の金属だが、加工が難しい。同社は他社ができない困難な課題に挑戦し、 実績を積み重ねることで、多くの取引先から頼りにされる存在となった。
 同社がこの地でモノづくりを始めたのは2011年12月。同じ年の3月、本社が ある双葉郡大熊町が原子力発電所の事故で避難命令が出され、操業できなく なった。W社長は「再開は無理だな」と思っていたが、社員の熱意と取引先 カメラメーカーの支援、さらには会津若松市役所の強力な後押しで、震災から わずか9か月で新工場での操業再開を成し遂げた。立ち入り禁止区域にある 本社工場から、線量計を携えた社員が機械設備を持ち出すなど、苦難の末の再開。 W社長は「必ずこの会社を成長させる」と心に誓った
 同社は着実に事業の幅を広げるとともに、会津若松市の伝統工芸に従事する 企業と連携して、高級なくしを開発するなど、地域に根付いた活動も始めて いる。本社工場は今も帰還困難区域のままだ。W社長は大熊町の復興に協力 したいという気持ちは持ち続けつつも、会津でのモノづくりの継続を決めている。 本社工場から一緒に移ってきた社員も、子供たちの多くは会津で生まれ育った。 その子たちにとっては会津がふるさとだからだ。大災害に見舞われながらも 美しい姿をたたえる磐梯山に見守られ、同社は会津と大熊町、二つのふるさとを 思いながら事業を続けていく。

【 コメント 】
 東日本大震災・福島原発事故の後遺症で、本社工場の操業が絶望的な中、経営者としては諦めかけました。しかし、社員が被曝線量の高い中、必要な機器・機材を搬出し、会津工場に運ぶという熱意にほだされて、操業再開という決断に踏み切りました。
 社員の熱意に加え、地元自治体や取引先の応援が得られ、軌道に乗せられたのです。平素の、地元や取引先との密なコンタクト、特殊技術を残すべきと言う自治体の英断など、いろいろな要因のベクトルをあわせられた結果のことです。
 経営というのは、経営者ひとりがやることではなく、ステイクホルダーが一丸となりますと、その力は大きくできるのです。経営者は、いかにステイクホルダーのベクトルをあわせるかに腐心することです。
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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開

2025-04-16 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開 3b01-5416   

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■ ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開 3b01-5416
 静岡県浜松市を訪れた際、地元・浜松商工会議所の職員からこんな クイズを出された。「浜松アクトタワー(JR浜松駅前の高層ビル)はなんの 形をモチーフにしているか?ヒントは浜松にちなんだもの」。往年の人気刑事 ドラマ「古畑任三郎」にも登場した同ビルは確かに特徴的な外観だ。結局、 正解は出せず、「答えはハーモニカ」と教えられた。浜松には有名楽器メーカー があり、“音楽の街”として知られるのだ。
 その“音楽の街”の代表的な楽器といえばハーモニカ、ではなくピアノだろう。 ヤマハの創業者、山葉寅楠は1900年からピアノを製造。ヤマハから独立した 河合小市は1927年に河合楽器を設立した。そのため浜松周辺にはピアノ関連の 仕事を行う業者も数多い。

 1963年創業のH社(1989年に浜松市から 隣の磐田市へ移転)もそのひとつで、当初はピアノの塗装を手掛けていた。
 浜松は、楽器だけでなく、バイクメーカーの創業の地としても有名だ。H社もやがて二輪車部品の塗装に転換。さらに2008年のリーマンショック後には、同じく浜松で製造が盛んな四輪車に対象を広げ、今では四輪車部品の塗装が中心に。時代の流れとともに事業内容を変えてきている。ところが、課題も見えてきた。二輪車と合わせて売上の9割を車部品の塗装で占め、顧客としては自動車部品メーカー1社に7割ほどを依存しているのだ。
 こうした偏りを是正するため同社は新規事業を模索。目を付けたのは船外機 だった。浜名湖に近くプレジャーボートの生産も盛んな立地条件を活用しようという狙いだ。コロナ禍で密を避けられるレジャーとしてボートの需要が 高まったことも追い風となり、船外機の塗装は出足好調だ。こうした事業展開ができるのも、多くの産業が発展している浜松だからこそ。冒頭のクイズに戻るが、ヒントを出されても「浜松にちなんだもの」が次々と頭に浮かび、さほど役に 立たなかったのが実情だ。

【 コメント 】
 ABC分析という言葉を近年あまり聞かなくなったような気がします。
 しかし、経営コンサルタントとして、常に意識して、この半世紀をやってきました。
 その一つが、「顧客のABC分析」です。Aランク社数が少ないですと、万一、その会社が倒産したり、契約を打ち切られたりしたときには、倒産の危機に直面することになりかねません。
 H社は、1社に7割も依存していることのリスクに気がつき、もう一本の柱を作ろうと考えました。「遅きに失する」という悔やみに繋がる前に気がついたことは、経営者としての判断力が評価されます。
 私達、コンサルタント・士業は、クライアントさんの状況を常に俯瞰的にも見ている必要があります。
 ABC分析は、その観点でも重要なのですが、その知名度は高いものの、コンサルタント・士業でありながら、ABC分析・パレート図の読み方を知らない先生が何と多いこと・・・

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 鉱山を支えた技術が成長の原動力 3a25-5309

2025-04-09 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 鉱山を支えた技術が成長の原動力 3a25-5309

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■ 鉱山を支えた技術が成長の原動力 3a25-5309
 秋田県にはかつて多くの鉱山があった。奈良時代以前に見つかったと伝えられる鉱山をはじめ、江戸時代には400超の鉱山があったそうだ。金・銀・銅・鉛などのさまざまな金属がさかんに採掘された。戦後には県北部で銅や鉛、亜鉛などを豊富に含む黒鉱の鉱床が発見され、ブームに 沸いた。黒鉱の採掘は1990年代まで続いた。
 大館市で建築鉄骨や橋梁・水門などの鋼構造物の設計・製造などを手掛ける T社は、秋田の鉱業の発展とともに成長した会社だ。創業は1938年。 東京・亀戸で建築機械を製作していたが、戦時下の1944年に大館市に疎開。 この地を拠点に事業を続けた。地元が黒鉱ブームに沸く1964年ごろから、鉱山向けに機械設備や坑道を支える坑枠などの製造を始めた。
 将来の資源の枯渇を見越し、鉱山で培った技術とノウハウを活かして積極的に 多角化を推し進めた。大きな“武器”となったのが、坑枠の製造に活用していた「冷間曲げ加工」と呼ばれる技術だ。高い熱を加えずに鋼材を曲げる加工法で、精度が高く、高強度に仕上がる。「曲線を強調したデザイン性の高い建造物などに利用され、取引先からは『曲げのT社』といわれるほどの高い評価を受けている」とS社長は胸を張った。
 その技術を応用して1989年に開発した商品は倉庫や格納庫、防災シェルターなど幅広い用途に利用されている。アーチ状に曲げたデッキ プレートを現場に持ち込み、短期間で組み立てる。柱がなく、空間を有効活用 できるところが大きな特徴だ。南極・昭和基地でも格納庫や倉庫などに活用され、重要な社会インフラとしての存在感を高めている。
 足元では、原材料やエネルギー価格が高騰。「鋼材価格は2年ほどで2倍近く上昇した。値上がりのスピードがあまりに早く、見積書の作成が困難になるほど」とS社長は打ち明けた。逆風を跳ね返すため、原子力事業、洋上風力事業、防衛産業の3分野を重点市場に据え、新たな市場開拓に取り組む。「創造と挑戦を実践しながら100年企業を目指す」とS社長は意気込んでいる。

【 コメント 】
 特殊で高度な技術を持ち、それを活かした3本の商品ラインは、安定的な強みを持ちます。そのいずれかの業界景気が悪くなっても他のラインで、それを補えます。
 会社が安定しますと、ひとつの技術を、次の業界・商品への投資が可能です。
 しかし、以前にも述べましたように、多角化は、人財・マンパワーが追いつかなくなる懸念を常にはらんでいます。それを意識しませんと、逆に足を引っ張ることに繋がります。
 同社も、そのを忘れずにしていませんと、手を広げすぎていることに気がつかないことがありますので、注意が必要です。
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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 備えあれば憂いなし 鉄道ファンを乗馬ファンに 3a18-5402

2025-04-02 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 備えあれば憂いなし 鉄道ファンを乗馬ファンに 3a18-5402   

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■ 鉄道ファンを乗馬ファンに 3a18-5402
 2022年9月の台風15号で被災し、一部区間で不通が続いていた大井川鉄道大井川 本線(総延長約40キロメートル)が、静岡県島田市の家山-川根温泉 笹間渡の区間(約3キロ)で運行が再開された。すでに再開している金谷-家山 とあわせて再開区間は20キロになった。当時、沿線では、鉄道が通るたびに手製の うちわを振ってお祝いする地元民の姿が見られ、大いに盛り上がるほどであった。
 大井川鉄道は通年で『機関車トーマス』やなつかしい蒸気機関車(SL)を 運行するほか、全国の鉄道で使われていた古い車両を積極的に受け入れている ことから、子どもや鉄道ファンに根強い人気を得ている。乗客の中に占める 観光客の比率が高く、全国の地方鉄道の中でも独自の経営路線をとっている ことでも知られる。

 そんな島田市で鉄道ならぬ、馬で集客をしようとがんばっているのが、 L社長のMさんだ。同社は今回大井川 鉄道が運行を再開した島田市川根町家山にあり、乗馬体験や宿泊ができる施設を 運営している。広大な敷地には馬13頭やヤギ、イヌ、ウサギなどの動物も飼育 されており、訪れる人を癒してくれている。
 ただ、そんな同社にも苦難の時があった。コロナ禍の最中に先代社長が 亡くなり、Mさんは乗馬施設だけでなく、ガソリンスタンド事業経営など 複数の事業も担うこととなった。一方で宿泊客はゼロになり苦境に立たされた。 そんな同社に手を差し伸べたのが、島田市商工会だった。商工会の経営指導員 と二人三脚で事業を見直し、将来向かうべき道筋を再構成した。同時にものづくり補助金を活用して日本ではまだ珍しい乗馬シミュレーターを導入、乗馬初心者にも安心して乗馬体験ができるサービスを導入した。Mさんは 「あの時島田市商工会の支援がなかったら、今の当社はない」と振り返る。
 M社長は2023年を「リスタートの年」とし、週末にカフェを開くなど、新たな 集客作戦を展開している。大井川鉄道の再開は同社にとっても大きな好機だ。 鉄道目当てに訪れた人たちに、馬に乗れ、宿泊もできる施設があることを アピールし、地域の観光資源として定着させようと奮闘している。

【 コメント 】
 自分が経営者としての機会がすぐにやってくると判っていて継承する人もいますでしょうが、そうでなく、突然、自分にお鉢が回ってくる人もいます。
 そのときに、どの様に経営をしたら良いのかというのは、心の準備ができていないことが多いでしょうから、さぞ、大変だと思います。ましてや多角化された企業を引き継ぐ場合には、経営の視点が異なることもあり、その苦労は並大抵のことではなさそうです。
 それにもかかわらず、乗馬シミュレーターを導入するなど、前向きな取り組みの経営判断ができたのは素晴らしいことです。その背景には、紹介の指導員の存在も見逃せません。
 経営には、外部の力が必要な時が訪れて当然と考えることが必要です。それには、そのような人材との人間関係構築を平素からやっておく必要があります。
 備えあれば憂いなし

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 DXで進化する地域協業“令和の仲間まわし” 3a11-5326

2025-03-27 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 DXで進化する地域協業“令和の仲間まわし” 3a11-5326

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

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■ DXで進化する“令和の仲間まわし” 3a11-5326
 2023年で関東大震災から100年。10万人以上の死者・行方不明者を 出し、首都・東京を壊滅状態にした未曽有の大災害はその後の東京の姿を 大きく変えた。とくに被害が大きかった中心部からは多くの商店や工場、 住宅などが郊外に移転した。2023年9月まで放送されたNHK朝の連続テレビ小説 「らんまん」でも、それまで鄙びていた渋谷が震災を機に繁華街へと変わって いく様子が描かれていた。

 様々な町工場が集積し、国内有数の“ものづくりのまち”と呼ばれる現在の 大田区でも震災のあと、地盤が強固な台地では宅地化が進む一方で、工場が 次々と移転してきた。当時はまだ東京市外だったが、1932年には東京市に編入 された。余談だが、当初は大森区と蒲田区に分かれており、戦後に2区が合併。 「大」森と蒲「田」で大田区と名付けられたのである。
 その大田区では、複数の町工場がそれぞれの得意分野を活かす形で分業して 仕事を仕上げるという「仲間まわし」という伝統文化があった。「自分たちの 親世代では行われていたが、町工場の減少もあって薄れてきた」と話すのは F社の代表取締役、K氏。K氏は同じ町工場の若手経営者らとともに「仲間まわし」を新たな形で復活させようと取り組んでいる。その象徴が、町工場の技術を結集して製造し、海外のトップ選手が採用して いる「下町ボブスレー」である。
 2018年には仲間とともにI合同会社を設立。参画企業は 大田区内外で約80社にのぼる。さらに2022年8月にはクラウドサービス「プラッと ものづくり」を立ち上げ、受発注システムのデジタル化を実現した。「従来の 電話やファクスでは情報の見落としもあったが、デジタル化でビジネスチャンス を逃さないようにしたい」とK氏。2023年6月に、日本DX大賞のBX部門で優秀賞を 受賞するなど各方面から注目される“令和の仲間まわし”は、DXで進化を遂げて いる。

【 コメント 】
 DXというのは、ICTに馴染みの薄い経営者・管理職にはハードルが高いです。ところが、仲間同士でワイワイガヤガヤやっているうちに、なんとなくわかってくるものです。
 東京都大田区というのは、仲間同士の結束が比較的強い地域です。「仲間まわし」という伝統的なやり方が、その結束の原点なのかも知れませんが、消えかけていました。その伝統を復活しようという試みが起こり、地域協業により、再び大田区が元気を取り戻しています。
 その背景には、「言い出しっぺ」すなわち「ファースト・ペンギン」が縁の下の力持ちとして動いているのです。一般的には、ファースト・ペンギンに、なんでも押しつける傾向がありますが、大田区では結束力がそれに勝っているのです。DXという単独の中小企業にとっては難問である課題も解決して活用しています。
 営業力の弱い、中小の工場(こうば)にとって、DXの恩恵は大きいでしょう。地域おこしの良い見本のひとつといえます。

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312 失敗も「学びの経験」として活かす

2025-03-19 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312 失敗も「学びの経験」として活かす   

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■ 土木工事のイメージ変えるICT技術 3a04-3319
 ショベルカーとブルドーザーは土木工事に欠かせない建設機械だ。油圧式 アームの先端についたショベル(バケット)で地面の掘り起こし、土砂をすくい 上げて移動させるショベルカー。バックホー、ユンボとも呼ばれ、幅広い作業に 活躍する。一方、ブルドーザーは、車両の前方に土砂を押し出すブレード (排土板)と呼ばれる盾がついており、土砂を押し出しながら平らに整地する。
 「ショベルカーとブルドーザー、操作はどっちが難しいと思う?」。埼玉県 春日部市のK社を取材した際、Y社長からこんな質問を投げかけられた。「どうみてもショベルカー」と思ったのだが、答えは意外にも ブルドーザーだった。「前後に車両を移動させながらブレードだけで繊細に土をコントロールする。簡単そうでそこが難しい。熟練したオペレーターはブルドーザーの方が圧倒的に少ない」と説明してくれた。
 K社はICT技術を搭載したショベルカーなどの建機や測量機器など積極的に導入し、効率的で生産性の高い土木工事を実現している。2022年度、インフラ分野での優秀なDXの取り組みを表彰する「インフラDX大賞」 (工事・業務部門)で国土交通大臣賞を受賞した。Y社長は効率的な経営を目指し、ICT建機を毎年1台、2台と増やしていったそうだ。
 ICT技術を搭載した建機は、測量や設計のデータを入力すると、カーナビのように作業を指示する。データ通りに自動で作業してくれる建機もある。 「ふだんショベルカーを操作していてブルドーザーは初めて」という オペレーターも滞りなくブルドーザーを操縦することができる。 人材確保が難しい重機オペレーターの効率的な活用に役立っている。
 ショベルやブレードのすぐそばで高さを確認するなどオペレーターをサポートする作業が必要だったが、ICTを導入すると、その必要がなくなる。 省力化だけでなく、安全性を高める効果も期待される。DXに踏み込めない中小の建設業者は少なくないが、「ICT建機は大きな資産。買ってうまくいかなかったら売ればいい。まずは積極的にチャレンジすることが大事」とY社長は話していた。

【 コメント 】
 経営者の中には、石橋をたたいても渡らない人もいれば、詳しく事前調査もしないで新しいことに挑戦する人もいます。昨今では、自分では判断力がないためにSNSの評判を聞いたり、多くの人が「いいね」をしていることを重視したりという人が多すぎます。
 某県の知事選挙で、現職よりライバル優勢という状況の中で、現職が当選するという結果になったことは、まだ記憶に新しいことです。SNS上における一部の人の発言が拡散して、それが「真実」であるかのごとく受けとめた人が、現職に投票したと考えられます。このように、自分自身の考えを持たない人に世の中が動かされてしまっているのは残念なことです。
 兼題のY社長は、豊富な経験から、「これならいける!」という判断をできる人なのでしょう。もちろん、判断を誤って失敗したこともあると思いますが、失敗を失敗で終わらせないで、「学びの経験」としているのではないでしょうか。それが、今日の成功に繋がり、「元気な会社」になったと考えられます。
 良いアイディアを持っていても、行動しなければ結果となって出てきません。成功している企業というのは、行動力があるのです。

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312

2025-03-12 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312   

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312
 愛知県岡崎市は、徳川家康の生誕地として知られる。NHKの大河ドラマ 『どうする家康』が放送されました。JR岡崎駅を降り立つと、家康ゆかりの地を紹介 するコーナーが設置されているなど、市を挙げて家康ブームを盛り上げていました。近年、岡崎城などを巡る家康ファンの姿がよく見られるという。
 この岡崎の地で、世界の半導体市場に挑戦しているのが、A社。創業者であるM社長が、大手自動車部品メーカーに 在職中に研究した技術をもとに開発した商品は、 非破壊・非接触で半導体製造の後工程の接合状態を瞬時に検査するという 業界初の検査装置。それまでの半導体検査は、抜き取りによる破壊検査か画像 処理による外観検査が主流で、良品を破壊するムダや、接合状態を直接検査 できないことによる不良品の発生といった課題があった。
 M社長が同社を創業したのは2018年。大手自動車部品メーカーを定年退職 した60歳の時。在職していたメーカーで事業化しない方針が決まり、「それなら 自分でやってみよう」と決意しての起業だった。開業資金は日本政策金融公庫 の創業融資でまかなった。この商品は1台2,500万円程度という高額商品。しかし、 半導体の歩留まり改善に寄与する検査装置として、半導体メーカーから注目 されている。
 M社長が心掛けているのは、社員のワークライフバランス。残業ゼロを 掲げている。「私の若いころは会社に寝泊まりしてでもやれという時代だったが、 実際は疲れていい力はでない。短時間に集中して仕事してもらった方がいい」 と長時間労働には否定的だ。また、社員の給料は毎年社長との相対交渉で決める ことにしており「中には私より高給な社員もいる」と報酬面でも配慮している。 「日本は技術者のステータスが低い。私も若いころから発明をしていたが、 報われなかった。だから優秀な人が海外に流れてしまう」と自身の経験から、 技術者・社員を大切にする経営を心掛けている。
 この商品は国内外の半導体メーカーからの要望が相次ぎ、受注を待ってもらっている状況。「まずは国内の半導体メーカーからの発注に対応し、来年には台湾 など海外メーカーからの需要にも応じていく」という。同社は早期に年間売上高 20億円を達成し、さらに成長を目指している。徳川家康が関ケ原の合戦に勝利し、 天下統一を果たしたのは59歳、徳川幕府の基盤を築いたのは60歳代でのこと。 60歳で起業したM社長の世界市場を見据えた天下取りもこれからが本番だ。

【 コメント 】
 半導体産業といえば、今後も成長を続ける分野の一つです。そこで困っている問題の一つが、検査工程の精度アップという課題があります。成長産業であっても、その位置部分の工程用途ですから、市場は限られています。
 大手企業に在席していたときに、提案をしたものの受け入れられず、「それなら自分で作ってやる」という気持ちで独立起業して着手したそうです。
 成長産業の中のニッチ部分というのは、必要性が高くても大手企業が手を出さない、ニッチ市場なのです。「困っている」「大手が手を出さない」というニッチ産業こそが中堅・中小企業の出番です。その分野でナンバーワンになることは、問題の難しさ、開発費用・期間を勘案しますと大変なことでしょう。
 そのような状況下では、開発者等は寝食を惜しまず仕事をしがちですが、M社はワーク・ライフ・バランスを重視するという、一見矛盾をはらんだことをやり遂げているのです。
 このような矛盾を解決するには、熱意・意気込み・使命感などが高くなければできないことです。
 中堅・中小企業成功の鍵が、ここM社にも潜んでいますね。

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 応援を力にして夢をかなえる 3920-3305

2025-03-05 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 応援を力にして夢をかなえる 3920-3305

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

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■ 応援を力にして夢をかなえる 3920-3305
 米大リーグの大谷翔平選手は夢をかなえるために目標達成シートを活用して いる。シート中央に目標(夢)を書き込み、達成するために必要な要素を周りに 記入するものだ。目標達成に向けてはこんな発言もしている。「ずっと目標にし、 それをチームメイトに伝えたり、紙に書いたりしていたからだと思います。 そうやって自分にプレッシャーをかけていないと努力しないので」。高校3年の 大谷選手が岩手大会で大きな目標だった時速160kmの剛速球を投げられた理由 について聞かれたときの答えだ。

 大谷選手と同様、「夢を口にする、形にしてみる、話し合ってみる。それが 夢をかなえる第一歩」だと話している人がいる。山形県高畠町で菓子工房C社を経営するS氏だ。S氏は子どもたちの夢の実現を応援していく「夢ケーキ」というプロジェクトに取り組んでいる。子どもたちが 自分の夢を絵に描き、パティシエと一緒に夢を描いたケーキを作ってプレゼントするという企画だ。

 出来上がった夢ケーキを囲んで子どもの夢について両親らと一緒に語り合う ことで子どもたちの夢の実現を応援する。それがS氏の想いである。10年前 からイベントを始め、小学校などから依頼を受けるほどの人気イベントになった。 コロナ禍で中断したが、現在はキッチンカーを導入しており、開催依頼に対し、 より柔軟に対応できる態勢を整えている。

 こうしたイベントの際にS氏は夢を口にすることの大切さを語っている。 ただ、自分にプレッシャーをかけるためというストイックな大谷選手とは異なり、 「夢のことを聞きつけて応援する人が出てくる」とS氏は話す。S氏自身、 夢だった新店舗建設について機会あるごとに人に話していたところ、応援する 人たちが徐々に現れた。コロナ禍もあって実現は厳しいと考えていたが、周囲の 応援を力にして「だんだんやれる気になっていった」という。その店舗は2023年 12月にオープンした。

【 コメント 】
 しばしば「経営者は孤独である」という言葉を耳にしたり、見たりします。最終決断をするのは経営者です。
 しかし、ビジネスは、一人ではできません。社員もいれば、取引先もいます。彼等も取り込んで、自分の力にして行くことを実践しているのが、C社です。
 周囲を巻き込むためには、情報を発信することです。自分の考えや夢を語り続けることです。C社のS氏は、「夢を口にする、形にしてみる、話し合ってみる。それが 夢をかなえる第一歩である」と考え、実践しています。
 子どもたちの夢の実現を応援していくというコンセプトのプロジェクトに取り組んでいます。子どもたちが 自分の夢を絵に描き、パティシエと一緒に夢を描いたケーキを作ってプレゼントするというやりかたで周囲を巻き込んでいるのです。
 商品を売るのではなく、夢や喜びを提供することでビジネスが拡大している良い【事例】といえます。

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■【成功企業・元気な会社・AC頑張っている社長】 膜で世界の課題を解決 3906-5225

2025-02-25 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 膜で世界の課題を解決 3906-5225   

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■ 膜で世界の課題を解決 3906-5225

 子どもの頃、親に連れて行ってもらったサーカスは、大きくてカラフルな テントの中で、空中ブランコやピエロの曲芸が次々と繰り広げられ、夢のような 時間だったことをおぼえている。そして、大人になって下北沢のテント劇場で 見た演劇は親密で秘密のにおいがした。テントには、人を非日常の世界に いざなう効果があるのかもしれない。

 日本で最初にサーカスの大型テントが登場したのは、1950年代。木下サーカス がそれまでの丸太小屋組みから、持ち運びが便利で設営しやすい膜によるテント を張ったことが始まりと言われている。その大テントを製造したのが、大阪の T社だ。木下サーカスに納めたテントは、長さ37.8m、幅46.8m で周囲を驚かせた。

 大型テントの可能性を世界に知らしめたのは、1970年の大阪万博だった。 万博に出展するパビリオンは、短い工期で建設し、会期中は多数の来場者に 耐える堅牢性を保ちつつ、終了後は跡形もなく撤収させなくてはならない。 軽量の膜を空気で支える構造は、万博で建築物に求められる特性に合ったもの だった。T社は大阪万博でアメリカ館や富士グループ館など、万博会場の 膜構造物関連の9割を受注し、万博成功を黒子として支えた。膜構造はその後 世界に広まり、大型ドームの建設ブームを呼んだ。

 膜構造の良さは、軽量で曲面的なデザインができること。光を採り入れられる ので、省エネにもなる。また、世界で発生する廃棄物の約半分は建築由来と 言われるが、膜構造であればそれも大幅に減量できる。地球環境にも優しい。 コロナ禍においても、膜は大活躍した。感染者を隔離したり、ワクチン接種 会場を臨時に設ける時も、空気で膨らませて短期で設営できるエアドームは 重宝された。

 T社は膜技術の最先端を走る企業として、世界で開催される万博会場で、 パビリオンやファサード、スクリーンなどさまざまな構造物を提供している。 同社のN社長は「当社は膜の伝道師として、世界を変える膜の新しい 技術に挑戦していく」と覚悟を語る。2025年の大阪・関西万博においても関西 パビリオンの施工を受託したほか、多くのパビリオンの建設にもかかわっていく という。子ども時代にサーカスでワクワクしたような、新たな体験を私たちに 見せてくれることを期待したい。

【 コメント 】
 T社も、成功企業の典型的な「新商品」を成長と安定経営に繋げるという【事例】といえます。
 それに加えて、「万博」という商機を逃さず、それに適した商品創りをしたことも成功要因といえます。
 コロナ禍の時には、自社商品を上手に利用するようにと提案営業が成功したのでしょう。
 時代の動向とそこに顕在的・潜在的に潜むニーズの掘り起こしができる企業は成長します。ここではクリティカル・シンキングやシステム・シンキングが役立っていると推察します。

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 御堂筋の一方通行も始まりは大阪万博 3830-5218

2025-02-18 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 御堂筋の一方通行も始まりは大阪万博 3830-5218   

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

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■ 御堂筋の一方通行も始まりは大阪万博 3830-5218

 大阪のキタ(梅田)とミナミ(難波)を結び、市中心部を南北に貫く御堂筋。 「雨の御堂筋」をはじめ数々の歌にも登場する大阪のメインストリートだ。 長さ4km、6車線もある御堂筋は元々対面通行だったが、1970年の大阪万博が きっかけで南行きの一方通行になった。すでに渋滞が慢性化するなか、万博が 開かれれば混雑はいっそう深刻になる。そうした事態を避けるため開幕2カ月 前の同年1月に一方通行化され、今に至っている。

 御堂筋の一方通行のように、大阪万博を機に導入・普及となったものは多い。 たとえば動く歩道やモノレール、電気自動車、携帯電話など。ケンタッキー フライドチキンはアメリカ館で日本に初お目見えし、明治ブルガリアヨーグルト は同社社員がブルガリア館で本場のヨーグルトを試食したことがきっかけで 誕生した。大阪ではエスカレーターで左側を空けるという習慣も万博が始まり だといわれる。

 S社のインク浸透スタンプも万博で注目された商品だ。 スタンプ台でインクをつけることなく何度もスタンプを押せるもので、10年 以上の開発期間を経て1965年に発売。当初は苦戦したが、万博で一変した。 各パビリオンが記念スタンプとして、このスタンプを設置したところ、 スタンプ台不要という便利さが評判に。会期途中から設置するケースもあり 最終的には約40カ所のパビリオンで使用された。認知度は一気に高まり、万博後には2倍、3倍と売れ行きを伸ばしていった。「出展の目的は一人でも多くの 方にこの商品を実際に使ってもらい、便利さを感じていただくこと」 (同社のF社長)。狙いはまさに的中した。

 2025年には同じ大阪で大阪・関西万博が開かれる。空飛ぶクルマや70年万博 にも登場した人間洗濯機など話題の出展があるが、この商品のように 中小企業の技術・製品が注目されるかもしれない。

【 コメント 】
 S社の当該商品を知らない人はいないほど、身近な商品です。
 その開発には、10年の長い年月がかかったと言われますが、同社の商品のように市場に染み込んだ普及率からしますと、モトはすぐに取れたのではないでしょうか。
 中小企業は、新商品がヒットすることにより、知名度が急に上がり、売り上げも急上昇します。この時に、気をつけなければいけないのが、急ごしらえの組織で、管理が行き届かず、急激に業績が悪化して行くことです。また、競合品・類似品が出てきますと、それに輪をかけることになります。
 S社の場合には、順調に進んできているようですが、今後の市場動向や技術革新で、その順調さが持続するとは限りません。経営が順調なときこそ、将来への投資が必要で、次のヒット商品開発に尽力すべきでしょうし、おそらく同社はそうなさっていると思います。次の新商品を期待しています。
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【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  リーマンショックの逆風をてこに新事業展開 元気な会社は逆風にも強い 3802-5121

2025-02-04 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  リーマンショックの逆風をてこに新事業展開 元気な会社は逆風にも強い 3802-5121

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■   リーマンショックの逆風をてこに新事業展開 3802-5121
 2023年3月まで放送されていたNHKの連続テレビ小説「舞い上がれ」は、モノづくりの街、東大阪が舞台だった。ねじ工場を経営していた父が他界し、経営を 引き継いだ母を支えるヒロインの奮闘が描かれている。リーマンショックを きっかけにパイロットの夢をあきらめたヒロイン。事業承継やリストラ、新たな 事業へのチャレンジ、地域との調和…。リーマンショック以降、多くの中小 企業が直面した課題をタイムリーに取り上げていた。

 ドラマが最終回を迎えて間もなく、「DXセレクション2022」グランプリを 獲得したのがY社であった。本社があるのは大阪市平野区。 東大阪同様、昔からものづくりの工場が集積するエリアだ。Y社は 本社周辺の廃業した工場などを居ぬきのまま買い取り、オフィスなどに利用 していた。周辺の工場がマンションや住宅に姿を変える中、そこだけが昔ながら の町工場の風景が残っていた。どこか「舞い上がれ」の原風景の中にいるような 感覚になった。

 金属部品の切削加工を手掛けるY社は、リーマンショックの逆風を てこに事業を拡大させた会社だ。自転車部品など下請けが主力だったが、下請け からの脱却を目指し、センシングやモニタリング、データ分析などの技術を蓄積。 切削加工工程の「見える化」を実現した。その成果をソリューションとして他の 企業にも提供する。取引先の数は600社を超え、リーマンショック前の10倍以上 に広がったそうだ。

 現在、Y社が力を入れているのが、ロボットシステムインテグ レーション(SI)事業だ。センシングやAI(人工知能)の技術をロボットに 応用し、人がやっていたさまざまな作業をロボット1台が自動でこなす。 Y社長は「最小限の人で高度なものづくりを実現できる。ロボットやAIを 活用することで、人手が足りない中小企業の事業継続が可能になる」と指摘する。 近い将来、ロボットが人手不足に悩む中小企業の救世主となる日が来るかもしれ ない。

【 コメント 】
 今回、ご紹介しましたY社が元気な理由は、成長企業における点計【定期】なパターンと言えます。
 自社の核となる商品・サービス、その関連商品・サービスへの進出、そして、明日への先行投資、大企業では、小回りが利きませんが、中小企業にとっては、この成長スパイラルを地道に続けていくことが必要です。
 しかし、基礎体力がなければ、その継続ができません。基礎体力の原点は、「あたり前のことがあたり前にできる」ことと信じています。

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【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 「奥の細道」ゆかりの大垣で起業、「むすびの地」を目指す 3809-5128

2025-01-28 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 「奥の細道」ゆかりの大垣で起業、「むすびの地」を目指す 3809-5128

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■   「奥の細道」ゆかりの大垣で起業、「むすびの地」を目指す 3809-5128
 松尾芭蕉の「奥の細道」は江戸の千住から始まった。隅田川にかかる千住大橋 の近くには、芭蕉が出発の際に詠んだ「行く春や鳥啼(とりなき)魚の目は泪」 と刻まれた矢立初(やたてはじめ)の碑が建っている。そこから約5カ月に わたって東北・北陸地方をめぐった芭蕉は現在の岐阜県の大垣で旅を終えた。 大垣市内には「奥の細道むすびの地記念館」が2012年に完成し、芭蕉が詠んだ 俳句などを紹介している。

 その芭蕉ゆかりの地そばに本社を構えるのが、企業主導型保育園を運営する R社だ。看護師として働いてきたK代表取締役が「赤ちゃん を預かる保育園にこそ看護師が必要」との考えから7年前に起業し、看護師常駐 の保育園を市内2カ所に開設したのである。以来、女性の活躍を応援したいとの 想いから、母親の再就職支援や訪問保育、さらにSDGs活動や高齢者自立支援と 事業を広げている。

 K氏は愛知県豊橋市の出身。同市や岡崎市で看護師として働き、その後、 結婚して名古屋市に移り、さらに第一子出産直前に家庭の事情で大垣市に移住 した。奥の細道で約2400kmを移動したといわれる芭蕉には到底及ばないものの、 K氏も故郷を離れ、それまで縁もゆかりもなかった大垣にたどり着いた。 JR東海道本線の快速電車に乗れば1時間半ほどで移動できる距離だが、親類も 知人もいない初めての土地で出産、育児と、当初は不安な日々を送ったという。

 話を芭蕉に戻すが、大垣で2週間ほど過ごしたあと、「蛤(はまぐり)の ふたみにわかれ行秋(ゆくあき)ぞ」との句を残し、桑名へとまた旅に出た。 そんな芭蕉とは異なり、K氏は2児の子育て、看護師への復帰、そして起業と、 大垣に腰を据えた格好だ。「とても住みやすい場所」(K氏)という大垣が 自身を含め多くの人たちにとって「むすびの地」になるよう、K氏は今後、 行政や企業と連携して魅力あるまちづくりを目指していく考えだ。

【 コメント 】
 経営者としての自分の経験も含め、働く人達を見ていて、「看護師が必要だ」と痛感し、その思いを経営に活かすという、経営者の夢の実現で成功している好例のひとつと言えます。
 女性の活躍を応援したいとの想いから、世の中の母親の再就職支援や訪問保育に留まらず、さらにSDGs活動や高齢者自立支援へと事業を広げているという経営姿勢に頭を垂れる思いです。
 頭で考えれば、社会貢献ということで理解はできますが、それをビジネスとして活かしているところに学ぶべきものがあります。
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【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  DX成功のカギは経営者にあり! 3726-5114

2025-01-21 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  DX成功のカギは経営者にあり! 3726-5114 

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■   DX成功のカギは経営者にあり! 3726-5114
 中小企業にとってDXは避けて通れないテーマとなっている。しかし、実際に DXで成功したケースは多いとは言えないようだ。なぜなのか。過去の調査では、 中小企業でDXが進まない要因として、DX・IT人材の不足を挙げる企業が多い。 これらの要因は確かにあるのだが、さまざまな中小企業を見るなかで、やはり DXへの認識が経営者に正しくなされていないことを痛感する。

 DXとはデジタルで事業を変革(トランスフォーメーション)させることである。 変革が主眼で、デジタルはそのためのツールに過ぎない。しかし、DX導入が 進まない企業を見ると、デジタルツール導入に関心がいき、肝心の変革を忘れて いることが多い。

 さらに、デジタル導入を社員任せにし、経営者は我関せず というケースもある。自社をどう変革させるかを考えるのは経営者の役割だ。 わが社のDXはなぜ進まないのかと首をかしげる経営者は、DXの目的と手段を はき違えていないのかを改めて問うてみてほしい。

  岡山で清酒や醤油などの醸造食品を製造する醸造設備を受注生産するF社は、DX導入で大きな成果をあげた代表格と言える企業だ。同社は まず、自社の将来像を「醸造を原点に、世界で『微生物インダストリー』を 共創する企業」と掲げ、実現するためにデジタルの活用が不可欠であると位置 づけた。

 同社も最初はデジタルスキルのある人材はたった一人だった。しかし、 副社長を筆頭に、社内の改革意欲のある人員を集め、手探りでスタートさせた。 

 当初から全社員に関心をもってもらえるように、改善策を徹底的にヒアリング することから始め、参画意欲を高めた。製造現場など、それまでのやり方を 変えることに抵抗を示す部署もあったが、副社長が自ら、なぜ変革が必要かを 現場に説いて回った。

 これらの努力で短期間に21ものデジタルツールを導入し、 業務の効率化や経営を見える化を実現させた。

 全社でDXに取り組む中で、デジタル関連の資格を取得する社員が延べ21人も 誕生するなど、社内のデジタル人材の育成も自然と進んでいった。今後はAIを 活用して酒造りに欠かせない杜氏の技能伝承をサポートするシステムを開発する など、取引先企業に役に立つことに取り組むなど、同社のDXは着実に進化して いる。

【 コメント 】
 中小企業でDXを導入し、活用することに、ハードルが高すぎると感じている企業が多いです。その主因のひとつが、DXに対する理解不足にあります。

 F社のケースを見ますと、なぜDXに取り組むのか、経営者が社員の理解を 得られるまで何度でも説明し、取り組みの最前線に身を置いています。これこそが、DXを成功 させる第一段階と言えます。

 F社の成功で、もうひとつ忘れてならないのが、自社の将来像を明確に打ち出し、その精神大切にしていることです。大半の中小企業経営者が、「経営理念などあっても役に立たない」といっている中で、F社では、上述のように将来像を明確に打ち出しています。
 成功企業・元気な会社・頑張る社長というのは、他社でやらない、あたり前のようなことをキチンとやっています。F社もご多分に漏れない企業と言えます。

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