■■ある大手企業の考える“経営”とは 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の先見思考経営 48<o:p></o:p>
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昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>
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【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>
ブログ発行の不手際により、一部の原稿が重複していることがあります。<o:p></o:p>
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■■ 4 転機の模索 6 通算48回<o:p></o:p>
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幸は竹根に経営支援依頼を考えている。竹根からの返事は「顧問料は高いですよ」、覚悟してくださいというニュアンスが含まれていた。まずは、「ビジネスドック」からはじめようという竹根の提案であった。<o:p></o:p>
コンサルティングにはどのくらいの料金がかかるのか気にかかる幸である。コンサルティング・フィーというのは、コンサルタントやテーマなど諸条件により異なることも知った。<o:p></o:p>
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【回想2】 1980年代<o:p></o:p>
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「大きなコンサルティング・ファームの場合には、一般的に個人の先生よりは結構高いですね。ある有名なコンサルティング・ファームがありますが、そこでは最低で百万円というように決めているようです。残念ながら、そこのコンサルティング・ファームの指導を受けてもよくならないとか、かえって悪くなってしまったというような噂を聞いたこともあります」<o:p></o:p>
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「ああ、聞いたことがあります。たしか、何とか総研と言いましたよね。あそこの創業者がカリスマ的で急にマスコミに騒がれたけど、その人自身が経営コンサルタントの実務経験は少なく、取り巻きの人たちの実績で名前が知られるようになったとか・・・」<o:p></o:p>
「噂が本当かどうかはわかりませんが、相手のことを考えてきちんと業務を遂行してゆけば、方向が間違えてさえいなければ必ずといってよいほど成果に結びつきます。しかし、企業は生き物ですから、『必ず』という表現はできません」<o:p></o:p>
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「経営コンサルタントというのは、いつも同じやり方でやるのですか?」<o:p></o:p>
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「もし、それができれば楽な仕事です。ところが、ある大手のコンサルティング・ファームでは、やはり創業者が『経営というものの根幹は一つであるから、どの会社でも同じやり方を、きちんとやれば必ず成果が上がる。』と信じて、どの会社に対しても同じ手順でやっています。まず、経営診断をやります。底まではよいのですが、その会社がクライアントに提出するのは、どこの会社であっても同じものを提出しています。もちろん、表紙の会社名は契約先に変えてですが・・・」<o:p></o:p>
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「それでは、手間はあまりかからないのでコンサルティング・フィーは安くできますね。安くして、件数を増やして、知名度を上げたというわけですね?」<o:p></o:p>
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「いえいえ、その会社のコンサルティング・フィーも決して安くはなく、先ほどの会社と似たり寄ったりです」<o:p></o:p>
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「創業者が『経営の根幹は一つ』という考え方であれば、そのやり方があながち間違えているとは言えませんよね。むしろそのやり方であるべきと言えますね」<o:p></o:p>
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「でも、育さん、『企業は生き物』と先ほど言いましたが、すべて同じやり方でよいのでしょうか。もしそうなら、コンサルティングを受けた会社はどんどんよくなるので、お金のある会社は成長し、コンサルティングを受けられない弱小企業は淘汰されてしまいますね。世の中はそうではないことからも、その創業者の考えに問題があるとは思えませんか?」<o:p></o:p>
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「そうですよね」<o:p></o:p>
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「私の十余年のつたない経験からすると『十人十色』、百社あれば百社とも異なったコンサルティングをする必要があると信じています。企業により、経営環境により、地域により、やり方は異なるのです。先ほどの会社のように、既製品を着せるだけでは、企業は良くならないのです。企業ごとにコンサルティングの内容ややり方は異なります。企業ごとにカスタムメイドなのです」<o:p></o:p>
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「十人十色ですか。手間がかかるわけで、コンサルティング・フィーが高くなっても仕方がないですね」<o:p></o:p>
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「育さんのように理解してくれる経営者ばかりだと助かるんですが、世の中、いろいろな経営者がいるので、時には『高すぎる』などとおしかりを受けます」<o:p></o:p>
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■■ 脚注<o:p></o:p>
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>
ブログ発行の不手際により、一部の原稿が重複していることがあるかも知れませんので、ご容赦ください。<o:p></o:p>
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