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経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

  ■【日本庭園を知って楽しむ】5-09 自然風景式庭園 敷石 しきいし

2025-04-17 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  ■【日本庭園を知って楽しむ】5-09 自然風景式庭園 敷石 しきいし    

 

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

 *

 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

 *

■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-09 敷石 しきいし

 前項で紹介しました「苑路」ですが、そこに施された「敷石」について補足しておきます。
 敷石は、露地を歩くために考案された、石材を用いた路の舗装のことで、苑路に変化をもたらせます。苑路で敷石と言いますと、単体で点々と置かれる「飛び石」を連想するでしょう。それに対して複数の石を集合させ、連結して、面を構成するのが「敷石」です。蛇足になりますが、飛び石の列の中間などに人が一人通れるほどの幅で短いスパンで作られた敷石のユニットを「延段(のべだん)」と呼びます。
 加工した石を用いる切石敷、自然石をそのまま用いる玉石敷、加工石と自然石を交えた寄石敷があります。
 切石敷には、四角い切石を用いるものに市松敷、短冊敷、煉瓦敷(れんがじき)、四半敷など、その組み合わせ方によって変化をつけられます。変形の切石を用いたものに亀甲敷、氷紋敷があります。玉石敷は霰敷(あられじき)ともいい、石が大きなものは大霰零(おおあられこぼし)、小さいものは小霰零(こあられこぼし)といいます。

 切石だけで構成されたものを「真」の敷石と呼んでいます。
 日本庭園の世界には「真・行・草」という芸術概念があります。これは書道から派生したもので、書道の「真書(楷書)・行書・草書」を、他の芸術に置き換えたものです。日本の伝統的芸道すべてに影響を与えています。茶道・華道・俳句・建築などに加えて、武道の領域にさえ影響を与えているといわれています。
 「真」=基本中の基本で、最も格式が高い
     書道でいう「楷書」に相当する
 「行」=基本を少しだけ自分流に崩した段階
     書道でいう「行書」に相当する
 「草」=基本を完全に自分流に崩して
     独自の芸術領域に到達した段階
     書道でいう「草書」に相当する

 『真行草』というのは、基本を身につけ、それをベースにして修行を重ねて次の芸道ステージに進化させ、最終的に自己確立して自分だけの芸道として、独自の表現法を構築するということと考えます。
 つまり、常に輝き続けるためには、精進し、前に進み続けて行かないと退化し、色あせてしまうということでしょう。

 日本庭園における敷石の「真・行・草」とは、どの様なものなのでしょうか。上述の「真行草」に基づいて、みてみましょう。
 「真」は、敷石の基本として、切石だけを用いる技法です。最も格式が高い基本のスタイルです。逆に画一的なイメージを感じます。
 「行」は、基本を少しだけ自分流に崩した形ですので、作庭者の個性を加味して、切石だけではなく、自然石を混ぜた敷石造りです。「真」に比べて、ややくだけた感じになりますが、作庭者の個性が滲み出てきた敷石と言えます。
 「草」は、作庭の道に長く携わり、独自の芸術領域に達した人が、その個性を活かして、自然石だけを用いて作庭します。その作品は、独自、オリジナリティある敷石といえます。

①「真」の敷石の例
 長方形の切石をずらして並べた「布敷(ぬのじき)」と呼ばれる形式をした敷石です。整然として規律があり、また清浄な雰囲気を持っています。
 面白みには欠ける感じがしますが、格調の高さを感じられます。

②「行」の敷石の例
 真の敷石の基本である長四角の切石に、自然石を取り混ぜて組み合わせた、デザイン性ある敷石です。自然石の個性ある形や色を活かし、見た目にも美しく見えます。
 規律と独自性が並存する「行」の敷石は、一般の人からの人気が高いそうです。海外のガーデナー達の間でも人気が高いのです。
 起立性の中に、ある程度の自由度を持つところに、私達は感じるものがあるのでしょう。

③「草」の敷石の例
 敷石の概念に固執せず、自然石を思うがままに配する敷石造です。
 食べ物のあられか、天から落ちてくるあられか解りませんが、角の取れた小石を敷き詰めた、桂離宮の御幸道の敷石は見事です。
 そこを歩いてみますと、表面に平らな面を向けているのか、とても滑らかで歩きやすいです。
 「草」は、何の縛りもなく、作庭者の創造性をフルに発揮して、形として昇華して作庭されます。長年の経験から生じる、発想力と表現力が結実してこそできる境地に入らないと作品にならないのではないでしょうか。
 



(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

■ 日本を代表する庭園        
      都道府県別    

 

 

  リスト http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm

 

 ■ カシャリ! ひとり旅



ユーチューブで視る 【カシャリ!庭園めぐりの旅】

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静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像:  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm 

【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています

color: #333; font-weight: bold;"> ■【日本庭園を知って楽しむ】5-07 自然風景式庭園 荒磯(ありそ)と州浜(すはま)     

 

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

 *

 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-07 荒磯(ありそ)と州浜(すはま) 
 日本庭園では自然の景を写すことが重要なテーマで、既述の通り、池泉は海の風景を理想として、それを模しています。作庭記には、池を海のようにするには、まず荒磯のように石を立てるべきであると記述されています。
 浄土式庭園を見ますと毛越寺の大泉池に海辺の景色が写されているのがよく知られています。書院造系庭園としては、桂離宮庭園の松琴亭前に荒磯に似せた石組みが見られます。
 荒磯と共に、海に見立てるためには「州浜(すはま、洲浜とも表記する)」をはずせません。日本各地の海や海岸線を模した池泉がつくられました。その際に、砂浜を表すために用いた手法が洲浜です。玉石をなだらかに敷き詰め、潮が引いて現れた浜を模しています。毛越寺の州浜は、荒磯と共によく知られています。
 「桂離宮」では、州浜の岬がつくられ、先端に「岬灯籠」が立てられています。「仙洞御所(せんとうごしょ)」でも、繊細ながらも、伸びやかな州浜が見られます。

 



                                

桂離宮 荒磯・洲浜 2000



(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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■【日本庭園を知って楽しむ】5-08 自然風景式庭園 苑路(園路) えんろ

2025-04-13 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  ■【日本庭園を知って楽しむ】5-08 自然風景式庭園 苑路(園路) えんろ   

 若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-08 苑路(園路) えんろ
 通路のことを「苑路(園路)」といいます。苑路を歩くことで、苑内を周遊できる庭園を「廻遊式庭園」といいます。桂離宮などがその最も速い時期に作られた例です。
 身分の高い公家や天皇などの行幸のために特別に設けた苑路のことを「御幸道(みゆきみち)」といいます。茶亭への露地を兼ねて、途中に待合腰掛を設けたり、橋をかけたりすることもあります。
 苑路の地面には、砂利や砂が敷かれたり、土表面をつき固めたりしたものがあります。飛び石や延段(のべだん)、階段などを使ったものなど、さまざまな彩りの植栽や灯籠、手水鉢を道の左右にしつらえ、四季折々のさまざまな変化をつけることもあります。見た目だけではなく、足触りにも変化をつけて、苑内周遊をより楽しいものにすることにも繋がります。
 道の中央を蒲鉾(かまぼこ)のように盛り上げて水はけを考慮したり、高低差をつけたり、あるいは苑内での方向を変えたりして、変化を導き出す役割もしています。




桂離宮 園路(苑路)


(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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■【日本庭園を知って楽しむ】5-07 自然風景式庭園 荒磯(ありそ)と州浜(すはま) 

2025-02-14 17:41:27 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  ■【日本庭園を知って楽しむ】5-07 自然風景式庭園 荒磯(ありそ)と州浜(すはま)     

 

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-07 荒磯(ありそ)と州浜(すはま) 
 日本庭園では自然の景を写すことが重要なテーマで、既述の通り、池泉は海の風景を理想として、それを模しています。作庭記には、池を海のようにするには、まず荒磯のように石を立てるべきであると記述されています。
 浄土式庭園を見ますと毛越寺の大泉池に海辺の景色が写されているのがよく知られています。書院造系庭園としては、桂離宮庭園の松琴亭前に荒磯に似せた石組みが見られます。
 荒磯と共に、海に見立てるためには「州浜(すはま、洲浜とも表記する)」をはずせません。日本各地の海や海岸線を模した池泉がつくられました。その際に、砂浜を表すために用いた手法が洲浜です。玉石をなだらかに敷き詰め、潮が引いて現れた浜を模しています。毛越寺の州浜は、荒磯と共によく知られています。
 「桂離宮」では、州浜の岬がつくられ、先端に「岬灯籠」が立てられています。「仙洞御所(せんとうごしょ)」でも、繊細ながらも、伸びやかな州浜が見られます。

 



                                

桂離宮 荒磯・洲浜 2000



(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

■ 日本を代表する庭園        
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■【日本庭園を知って楽しむ】5-06自然風景式庭園 船着(き) (ふなつき)

2025-02-14 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  ■【日本庭園を知って楽しむ】5-06自然風景式庭園 船着(き) (ふなつき) 

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

 *

■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-06 船着(き) (ふなつき)
 自然風景式庭園には、池泉がつきものです。庭園生活を豊かにするために、古くから船遊びに興じていたようです。その際に、舟を着けて乗り降りするための施設を『舟着』と呼びます。
 平安時代の寝殿造庭園で発展し、釣殿から乗船し、管弦の楽人が同行し、飲めや歌えやの大騒ぎがあったという記録もあります。
 室町時代には「西芳寺」の合同舟(ごうどうぶね)という舟着場が作られました。それを模して、「東山殿(現銀閣寺)」の夜泊舟(よどまりぶね)という屋根付きの舟小屋がつくられました。浄瑠璃寺の庭園(浄土式庭園)には、池岸に階段が設けられ、ここから中島の弁財天祠に渡ります。
 近世では、書院造系庭園として、太閤秀吉の伏見城には、「舟入御殿」がありました。それを西本願寺の「飛雲閣」に移築し、舟から直接建物に出入りできる舟入(ふないり)の間として残っています。
 「桂離宮」では御舟小屋だけではなく、ほかの主要な建物や池岸に舟着がありました。ここから桂川に舟を出し、丹後や有馬などの、当時の観光名所にまで脚を伸ばしたそうです。御船小屋の中には、「歩月(あゆみづき)」という舟があり、桂川でお月見をしました。



(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

■ 日本を代表する庭園        
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【日本庭園を知って楽しむ】5-053 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 橋 形状による分類

2025-01-26 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】5-053 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 橋 形状による分類  

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-053 橋 形状による分類

 自然風景式庭園など日本庭園における橋を形状的に分類し、その概要を見てみましょう。

 

1)平橋・反橋

 既述の通り、上部に湾曲がある反橋で太鼓橋や輪橋などとも呼ばれている橋のことです。これに対して、上面が平らな橋を平橋とよんでいます。

2)八ツ橋(八橋)

 八ツ橋(八橋)は、日本庭園の池などに設けられる歩道橋です。この名の由来は、愛知県の「八橋かきつばた園」のカキツバタの生育する池にある板の橋が、八つの板でジグザグに千鳥にしてつけられて構成されていることからきています。

 現在では、八枚とは限らず、数枚の板をつかって一直線でなくジグザグ橋に板を渡して、庭園に景趣を出す役割となっています。また庭池もカキツバタの生育池とは限らず、ハナショウブの池などや湿地帯で人が渡れるようにしたジグザグ形式の橋も八ツ橋と言われます。

 平安時代に成立した、貴族社会の生活や風俗を描いた、日本最古の物語文学の一つである「伊勢物語」第九段に「八橋(やつはし)」に、八ツ橋が登場します。ここでは、木橋で、杜若(かきつばた)の群生の中に「く」の字形にかけられています。

 以下、【Wikipedia】より転用

 ここでは、主人公である在原業平が失恋の痛手から都を離れ、東国への旅路に友人らと共に向かいます。彼らは三河国(現在の愛知県)の名所である「八橋」にさしかかります。この地は水が蜘蛛の手のように8つに分かれ、その上に8つの橋が架かっていたため「八橋」と呼ばれていました。この美しい水景の中にカキツバタ(燕子花・杜若)の群生があり、業平たちは感興を催し、軽食を摂りながら歌を詠んだのです。

 物語絵にも、冠をかぶり、直衣(公家の日常着)を着用した業平と友人たちが八橋でカキツバタを愛でる様子が描かれています。業平の高貴な出自を強調し、彼の旅の雅な趣を表現しています。

 八ツ橋は、その美しさと伊勢物語などの由来から、京都を代表する和菓子「八つ橋」もあります。

 ちなみに、カキツバタは、湿地に群生し、毎年5月から6月にかけて紫色の花を付けます。内花被片が細く直立し、外花被片(前面に垂れ下がった花びら)の中央部に白ないし淡黄色の斑紋があることなどが特徴です。

 アヤメ(Iris sanguinea)は比較的乾燥している場所を好むのに対し、カキツバタは湿地を好みます。葉幅はアヤメのほうが狭く、カキツバタのほうが広くなっています。それにたいして、ハナショウブは両者の中間といえます。花弁の付け根は、アヤメは網目模様ですが、カキツバタには、白い一筋の線が入っています。ハナショウブは黄色になっています。

3)すのこ橋

 桁橋の一種で、橋桁の上に皮付きの小丸太を並べて橋面としたもの。丸太橋や黒木橋とも呼ばれている。

4)俎橋(まないたばし)

 2枚以上の厚板を縦に渡しただけの簡単な橋です。桁橋がないため、通常橋板の両端下部に枕梁を置き、橋板が横にずれないよう、四隅に杭が打たれています。

5)汐見橋

 古い和船の底板を利用した橋で、通常池尻の狭い箇所に架けられます。

6)廊橋(ろうきょう)

 既述の通り、上部に屋根をつけた橋です。

7)亭橋

 橋の中央部に少亭を設けたもので、廊橋の一種といえます。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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【日本庭園を知って楽しむ】5-052 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 橋 構造による分類 石橋・木橋

2025-01-23 12:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】5-052 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 橋 構造による分類 石橋・木橋  

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5-052 橋 構造による分類 石橋・木橋
 日本庭園の苑路には、水の意匠が主題である庭園においては、重要な要素である池泉や水流にかけられる橋が不可欠です。
 橋は、自らが庭園景観を構成する意匠の一つとして、庭園と調和する一方で、庭園を回遊する際の実用的な園路の一部として機能します。
 浄土式庭園において橋は、『この世』と『あの世』を隔てる『三途の川』を渡るための、露地における『中門』的な役割をもっていました。
 枯山水庭園においてよく用いられる石橋は、実用的な園路というよりは水景表現の一つの手段となっていました。

◇ 構造による石橋の分類
 日本庭園の『橋』についてお届けしています。

 前回、お届けした「構造による分類」の続きで、その一つである「石橋」「木橋」の分類について、追加しておきます。

 「Traditional  Japanese  Garden  Styles」をもとに分類したものをご紹介します。
 

⑤石橋


1)板石橋
 一枚板を橋として用いたもので、庭橋として一番多く見られるもの
2)継ぎ石橋
 板石を2枚以上継いでつくった石橋
3)桁石橋
 桁(梁)によって橋面を支える構造となっている石橋
4)アーチ(眼鏡)橋
 江戸時代の初めに、中国の僧如定によって伝えられたアーチ型の石橋
5)沢飛橋
 沢飛石が並べられて橋の代わりにしている物

 石橋につづきまして、「構造分類」の一貫として「木橋」についてご説明します。


⑥構造による分類 木橋
 骨組みが木を中心に作られたはしです。土橋のように、外見的には土で作られているように見えても、基本的には木橋といえます。
 ここでは「Traditional  Japanese  Garden  Styles」をもとに分類したものをご紹介します。

1)丸木橋
 半割りや踏み面をとった丸太を渡した最も簡単な構造の橋で、樵が渡る山深い渓谷の景を表現する場合などに多く用いられます。
2)板橋
 板面に厚板を用いた橋で、丸木橋に次いで簡単な構造の橋です。
3)桁橋(けたばし)
 橋脚の有る無しにかかわらず、桁によって橋面を支える構造の橋です。
4)跳橋(はねばし)
 岸の橋台から角材や丸太材を斜め上方に突き出して片持ち梁としています。その梁の先端に渡した梁を支点として、さらに片持ち梁を差し出して橋桁を置いた形態の橋です。 肘木橋や猿橋もこの一種です。
 

 【 注 】「橋」の項は、次号にも続く

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

■ 日本を代表する庭園        
      都道府県別    

 

 

  リスト http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm

 

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【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています


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【日本庭園を知って楽しむ】5-051 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 橋 構造別の分類

2025-01-19 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】5-051 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 橋 構造別の分類  

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 *

 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

 *

■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-051 橋 構造別の分類
 日本庭園の苑路には、水の意匠が主題である庭園においては、重要な要素である池泉や水流にかけられる橋が不可欠です。
 橋は、自らが庭園景観を構成する意匠の一つとして、庭園と調和する一方で、庭園を回遊する際の実用的な園路の一部として機能します。
 浄土式庭園において橋は、『この世』と『あの世』を隔てる『三途の川』を渡るための、露地における『中門』的な役割をもっていました。
 枯山水庭園においてよく用いられる石橋は、実用的な園路というよりは水景表現の一つの手段となっていました。

◇ 構造別の分類
 構造別の分類としては、丸木橋、板橋、桁橋、跳ね橋、材質的な分類では、土橋や木橋、石橋などがあります。形式による分類で、平橋、反橋、太鼓橋、八橋、すのこ橋、俎板橋(まないたばし)、汐見橋、屋根付きの廊橋・亭橋(ていきょう)などに分類できます。
 分類法は、切り口により異なりますので、ここでは分類とは関係なく、橋に漢するいろいろな呼称を、宮元健次氏の分類を元に、代表的な橋を見てゆきます。

①反橋
 反橋とは、上部に凸型に湾曲させた、微妙に曲面が付いている橋で、主に寝殿造系庭園に用いられました。当初は、橋に強度を持たせるためにアーチの形状としましたが、のちには形式化したものも作られるようになりました。石造りだけではなく、木製で素木のままのものや朱塗ののものがあります。
 反橋は、この世とあの世の結界という意味をもちます。浄土式庭園では、東から西へ反橋がかけられます。

②平橋
 寝殿造系庭園などで橋を複数かける際に、一つをそり橋にした場合、もう一つは平面的な平橋として変化をつけることがあります。主に中島へ渡る際に用いられました。
 いろいろな形式の橋を渡ることが当時の貴族の楽しみの一つであったと言えます。

③廊橋(呉橋) ろうきょう、くれはし
 屋根付橋、すなわち屋根が付いた橋は、屋根だけでなく側面の覆いがついているものもあります。屋根付橋は、古くは古代バビロニア、紀元前780年まで遡ることができるほどで、日本だけではなく、世界各地に存在します。ここでは、日本庭園を中心にみて行きます。
 廊橋は、呉橋ともいますが、岸と中島の間にかけられることが多いです。代表的な形式としては、平橋に屋根や腰掛けがついた形式の橋が多いです。
 室町時代から、江戸時代にかけてしばしば用いられました。代表的な廊橋としては、西芳寺の邀月橋(ようげつきょう)や、それを模して作られた銀閣寺の前身である東山殿の龍背橋をあげることができます。

④土橋 どばし
 土橋とは、橋桁の上に丸太を横一列に詰め並べ、その上に杉皮や粗朶(そだ)などを敷き、さらにその上に小砂利混じりの土をのせて固めたものです。の両側は、粘土で盛り上げ、苔や芝などで縁取りが施されることが多いです。板面が見えず、手すりがついていないのが一般的です。反橋や平橋がシャープな印象を醸し出しているのに対して、土橋は素朴な味わいがあります。
 橋の中央部分が水面より高くなっていることが多く、形式としてはそり橋の中に分類することもできます。木製の桁橋の変形とでもいうべき橋です。
 茶の湯の盛んな桃山時代以降に多く用いられています。

⑤石橋
 日本庭園では、古くから遣水の上流に石でできた橋を用いることが習わしとしてありました。時代以前は、自然石をそのまま用いましたが、それ以降は次第に人工的に加工した切り石橋が敵になりました。反りをつけた、日本的なアーチ橋ともいえる、石橋も作られるようになりました。
 石橋は、板石、橋台、継ぎ台石、橋脚石、橋挾石などによって構成されます。自然石石橋と加工石を使った切石橋とに分けられます。
 石材の種類としては、花崗岩や安山岩、緑泥片岩が用いられることが多いです。京都の白川で産出される石が有名です。
 枯山水においては、水景を表現するためのひとつの重要な手段でもあります。

 【 注 】「橋」の項は、次号に続く

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

■ 日本を代表する庭園        
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【日本庭園を知って楽しむ】5-04 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 滝

2024-12-22 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】5-04 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 滝  

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-04 滝 
 西洋の整形式庭園などでは、園内に噴水がしばしば設けられます。このことは、人間が水を支配していることを主張するためであるといわれています。
 それに対して、日本では、高低差に富む地形のために、川とともに滝も数多くあります。川や滝は、あるがままの自然な水の流れであり、日本庭園が自然を写していることを象徴する表現と考えられます。それにより、日本庭園でわ独特の風景美を醸し出しています。
 日本庭園で、滝が意識されるようになったのは平安時代からで、「作庭記」にも、滝のつくり方について細かな説明がなされています。古い例としては、平安時代に作られた大学時の「名古曽の滝」や法金剛院の滝の石組などがあります。

 滝には、さまざまな水の落とし方があります。高いところからまっすぐな一筋の滝として落としたり、二段や三段に分けて落とすものもあります。また、垂直ではなく斜めに岩場を流れるように落とすものもあります。
 一方、水を使わない庭の枯山水においても、石を立てて滝の姿を現す方法もあります。水の流れと音を空想しつつ、いろいろな思いで眺める庭といえます。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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【日本庭園を知って楽しむ】5-03 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 「遣水」 やりみず

2024-12-19 17:00:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】5-03 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 「遣水」 やりみず   

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-03 遣水 やりみず
 日本は島国です。山などが多く、そのために高低差がある地形をしています。中国では、池が主役的な地位にありますが、日本では、澱んだ池よりも、動きのある、流れにより、活き活きとした魅力を引き出しています。
 鑓水は、奈良時代から平安時代の庭につくられた、池泉に流れ込む、細く曲がった水路として、すでに見られます。自然の小川をモデルにしたもので、日本庭園においては、野辺の小川や山地の渓流の姿を作ることが多く試みられてきました。それを遣水といいます。当時の物語などでは、その流れを引いてつくった池泉のことも遣水とよんでいます。
 遣水は、 寝殿造で、外からひき入れて庭園に作った流れを、高い位の貴族のための寝殿造系庭園の必要条件となっていました。
 平安時代から鎌倉時代にかけては、曲水(きょくすい)を稲妻形に流した流れが流行しました。現存するものはほとんどなく、福岡県の太宰府(だざいふ)天満宮、同横岳崇福寺(おうがくすうふくじ)のものがあるくらいです。
 野辺の小川を表現する遣水では、川の勾配を緩くし、石をあまり用いず、砂利や砂を敷きます。それに対して山や谷の渓流を表現する場合には、傾斜を強めにして、両側に石組みを施すことが多いです。
 寝殿造系庭園などでは、一般に北東から流が入れられ、南西に流出させるという形式がとられています。遣水が寝殿の背後から渡り廊下の下を通って池に注ぎ込むような形式をとることが多いです。遣水には、石橋や木の橋が架けられ、かならず板石状の石橋を低く架けるのが普通です。
 石組みや植栽も施され、水面下に置く底石、水を分流するための水切石、護岸石とそれを支える詰石、幅の大小を調節し流れを変える横石、凹凸をつくる水越石などを用い、独特の苦心と創意工夫した表現がなされることが多いです。
 鑓水の仲間に入れて良いと考えますが、「曲水(きょくすい)」があります。曲がりくねった水路のことで、「曲水の宴」で用いられます。曲水に、盃(さかずき)を浮かべ、自分の前に来るまでに歌を詠みます。「曲水の宴(きょくすいのうたげ)」は、奈良時代から行われていたようで、中国大陸から庭園文化が日本にもたらされた初期のころからあります。曲水は、やがて遣水へと発展してゆきます。江戸時代の大名庭園「兼六園」や、明治時代に小川治兵衛(おがわじへえ)がつくった「無鄰菴(むりんあん)」などがよく知られています。
 私は、曲水といいますと、岩手県平泉の毛越寺の庭園を思い浮かべます。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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【日本庭園を知って楽しむ】5-02 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 中島(なかじま)

2024-12-15 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】5-02 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 中島(なかじま)    

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
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5-02 中島(なかじま)
 池の項でご紹介していますように池には島を浮かべることが多いです。その理由の一つとして、日本は四方を海に囲まれた島国であることに起因していると考えられます。
 記録には、「海の様を学ぶ」「海の様を模す」という記述が多数見られます。海の風景を写すことが理想と考えられていました。
 また、仙人が住むといわれる中国の蓬莱山を池の中に作ることによって、庭園に神秘性を持たせるということにも通じるようです。
すなわち、「中島(なかじま)」は、池泉につくられた島のことで、半島を示す出島と区別するために用いられる名称といえます。
 浄土式庭園では、極楽浄土を表す三神山(さんしんざん)と呼ばれる3つの中島が作られます。三神山とは、中国の古伝説で、東方絶海の中にある三つの島のことで、そこには、仙人が住んでいるといいます。三つの山というのは、「蓬莱山」「方丈山」「瀛州山(えいしゅうざん)」のことです。
 ちなみに「作庭記」には、中島は盛り土によって作ってはならないと述べられています。あらかじめ、その部分を残して池を掘らないと侵食されて崩れてしまうことあるからだと説かれています。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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【日本庭園を知って楽しむ】5-01 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園池(池泉)

2024-12-12 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】5-01 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 池(池泉)  

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
 庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
 ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。

5-01 池(池泉)
 日本では、古くから庭を「三水(さんずい)」と表しているそうです。庭には、その要素として水景が用いられることが多いです。
 「三水」、すなわち「池(池泉)」は、一般には、海を模した表現とされ、庭や園地に建設された水景物の一つです。通常は、審美目的のために設けられます。また、野生生物の生息地を提供するという目的や、舟遊のためであることも多いです。
 既述の通り、平安時代の寝殿造庭園では大きな池泉がつくられ、そこに舟を浮かべて管弦を催したことから、舟で遊ぶための庭は舟遊式庭園といいます。鎌倉時代以降、池泉の規模は小さくなり、池の周囲を歩いてまわる回遊式庭園が発達します。寺院などでは極楽浄土を再現するために、浄土式庭園では、宗教的な意味合いもあり、必ずといってよいほど蓮池が作られました。江戸時代の大名庭園では、大きな池泉がつくられるようになりました。

 日本の夏は蒸し暑いため、住環境の改善にも池を利用しました。現在のように冷房設備のなかった時代には、川や泉などから池に水を引いて、建物を池の周りに建てるなどして、クーラー代わりにしたのです。
 このような背景から池造りが取り入れられてゆきます。単に池を作るだけではなく、池には島を浮かべたり、荒磯や入江・州崎を廃したりするようになります。さらには、名勝地の景観を描写するといったことも試みられるようになりました。
 池はただ掘るだけではなく、池の底に「底塗り」と呼ばれる小石を敷き詰めました。極楽浄土を表すために、浄土式庭園では、青緑色などの美しい小石ばかりを選んで敷いたと言われています。水の漏れを防ぐために、池底に粘土をることが多くなりました。江戸時代に入ると、漆喰で固めるようになりました。今日では、コンクリートやライナーと呼ばれる人工物を用いるようになってしまいました。このような変化で趣が失われることを残念に思う人も多くなっています。
 池では、水をためておくだけでは、蒸発量が追加水の量を超えることが多く、池が乾いてしまいます。そのために水源が必要です。水源としては、雨、流入水(湧水と小川)、地表流出、地下水の4つがあります。今日では、水道水が利用されることもあります。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。

静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像:  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm 

【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています


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【日本庭園を知って楽しむ】4-72 露地(茶庭)を知るには利休を知れ

2024-12-08 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】4-2 露地(茶庭)を知るには利休を知れ  

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■4 三分類法による日本庭園の鑑賞法
 既述の通り、ここでは、日本庭園を自然風景式庭園、枯山水庭園、露地庭園という三分類を核にしてご紹介します。
 すでに紹介済みであった内容と重複することもありますが、その三分類をさらに細分化したり、切り口を変えたりして、初心者なりの鑑賞法をご紹介します。専門家の先生方には侮蔑されるかも知れませんが、私なりの分類法をご紹介して参ります。
 なお、本章でのご紹介は、コトバンク、Wikipediaや上述の宮元健次氏等々を参考にし、宮元健次氏の分類法をもとに、初心者が独断と偏見に基づいた内容です。また、当ブログですでに紹介した内容を繰り返し掲載することもあります。勝手ながら、正式な情報は、読者の皆さんのお考えに基づいてお探し下さると幸いです。

■4-2 露地(茶庭)を知るには利休を知れ

 千利休の流れが、現在千家流と呼ばれるお茶の流派となっています。
 利休の没後、茶道が大名によって継承されるようになりますと、茶室も草庵風から書院風へと変わり、より華やかな、「きれいさび」と呼ばれるようになり、現在、織部流や遠州流と言われる流派となっています。

 既述の通り、茶の湯を「わび」「さび」といった美意識によって完成の域に導いたのは、千利休です。利休には、七哲と呼ばれる茶道の弟子がありました。その直系として、彼の茶道を現在まで伝えたのは、3つの千家、すなわち一般に「三千家(さんせんけ)」と呼ばれる流派です。
 1591年、利休切腹後、その子宗旦(そうたん)が千家を再興します。宗旦には、4人の息子がいましたが、次男の宗守は、武者小路の地において茶を極め、現在武者小路千家と呼ばれる流派として継承されています。
 また、三男宗左は、紀州家に茶道指南として仕え、現在の表千家として受け継がれ、さらに四男宗室は、加賀前田家の茶道指南となり、裏千家として今に残ります。
 この三千家に対し、徳川家に仕える将軍指南役として、利休の茶を継いだのは、古田織部であり、さらにその弟子として将軍指南になったのは、小堀遠州でした。

 いろいろな茶人たちにおける茶室の露地の作り方を比較してみますと、三千家は、忠実に利休の手法を継承しています。一方、織部の手法は利休とは一線を画しています。
 また、遠州は織部の作り方をさらに、発展させています。織部と遠州には継承があるといえますが、利休と織部には断絶があったといえます。これらをまとめれば、茶室の路地は大きく千家系と織部・遠州系の二つに分類できるといえます。

 その違いの例としてしばしば挙げられるのが、落ち葉に対する扱いに見られます。冬に樹木を霜から守るための敷松葉について比較して見ましょう。
 利休は、露地の掃除を茶室の数時間前にしておき、その後に散った落ち葉の自然の姿をめでたといいます。一方、利休の弟子の織部は、自然の落ち葉に対して、松葉だけを選り揃えて蒔いたといいます。そして、その弟子の遠州は、織部のやり方をさらに進めて、巧妙に模様をつけて、落ち葉を敷いたというのです。
 また、飛び石に関しても、自然の川原石ばかりを好んだ利休に対し、織部や遠州は切石や定規で計って加工したような手水鉢などを用いました。遠州はさらにそれを進め、孤篷庵(こほうあん)の石橋では、切石を組み合わせて橋を作っています。

 植栽や石の色彩についても、それまでの極度に有彩色を廃した利休の露地に対し、織部は豊かな色彩を導入し、遠州は、それをさらに大量に用いているのです。
 すなわち、利休から織部、遠州と手法が継承されるにつれ、露地の意匠が日本古来の自然風景式から整形式へと劇的変化を遂げていることに注意しなければなりません。
 一方、このような変化は、単に露地の意匠のみに見られるのではなく、彼らの茶の作法全体について、「置き合わせ」を始め処々に散見できることなのです。

 露地は鑑賞するのではなく、茶庭までの道を通ってスムーズに茶庭に至れるような工夫が処々になされています。「庭そのものに実用性を持たせる」という特徴があると言っても過言ではなく、また、茶庭が、一般的に華やかさを求めない理由は、実用性という部分にもあります。
 露地というのは、茶の湯の世界へ入るための神聖な場所といえます。露地を見たり、通ったりする際は、庭園として鑑賞して楽しむのというよりは、むしろ、その空間を堪能するという意識で、拝見したいと考えます。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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【日本庭園を知って楽しむ】4-71 日本庭園の分類3 露地(茶庭)

2024-12-06 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】4-71 日本庭園の分類3 露地(茶庭)  

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

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■■4 三分類法による日本庭園の鑑賞法
 既述の通り、ここでは、日本庭園を自然風景式庭園、枯山水庭園、露地庭園という三分類を核にしてご紹介します。
 すでに紹介済みであった内容と重複することもありますが、その三分類をさらに細分化したり、切り口を変えたりして、初心者なりの鑑賞法をご紹介します。専門家の先生方には侮蔑されるかも知れませんが、私なりの分類法をご紹介して参ります。
 なお、本章でのご紹介は、コトバンク、Wikipediaや上述の宮元健次氏等々を参考にし、宮元健次氏の分類法をもとに、初心者が独断と偏見に基づいた内容です。また、当ブログですでに紹介した内容を繰り返し掲載することもあります。勝手ながら、正式な情報は、読者の皆さんのお考えに基づいてお探し下さると幸いです。

■4-71 日本庭園の分類3 露地(茶庭)

 日本庭園といいますと、大半の人が大名庭園などをイメージします。すなわち、広大な土地に、池泉があり、そこに橋や島などがある風景を想像するでしょう。そのため、日本庭園を回遊し、見て楽しむものと私など、初心者は思っていました。
 ところが、日本庭園と一口に言いましても、これらの概念とはかけ離れた庭園様式があるのです。それが、「茶庭(ちゃてい)」とか「露地(ろじ)」とも呼ばる庭園です。こじんまりとしていますので、私には、それが「日本庭園」であるという認識がありませんでした。

 宮元健次氏の定義によりますと、露地(茶庭)とは、茶の湯の席である茶室に至るまでに作られた、茶の湯に用いられる庭園の形式のことです。
 今日では、漢字で「露地」と表すことが多くなっていますが、江戸中期までは「路次」とか「路地」と記していたようです。
 千利休が詠んだ歌の中に、「露地はただ浮世の外の道なるに心の塵をなぞ散らすらむ」というものがあります。これは、露地は通路であるとともに、雑念を取り払って茶の湯の世界に誘うための場所と位置付けていると読み解くことができます。
 そのことから、露地は「わびさび(質素を第一とする思考)」が大切と考えられています。あくまでも自然体な庭を表現することが重要視されるため、人工的な造りを取り入れることはありません。露地に花などを用いず、豪華に造られない理由はここにあります。
 露地は、中門あるいは中潜(なかくぐり)を境として、外露地と内露地に分けられます。腰掛けや雪隠、手水場視野石灯籠、あるいは植栽などを変化に富んだ飛び石や延段(のべだん)でつなぎ、茶室へ導くための数々の演出が施されています。
 上述のような理由から、露地を飾る材料はシンプルであり、主に飛び石や石灯篭(いしどうろう)、蹲踞(つくばい)などが使用されます。

 茶の湯は、15世紀ごろ、禅僧の田村珠光(たむらじゅこう)によって考案されたと言われています。その弟子の武野紹鴎(たけのじょうおう)は、それを茶道という芸術のひとつの分野にまで発展させました。
 さらに、その弟子の千利休が、大阪堺の商人を中心として「わび」「さび」の言葉に代表される草庵茶室を完成させました。
 露地を理解するためには、千利休との関係見ることにより、露地が日本庭園の中でどのような位置付けにあるかを理解できると考えます。
 露地は、他の日本庭園のように、広大な土地を活用して風景を表すような豪華な造りではありません。露地と呼ばれるように、あくまでも茶室へ向かうための通路という表現からも、それを知ることができます。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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【日本庭園を知って楽しむ】4-52 枯山水式庭園 その特徴

2024-11-28 17:14:26 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】4-52 枯山水式庭園 その特徴  

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

 *

 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

 *

■■4 三分類法による日本庭園の鑑賞法
 既述の通り、ここでは、日本庭園を自然風景式庭園、枯山水庭園、露地庭園という三分類を核にしてご紹介します。
 すでに紹介済みであった内容と重複することもありますが、その三分類をさらに細分化したり、切り口を変えたりして、初心者なりの鑑賞法をご紹介します。専門家の先生方には侮蔑されるかも知れませんが、私なりの分類法をご紹介して参ります。
 なお、本章でのご紹介は、コトバンク、Wikipediaや上述の宮元健次氏等々を参考にし、宮元健次氏の分類法をもとに、初心者が独断と偏見に基づいた内容です。また、当ブログですでに紹介した内容を繰り返し掲載することもあります。勝手ながら、正式な情報は、読者の皆さんのお考えに基づいてお探し下さると幸いです。

■4-52 枯山水式庭園 その特徴

 枯山水式庭園の変遷について見てきました。ここでは、枯山水式庭園を更に理解するための情報をお届けします。
 重森三玲は、日本の庭園は、伝統的に自然を表現するものであり、池泉を海の景として見立てるなど、象徴主義的な思想があったとしています。これが極度に発達した姿が枯山水であると考えています。つまり、自然を、そのままの実体として表現するのではなく、砂を海、石組を滝などと見立てて、そこに秘められた世界観を創り出すという創造的な幽玄思想が表現されているのだといっています。
 庭園構成として重要な役割をもつのが、空白の地面であり、空白が広いほど広大な空間を表現できるとしています。こうした幽玄美と空白美により形成されるのが枯山水の特徴であるというのが彼の枯山水に対する見方なのです。彼の見方は、彼独自と言うよりは、私達の多くが同じように枯山水式庭園を捉えているのではないでしょうか。

 枯山水式庭園が、このような特徴を持つようになった背景は、枯山水が主に京都の禅宗寺院で作庭されたことに関連付けられます。
 既述の通り平安時代まで伝統的に主殿の前には儀式を行うための前庭が設けられていました。こうした前庭は、時代が下るに従い、形骸化して、その面積も狭くなってゆきます。室町時代に至っては、儀式のためだけではなく、観賞用の庭として意図されるようになりました。
 このような前庭には、元々砂が敷き詰められていました。そこに石組や庭木を配したものが枯山水と考えられます。しかし、「作庭記」などには、このような行為は、禁忌と記され、用いられませんでした。
 中世仏教におこった、「万物に仏心がある」とする自然観を背景として、本来は仏教儀礼をおこなう禅宗寺院の前庭において、このようなことが許容されていったと考えられます。
 このような背景から、枯山水式庭園は、方丈や書院などから座って鑑賞することを目的とした庭になってきました。そのため、面積は狭く、平坦な土地で、時に土塀などに囲まれる庭園様式として、成立するようになってきました。したがって同じ日本庭園であっても、徒歩や舟で移動しながら鑑賞する回遊式庭園、あるいは茶室への動線に山里を再現することを目的とした露地とはその性質が異なることが分かります。
 また、枯山水式庭園は、同時代に広まった水墨山水画の影響も受けたといえます。小野健吉は、水墨山水画にみえる「咫尺千里」や「残山剰水」を三次元化したのが枯山水だとしています。この他に、盆景や漢詩などからの影響もあると言及されています。

 既述の通り、枯山水は、禅宗の影響を強く受けた庭園です。それゆえ、禅の精神性を表現したものでなければ禅の庭とはいえないと考えられる一方で、枯山水と禅の庭はイコールではないという意見もあります。
 枡野俊明は、禅の庭とは、目に見える庭を通して、そこに繋がる、延々と続く宇宙を表現したものであると言っています。それを掘り下げることにより、仏法の道理と絶対の真理を見抜く「現成公案」であるとしています。
【 注 】 現状公案 げんじょうこうあん
 人の造作によらないで自然に現われている公案(禅宗における問答:問答のテーマ)

 さらに禅における枯山水式庭園の特徴を見てみましょう。
 禅では、世俗から離れ景勝のよい場所に隠遁することを理想としています。その世界観を書院を中心に再現したものが枯山水式庭園であるといっています。このような庭園思想は、日本独自のものであって、中国など、他国では見られないそうです。また、初期の禅の枯山水式庭園では、座禅石を配することが多いです。
 初期の禅の枯山水式庭園として、天龍寺庭園・大仙院書院庭園・龍源院龍吟庭などを挙げることができます。

(【Wikipedia】、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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【日本庭園を知って楽しむ】4-51 日本庭園の分類2 枯山水式庭園 その名称と分類

2024-11-24 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】4-51 日本庭園の分類2 枯山水式庭園 その名称と分類     

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

 *

 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■4 三分類法による日本庭園の鑑賞法
 既述の通り、ここでは、日本庭園を自然風景式庭園、枯山水庭園、露地庭園という三分類を核にしてご紹介します。
 すでに紹介済みであった内容と重複することもありますが、その三分類をさらに細分化したり、切り口を変えたりして、初心者なりの鑑賞法をご紹介します。専門家の先生方には侮蔑されるかも知れませんが、私なりの分類法をご紹介して参ります。
 なお、本章でのご紹介は、コトバンク、Wikipediaや上述の宮元健次氏等々を参考にし、宮元健次氏の分類法をもとに、初心者が独断と偏見に基づいた内容です。また、当ブログですでに紹介した内容を繰り返し掲載することもあります。勝手ながら、正式な情報は、読者の皆さんのお考えに基づいてお探し下さると幸いです。

■4-51 日本庭園の分類2 枯山水式庭園 その名称と分類
 既述の通り、日本庭園は「池泉庭園」「枯山水」「露地」の基本様式に区分されます。
 枯山水(かれさんすい)庭園とは、水を用いずに岩や砂などで山水を表現した日本庭園の様式の一つで、しばしば「石庭(せきてい)」とも呼ばれます。しかし、このような様式が確立されたのは室町時代中期と考えられ、その定義に当てはまらない枯山水庭園も多くあります。
 書き言葉としては、乾山水、唐山水、枯水形、から泉水、干川庭、古山水、仮山水などがあります。その読み方も、カレセンスイ、コザンスイ、フルセンスイ、コセンズイ、フルセンズイなど、いろいろな読まれ方をします。今日の「枯山水(カレサンスイ)」という表現が一般化したのは大正時代以降と言われています。
 枯山水庭園は、水を使わないため面積の広狭を選びませんので、屋内や屋上にも作られ、身近になっています。近代的な建築にも馴染みやすく、日本らしい雰囲気を醸し出してくれます。そのため、現代においても人気が高い様式の一つといえます。

 私のような初心者には、龍安寺の方丈庭園(石庭)をイメージしますが、近年では、枯山水庭園を、さらに細かく分類するようです。
 現代を代表する作庭家のひとり、重森三玲は「前期式、後期式」に分けることを提唱しています。
 枯山水という言葉は、平安時代に書かれた日本最古の庭園書で初めて定義され、池も遣水(やりみず)もない所に、自然の景観を見立てた石組みで作庭されました。主に山の斜面など傾斜に作られることが多く、京都・西方寺(苔寺)に代表されるように、これを「前期式枯山水」と呼んでいます。
 広く枯山水の定義のように言われている「平坦な土地に水を用いず石や砂を主として構成された、山水風景を象徴的に表現した庭園」と言い替えてもよいでしょう。
 それに対して「後期式枯山水」とは、現代で表現される「水を表現する砂」の枯山水庭園を指します。これは、応仁の乱(1467年)の後に、経済疲弊により大規模な池泉庭園が困難となりました。その結果、枯山水が流行し、前期式のような起伏を持たない枯山水庭園が多く造られるようになったのです。
 11世紀ごろに成立したとされる『作庭記』では、枯山水は独立した庭園様式ではなく、池を中心とした池泉庭園などにおいて築山や野道に作られた石組部分を指していると記述されています。重森完途氏氏の前期式がこれに相当します。

 いっぽう、日本庭園研究会会長の吉河功は、次のように分類しています。

①    平庭式枯山水
 ほぼ平らな敷地で、苔を除く植栽のない石庭のことで、京都の龍安寺や円通寺に代表される庭園です。

② 準平庭式枯山水
 平庭式が基本ですが、その一部に低い築山を持つ形の枯山水庭園を指します。京都・真如堂や、鴨倉の長寿寺が、この分類に属します。

③ 築山式枯山水
 重森三玲の分類による前期式枯山水が。この分類に近いといえます。京都・慈照寺(銀閣寺)や天龍寺の曹源池庭園が、その代表的な庭園です。

④ 枯池式枯山水
 水の無い池泉、いわゆる枯池を造っている枯山水庭園で、旧徳島城表御殿庭園や滋賀県米原市の青岸寺などが、その代表的な庭園です。

⑤ 枯流れ式枯山水
 白砂などを用いて枯流れを表現した枯山水庭園を指します。京都大徳寺の大仙院枯山水庭園が好例ですが、他にもしばしば見られます。

 初心者の私には、吉河氏の分類は、枯山水庭園を見るときの視点として捉えると、枯山水庭園を理解するときに大いに参考になるように思えます。


(【Wikipedia】、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

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映像:  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm 

【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています


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