■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開 3b01-5416
経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。
また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。
■ ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開 3b01-5416
静岡県浜松市を訪れた際、地元・浜松商工会議所の職員からこんな クイズを出された。「浜松アクトタワー(JR浜松駅前の高層ビル)はなんの 形をモチーフにしているか?ヒントは浜松にちなんだもの」。往年の人気刑事 ドラマ「古畑任三郎」にも登場した同ビルは確かに特徴的な外観だ。結局、 正解は出せず、「答えはハーモニカ」と教えられた。浜松には有名楽器メーカー があり、“音楽の街”として知られるのだ。
その“音楽の街”の代表的な楽器といえばハーモニカ、ではなくピアノだろう。 ヤマハの創業者、山葉寅楠は1900年からピアノを製造。ヤマハから独立した 河合小市は1927年に河合楽器を設立した。そのため浜松周辺にはピアノ関連の 仕事を行う業者も数多い。
1963年創業のH社(1989年に浜松市から 隣の磐田市へ移転)もそのひとつで、当初はピアノの塗装を手掛けていた。
浜松は、楽器だけでなく、バイクメーカーの創業の地としても有名だ。H社もやがて二輪車部品の塗装に転換。さらに2008年のリーマンショック後には、同じく浜松で製造が盛んな四輪車に対象を広げ、今では四輪車部品の塗装が中心に。時代の流れとともに事業内容を変えてきている。ところが、課題も見えてきた。二輪車と合わせて売上の9割を車部品の塗装で占め、顧客としては自動車部品メーカー1社に7割ほどを依存しているのだ。
こうした偏りを是正するため同社は新規事業を模索。目を付けたのは船外機 だった。浜名湖に近くプレジャーボートの生産も盛んな立地条件を活用しようという狙いだ。コロナ禍で密を避けられるレジャーとしてボートの需要が 高まったことも追い風となり、船外機の塗装は出足好調だ。こうした事業展開ができるのも、多くの産業が発展している浜松だからこそ。冒頭のクイズに戻るが、ヒントを出されても「浜松にちなんだもの」が次々と頭に浮かび、さほど役に 立たなかったのが実情だ。
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しかし、経営コンサルタントとして、常に意識して、この半世紀をやってきました。
その一つが、「顧客のABC分析」です。Aランク社数が少ないですと、万一、その会社が倒産したり、契約を打ち切られたりしたときには、倒産の危機に直面することになりかねません。
H社は、1社に7割も依存していることのリスクに気がつき、もう一本の柱を作ろうと考えました。「遅きに失する」という悔やみに繋がる前に気がついたことは、経営者としての判断力が評価されます。
私達、コンサルタント・士業は、クライアントさんの状況を常に俯瞰的にも見ている必要があります。
ABC分析は、その観点でも重要なのですが、その知名度は高いものの、コンサルタント・士業でありながら、ABC分析・パレート図の読み方を知らない先生が何と多いこと・・・