経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

【あたりまえ経営のすすめ】経営戦略編 経営理念の構築・再構築 31 経営理念の役割・必要性・効果

2024-11-18 12:03:00 | 【心 de 経営】 あたりまえ経営のすすめ5 経営戦略編

■【あたりまえ経営のすすめ】経営戦略編 経営理念の構築・再構築 31 経営理念の役割・必要性・効果   

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■【経営支援編】第5部 経営戦略編 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 3章 経営理念の構築・再構築に取り組む

 企業経営では、日常業務におけます事項から、経営戦略など、企業の根幹になるようなじこうまで、いろいろなレベルや内容の意思決定をしなければなりません。
 高度な戦略的な意思決定を行うには、戦略思考ができませんと、誤った方向に企業が走り出しかねません。
 一方で、戦略思考というのは、容易には身に付けることは困難です。この課題に取り組んで行きましょう。

5-3 経営理念の構築・再構築に取り組む
 経営理念とは何かについて、共通認識ができましたら、実際に経営理念構築・再構築の実務編に入りたいと思います。
 経営理念をどの様に構築・再構築するか、その方法となりますと一般的には確立されていないといえます。他社の事例を参考にして経営者が、エイヤーッと作成したり、経営コンサルタントに依頼して作成したりとするケースが多いようです。
 ここでは、経営理念だけではなく、経営基本戦略や中長期経営計画など、経営管理を行う上で、関連する次項を念頭において、経営コンサルタント歴40年余の実績から、経営理念構築・再構築の方法をご紹介します。

5-31 経営理念の役割・必要性・効果
 経営理念を、なぜ必要なのか、「必要性」と「事例」いう観点を勘案したうえで、その役割をみてきました。その中で、各社はどの様な考え方で経営理念を構築しているのかをご紹介しました。
 ここでは、経営理念を実際に構築したり、すでに経営理念がある企業では、それを見直したりする具体的な進め方についてお話します。

 経営理念に関する本を読んだり、セミナーを聞いたりした経営者から、「経営理念を新たに作っていただきたいのですが、おいくらくらいかかりますでしょうか?」という問い合わせを時々いただきます。
 新曲の歌詞を作詞家の先生に依頼するように、経営理念を専門としているコンサルタントに依頼すれば、立派な経営理念が出来上がるとお考えの経営者が結構いらっしゃいます。
 作詞家のような経営理念作成家というような先生がいたとしたら、さぞかし美しい日本語の経営理念が出来上がるのでしょう。しかし、そこに魂を宿らせなければ、絵に描いた餅、「経営理念もどき」にすぎません。
 経営理念は、汗水流して、自社で創りあげるべきものです。


 実際に、経営理念構築・再構築の前に、再度「経営理念のあり方」を確認しておきましょう。
 経営理念は、「企業内の人間と、その諸活動全体の精神的な支柱となるべき思想」で、下位概念がぶれずに規定でき、展開できる原点でなければなりません。すなわち、経営基本戦略、経営方針、経営ビジョン、経営計画、行動指針・行動基準などのベクトルを、経営理念にあわせられなければならないのです。


 経営理念が、企業経営の最上位概念であることは、再三申し上げているとおりです。
 これを経営活動面から見ますと、図のように階段状で表記することもできます。経営理念を最上位概念とし、「上位概念整合性」という、下位の概念は直上の概念と整合性を持たなければならないという考え方で、こちらも他項でご紹介しているとおりです。
 「上位疑念整合性」を階段状に表記することで、その理解を全社員に共通認識させるときに有効でしょう。
 この経営理念構築におきましては、こちらもすでにご紹介しましたように「ビジョン・ミッション・ストラテジー」という考え方で、まず、経営理念の骨格を築くときに有益な方法の一つといえます。
 このように、「経営理念」という抽象的な概念を決める時には、関連する要素を分解して、すなわち「要素分解法」という考え方を用いて、経営理念構築・再構築を進めてゆきますと良いでしょう。

 企業が、反社会的では、周囲の人達だけではなく、社員ですら、その企業の存在意義を高く評価し、その企業の商品・サービスに信頼を置くことはできません。近年、コンプライアンス意識の高まりと共に、社会的責任性を見る目が厳しくなってきています。
 「わが社の経営理念の思想に基づいて行動すれば、必ず成功する」と社員が固く信じることができれば、この会社で自分を成長させることができるという意識も高まり、当然定着率も改善します。経営理念に社員が賛同できれば、モチベーションも上がります。
 経営者も、自社をどの様に育てて行ったら良いのかをイメージしやすく、経営理念実現の強い意志を社員に感じさせることができるでしょう。管理職に指示を出す際にも、方向性がぶれたりせず、自信を持って行えますので、管理職も経営者の自信や確信を感じ取れます。管理職が、部下に対しても同様に、自信ある話し方で接することができれば、社員も上司を信頼するでしょう。

 経営理念構築・再構築作業に取り組む前に、これらを念頭において、取り組めば、社員だけではなく、ステークホルダーも、会社を強くサポートしてくれるでしょう。

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【あたりまえ経営のすすめ】経営支援編 コンサルタントを知る 5-20 中小企業の経営理念と実状に見る事例紹介

2024-11-11 12:03:00 | 【心 de 経営】 あたりまえ経営のすすめ5 経営戦略編

■【あたりまえ経営のすすめ】経営支援編 コンサルタントを知る 5-20 中小企業の経営理念と実状に見る事例紹介   

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■【経営支援編】第4部 コンサルタントを知る 1章 外部ブレインを使いこなせなくて経営者・管理職といえるか

 半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、いろいろな事を体験し、コンサルティング現場で活かしてきました。
 士業・コンサルタントは、経営者・管理職に対して、いろいろな局面からの支援をしていくべきです。そのためには、経営者・管理職の立場も理解をしていなければなりません。
 経営者・管理職向けの情報に対して、「俺は、コンサルタントだ。経営者・管理職向けの情報など必要がない」という姿勢でよいのでしょうか。「裏を返せばコンサルティングに通じる」という発想を士業・コンサルタントがしますと、視野が広がると考えています。
 士業・コンサルタントも経営者・管理職も、フレキシビリティを持った発想が必要なのですね。
 このような視点で、第4部をお届けします。

 1章は、コンサルタントとは何をしてくれる職業なのかという視点で、士業・コンサルタントの本質を経営者・管理職に知っていただきたいと思います。

 裏を返しますと、それを理解でき、行動に移せる士業・コンサルタントがホンモノのプロといえるのではないでしょうか。

5-20 中小企業の経営理念と実状に見る事例紹介

 その第一項は、「企業の存在意義は、社会貢献にある」と、自社のサービスを通して、社会に貢献したいという創業者の強い意志を感じます。
 この会社の経営理念は、経営理念として独立したものではなく、付属文書がついています。
 画面にありますように、「一人では生きて行けない」という言葉で、企業経営で困っている会社に、会計業務でそっと寄り添うという創業者の意図を、経営理念だけでは表現できない部分を補っています。
 企業としてクライアントさんに寄り添うだけではなく、社員に向かって「一人の限界」を訴え、社員同士が助け合い、競い合い、切磋琢磨して、企業と共に成長してゆこう、企業のあり方を示しています。

 同社経営理念の第二項は、
  企業の使命は
  顧客満足にあり、
  それは社会貢献に繋がる要素となる。
と、唄い、付属文書では、第一項を受けて、自社の使命について、顧客満足度を重視して、社会貢献をするのだと述べています。独りよがりの社会貢献ではなく、クライアントの立場に立ったサービスを通した社会貢献を強調しています。
 通常、経営理念のような短い文章の中に、同じ言葉を繰り返すことは嫌われます。ところが、第二項でも、「社会貢献」ということばを第一項に続いて記述することで、「社会貢献」に対する、創業者理念の強さを訴えています。
 しかも、付属文書には、「経営者の魂の叫び」とまで表現しているのです。
 経営理念ですので、対外的な表明ということもありますが、ここでは、「お客様」という言葉を繰り返して、社員に対して、クライアント重視の姿勢を強く訴えています。
 その手段として、コミュニケーションを重視すると言うことを述べるだけではなく、「素直に、お客様の声に耳を傾ける」という創業者の人間性をうかがわせる謙虚でありながら、クライアントに対して積極的な働きをすることの重要性を唄っているのです。

 第三項は、下記のように、前二項より長めの文章になっています。
  成長する企業体を形成するために
  私達は人間尊重の精神を基として、
  創意工夫と感動に溢れた
  働き甲斐のある企業体造りに邁進する。
 ここでは、前二項で唄っています、企業としての基本思想を実現する方策を述べています。
 クライアントに、サービスを提供し続けるためには、企業として存続しなければなりません。そのためには、企業として成長して行く必要性を説いています。
 しかし、それは量的な成長というよりは、人間尊重、創意工夫、感動、働きがいという言葉からも、質を重視した成長にウェイトがあるように、筆者にはうかがえます。

 同社の経営理念は、前半二項で自社の基本思想であります「社会貢献」を対外的に明瞭に訴え、社会貢献の核となるのが、顧客満足度を大切にするサービスの提供であると表現して、社会貢献という抽象的な表現を、具体的に示しているといえます。
 そして、第三項は、それらの実現策として、「人間尊重」、「創意工夫」などを通して、健全な企業創りをして行くという社員に向けての強いメッセージで締めくくっています。しかし、それは、単に社員に向けてという対内的なメッセージだけに留まらず、働きがいのある企業であるという企業イメージ高揚の対外的なメッセージともなっているのです。
 また、これは経営者として、社員に向けてのメッセージでもあります。「人間尊重」といいますのは、社員も尊重するということにも繋がります。社員が、自身や家庭の事情に合わせて勤務体系を組めるという、フレキシブルな人事管理が、社員が長期にわたって働き続けてくれる原動力でもあります。
 また、それが、社員のモチベーションをあげ、働く姿勢に繋がっています。

 「企業生命30年説」というのがあります。大半の企業が30年を待たずして消えていくという厳しい現実を表した言葉です。
 同社は、女性社員を中心に、30年を超えて存続できている企業です。記帳代行業という、地味な業務でありながら、永きにわたって存続できていることは、この経営理念が日常業務に活かされているからに違いありません。
 同社を訪れますと、全社員が起立して、来客を迎えてくれます。業務の途中で、起立するということは、自分の意図とは異なる形で業務を中断することになり、その行為をよしとしない人も多いと思います。
 しかし、顧客重視という、同社の理念を考えますと、経営理念が隅々まで行きわった結果の行為ではないかと、私は、好意的に見ています。
 同社は、過去20年以上、社員さんが20名ほどで推移しています。
 起立すると言うことで、顧客を大切にするという企業イメージを来客に伝える効果もあり、結果として、各クライアントが、永く同社とつきあうことにも繋がっています。

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【あたりまえ経営のすすめ】経営支援編 コンサルタントを知る 5-19 経営理念は形式や内容に固執しすぎない

2024-08-21 12:03:00 | 【心 de 経営】 あたりまえ経営のすすめ5 経営戦略編

■【あたりまえ経営のすすめ】経営支援編 コンサルタントを知る 5-19 経営理念は形式や内容に固執しすぎない

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■【経営支援編】第4部 コンサルタントを知る 1章 外部ブレインを使いこなせなくて経営者・管理職といえるか

 半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、いろいろな事を体験し、コンサルティング現場で活かしてきました。
 士業・コンサルタントは、経営者・管理職に対して、いろいろな局面からの支援をしていくべきです。そのためには、経営者・管理職の立場も理解をしていなければなりません。
 経営者・管理職向けの情報に対して、「俺は、コンサルタントだ。経営者・管理職向けの情報など必要がない」という姿勢でよいのでしょうか。「裏を返せばコンサルティングに通じる」という発想を士業・コンサルタントがしますと、視野が広がると考えています。
 士業・コンサルタントも経営者・管理職も、フレキシビリティを持った発想が必要なのですね。
 このような視点で、第4部をお届けします。

 1章は、コンサルタントとは何をしてくれる職業なのかという視点で、士業・コンサルタントの本質を経営者・管理職に知っていただきたいと思います。

 裏を返しますと、それを理解でき、行動に移せる士業・コンサルタントがホンモノのプロといえるのではないでしょうか。

5-19 経営理念は形式や内容に固執しすぎない

 経営理念を、いくつかのパターンに分類してみましたが、他社の経営理念がどのようなものであるのかを俯瞰的に見ていただくことを目的としてご紹介しました。
 しかし、これらのパターンや従来の経営理念の考え方に固執しないものが、近年いろいろと出てきています。

 先にご紹介しましたザ・リッツ・カールトンですが、経営理念に相当します「クレド」が単独に存在するのではなく、その実施のために付帯する理念を伴っています。

 それらは、「クレド」、「従業員への約束」、「モットー」「サービスの3ステップ」、「ザ・リッツ・カールトン・ベーシック」の5つで構成されています。“ゴールド・スタンダード”と呼ばれ、四つ折りのラミネートカードに記載されものを、全社員が携帯できるようになっています。
 カードは、社員に徹底していくためのツールですが、それを配布するだけではなく、討論会などを開催し、その内容によっては、不変部分のクレドなどを除きますと、変更されることもあります。
 このような「おもてなし」の精神を社員に徹底する工夫が成されています。

 経営理念に関する書籍は多数出版されていますが、なかなか中堅・中小企業のものにはお目にかかれません。筆者が関係した、社員20人ばかりの、記帳代行業による、某中小企業の事例をご紹介します。この会社は、女性を中心とした、女性社長による起業、30年を超える歴史を持っています。
 この会社の経営理念は、大きく三項に分かれて構成されています。

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【あたりまえ経営のすすめ】経営支援編 コンサルタントを知る 5-18 経営理念の形式・内容を分類する

2024-08-14 17:03:00 | 【心 de 経営】 あたりまえ経営のすすめ5 経営戦略編

■【あたりまえ経営のすすめ】経営支援編 コンサルタントを知る 5-18 経営理念の形式・内容を分類する  

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■【経営支援編】第4部 コンサルタントを知る 1章 外部ブレインを使いこなせなくて経営者・管理職といえるか

 半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、いろいろな事を体験し、コンサルティング現場で活かしてきました。
 士業・コンサルタントは、経営者・管理職に対して、いろいろな局面からの支援をしていくべきです。そのためには、経営者・管理職の立場も理解をしていなければなりません。
 経営者・管理職向けの情報に対して、「俺は、コンサルタントだ。経営者・管理職向けの情報など必要がない」という姿勢でよいのでしょうか。「裏を返せばコンサルティングに通じる」という発想を士業・コンサルタントがしますと、視野が広がると考えています。
 士業・コンサルタントも経営者・管理職も、フレキシビリティを持った発想が必要なのですね。
 このような視点で、第4部をお届けします。

 1章は、コンサルタントとは何をしてくれる職業なのかという視点で、士業・コンサルタントの本質を経営者・管理職に知っていただきたいと思います。

 裏を返しますと、それを理解でき、行動に移せる士業・コンサルタントがホンモノのプロといえるのではないでしょうか。

5-18 経営理念の形式・内容を分類する

 経営理念は、内容や形式が百社百様とお話しました。その中で、多少強引とはいえますが、あえて分類してみますと、いくつかのタイプに分けられそうです。(Wikipedia参照作成)
 その一つが「行動規範的なタイプ」で、社是・社訓と言われるようなものに類似します。短い言葉であったり、それを短文化したり、箇条書きにしたりすることが多いです。
 従来、「経営理念」といいますと、最も一般的な形式をしているといえます。
 ある電機会社の経営理念は、「和、誠、開拓者精神」という3つの言葉を併記しています。「誠意」とか「挑戦」、近年では「社会貢献」というような言葉を用いることが多いです。

 二つ目は、「経営の存在意義を示すタイプ」です。自社が、どの様な分野を貢献領域としているかをアッピールしています。近年は、自社の事業領域・ドメインといったとらえ方で示すことが多いようです。
 某警備サービス会社の経営理念は、「安全を売る」ということが基本理念となっています。「いつでも」「どこでも」「だれにでも」簡単に「安全が買える」社会を作りましょうと、その「しくみ」を提供することを目指しています。
 IT時代の幕開けのタイミングで、CI(Corporate Identity)のお手本的な存在を示したのがNECの「C&C(Computer and Communication)」です。
 私事になりますが、経営コンサルタントとしてまだお尻が青い時期で、マーケティングを主力としていることから、自分でも当時はCIに力を入れてコンサルティングをしていましたので、余計に大きなインパクトを受けました。
 しかも、この「C&C」には、以下のような言葉が添えられていました。
  NECはC&Cをとおして、
  世界の人々が相互に理解を深め、
  人間性を十分に発揮する
  豊かな社会の実現に貢献します。
 当時、高度成長期のまっただ中でもあり、「人間性」ということも、まだあまり一般的な経済用語ではありませんでした。私自身が「人間性」ということを重視し、「管理とは温かいもの」ということをさかんに紹介していた時期であっただけに、新しい時代の幕開けのようにも感じたのです。

 三つ目は、「経営の成功要因や経営姿勢を示すタイプ」です。創業者理念を説いたり、企業経営のツボや心構えといったことを前面に出したりしています。企業イメージアップにもつながりますので、近年、再構築された経営理念にはこのタイプに属するものが多くなっているといえます。
 その先鞭を付けたといってもよいのが、IBMの「Think」です。たった一単語で、IBMの成功要因を示しているように、尻の青い経営コンサルタントでありました私には、NECとともに、大きな示唆を受けました。
 また、私のコンサルティングの信条としての「独創性」や「グローバル」ということと共通します、某自動車会社の経営理念は、下記のようになっています。
  人まねをしない独創的な経営
  世界的な視野に立ってものを考える

 私達は、一人では生きられません。お互いが寄り添い、補い合って成長していきます。 相手のことを想う事、それはやがて自分自身に返されて参ります。この基本的な考えを実践することによって、「よりよい社会が形成されるのでは」との想いで、この経営理念を掲げて参りました。
 経営理念は、経営者の「魂の叫び」であります。社内に浸透させ、継承していかなければいけません。つぎに顧客満足度の向上を図る為には、まずお客さまが何を欲し、期待しているかを知る事が大切です。常にお客様とのコミュニケーションを図ることを心がけ、素直にお客様の声に耳を傾ける事が重要であり、従業員一人ひとりの思いも同様でなければ、決して良い結果に繋がらないと考えます。
 一人の力には限りがあります。自己の持てる力を互いに提供し、共有し合うことによって大きな力となるのです。そして私は、日頃から社会貢献のできる企業体でありたいと願っております。

 いくつか、ご参考のために紹介しましたが、これがお手本というのではなく、私が経営コンサルタントとして興味を持った事例の紹介です。それらをまねても、魂がこもるわけではありませんので、経営理念としてインパクトがあるものになるとはいえません。老婆(爺)心ながら付け加えさせていただきます。

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする