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経営コンサルタントへの道

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■【若狹の生意気言ってすみません!】7 日鉄のUSスチール買収成功から勝手な生意気言います

2025-07-08 12:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

本  ■【若狹の生意気言ってすみません!】7 日鉄のUSスチール買収成功から勝手な生意気言います  

 日本で最初にできた経営コンサルタント団体である「日本経営士協会」は、戦後復興期に当時の通商産業省(現在の経済産業省)や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくして誕生しました。
 「専門業の異業種交流会」の異名を持つ、この団体ですので、いろいろな分野の専門家が集まる組織です。
 この度、同協会の会員で経営士であり、行政書士としてもご活躍の若狭晃司先生にもご執筆をお願いできることになりました。令和7年1月より、毎月第二火曜日正午の発信で皆様のところにお届けしています。

 筆者挨拶

 特定非営利活動法人「日本経営士協会」首都圏支部の経営士 若狹晃司です。

 当ブログに、私の経営士として日常考えたこと、感じていることをラフなスタイルで掲載させて頂きます。「生意気なヤツ!」と言われるのを覚悟で出来る限り本音のお話をしていますので、よろしくお願いします。

 

【若狹の生意気言ってすみません!】 No.7

~~~ 日鉄のUSスチール買収成功から勝手な生意気言います ~~~

 

 2025年6月16日にも日本製鉄がUSスチール100%買収完了との報道がありましたが、私のようなド素人が大胆にも身勝手な生意気発言をしたいと思います。御気分を悪くするかもしれませんので、その際はスルーして下さい。

 USスチールは世界第29位、米国第3位(2024年)の粗鋼生産量を誇り、1901年設立の老舗鉄鋼メーカー。日本製鉄も1904年に創業した八幡製鉄から始まり日本最古且つ日本最大の鉄鋼メーカーで、USスチール買収後の粗鋼生産量は世界第3位の規模となります。本買収におけるメリットとデメリットは以下の事がネットに出ていました。

 

 まず、メリットですが、自社で鉄鉱石の鉱山を所有していることから原材料を低コスト調達できること、米国という巨大市場を獲得できること、そして米国の豊富な鉄屑を活かせる電炉をUSスチールは3基保有していること、トランプ政策による産業投資が見込まれることなどだろうと思います(最近のデータでも、USスチールは高炉8基、内3基は休止中、電炉3基を保有)。一方、日本製鉄は10基の高炉が稼働中で電炉は3基稼働している様です。M&Aや多角化などの戦略的決定においてはシナジー効果が見込めるか否かが重要となりますが、それは素人の私でもほぼ理解できる状況と思います。

 

 一方、デメリットとしては、PMI(買収後の統合)における困難、確実に予想される労働組合との厳しい調整、メガバンク複数行から調達した2兆円に上る買収資金に関する財務リスク、米国という商慣習や日本と異なる様々な環境などが挙げられると思います。

 

 私は1983~1986年に大学生ではありましたが、TVで日米貿易摩擦・自動車産業の米国現地生産を見ておりました。ソニーのパラマウント買収・パナソニックのユニバーサル買収・プラザ合意からの円高とバブル経済・バブル崩壊と続いた時代も体感しています。三菱地所のロックフェラーセンター買収と失敗、パナソニックのユニバーサル買収と失敗が非常に印象に残り、米国のプライドの「象徴」を金で買うとどうなるかという点が気になります。

 

 もし、我々日本人が「外国人も人間だから本質は同じだ。」という日本人に有りがちな幻想を未だに抱いていたら怖いなと思います。多分、日本製鉄さんはそういうことは無いと思います。韓国の鉄鋼メーカーPOSCOとの問題、ブラジルのウジミナスとの問題など、既に海外展開の難しさを経験済みなので、USスチールの社員・組合の問題が起きても最終的には解決できるだろうと楽観視しています。

 

ただ、私が勝手に懸念しているのは、想定外というかカントリー・リスクというか、物事は結構信じられないことが起きうるということです。アメリカもまたカントリー・リスクのある国と思います。「まさかそこまで!」というレベルの話が将来出て来る可能性がパーフェクトに零とは言えないと思います。現在は関税をチラつかせて米国への投資を勧めていますが、その投資資金が米国に十分行き渡り収益が明らかになった暁には次の一手が出て来ると思います。今度は日本が投資した米国現地法人の収益に米国企業より重い税率で課税して取り返すことを考えると思います(あくまで私個人の身勝手な憶測です)。自国(米国)ファーストとはそういうことではないでしょうか。そうならないことを切に祈ります。

 

 最終的なやり方が明確に今から把握できるのであれば撤退すべきとなりますが、予測できません。トヨタ自動車同様、今は落ち着いて出来る事を一つ一つやって行き、機を見てまた別途対応を検討していくしかないと思います。
 

 決して自分の上記の考え方が正しいとは思いませんが、トランプ相手に喧嘩をしたところで勝ち目はなく、むしろ長期戦略を立案し、相当覚悟して実行をしていくしかないのだろうと思います。・・・ド素人のくせに生意気なことを申しました。
 来月もどうぞよろしくお願い致します。

本
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
 メガバンク21年勤務(個人富裕層担当・新規開拓班)後、行政書士として独立し、難案件(公益財団移行に伴う組織改革、55年に亘る8行とのバンクミーティング、数年難航の生産緑地解除など)の変わった実績も有り。
 コア・イデオロギー:組織関係無し、世の為、人の為に貢献する。
 
【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
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■【若狹の生意気言ってすみません!】6 この半年間の日経朝刊の記事で気になったWORD&文章を切り抜き

2025-06-29 12:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

本  ■【若狹の生意気言ってすみません!】6 この半年間の日経朝刊の記事で気になったWORD&文章を切り抜き   

 日本で最初にできた経営コンサルタント団体である「日本経営士協会」は、戦後復興期に当時の通商産業省(現在の経済産業省)や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくして誕生しました。
 「専門業の異業種交流会」の異名を持つ、この団体ですので、いろいろな分野の専門家が集まる組織です。
 この度、同協会の会員で経営士であり、行政書士としてもご活躍の若狭晃司先生にもご執筆をお願いできることになりました。令和7年1月より、毎月第二火曜日正午の発信で皆様のところにお届けしています。

 筆者挨拶

 特定非営利活動法人「日本経営士協会」首都圏支部の経営士 若狹晃司です。

 当ブログに、私の経営士として日常考えたこと、感じていることをラフなスタイルで掲載させて頂きます。「生意気なヤツ!」と言われるのを覚悟で出来る限り本音のお話をしていますので、よろしくお願いします。

 

【若狹の生意気言ってすみません!】 No.6

~~~この半年間の日経朝刊の記事で気になったWORD&文章を切り抜き~~~

 

 ここ半年少しの間、日経新聞朝刊の記事から気になったWORDや文章を切り抜いてみました。それの感想も入れてみました。(記事を入れ込んでおり文体や表現している主体にバラ付きがあり多少読みづらい点があります。)

 

①値上げ、価値創出・賃上げで-行き過ぎた効率化は問題―――2024年12月21日

 企業の進路 味の素の藤江社長のインタビュー記事です。

  • 値上げと賃上げの両方を進める。
  • 日本は海外に比べ価格と価値のバランスが取れていない。
  • 商品に高付加価値の【松】を入れ込む。
  • お客様も気づいていないインサイト(隠れた本音)まで追求し具現化する。
  • 戦略実行には密な対話が欠かせず企業文化が実行を左右する。

 ・・・インサイトという言葉が増えているのに驚きました。戦略実行は企業文化が大きく影響すると言及されており、企業文化がいかに重要かが、ほぼ真実のこととして認識されるようになったと感じました。日経新聞社のインタビューの質問で「消費者が求める価値は多様化しています。」と尋ねていますが、未だに消費者が求めるものが多様化しているとか、五十年も前と同じ言葉を使っています。多様化しているというより、いつの時代も消費者のニーズや求める価値は多様です。ほかに質問の仕方があるのでは?と思いました。

     

②東芝の記事―――2024年12月21日全事業部門黒字

  • データ関連ビジネスで稼げる体制をつくるには時間がかかる。
  • エネルギーやインフラの新設や機器更新などで安定的に稼ぐ戦略を優先する。
  • 個々の事業の収益性は高まったが、事業間の相乗効果は見えていない。
  • 既存の本社組織も経営改革を担当しJIP出身の取締役が加わる特命組織も設置。
  • 誰が意思決定しているのかわかりづらい。

 ・・・結局、取締役会やTOPマネジメントの「質」の問題が本当に改善されているのか疑問です。また、過去においては土光敏夫氏が社長に就任して数々の施策をリーダーシップを以って実行したにも関わらずどうにもできなかった事実もありました。本当にTOPマネジメントの「質」だけなのだろうか。土光氏に問題があったとは自分は思えません。むしろこの会社は企業文化も含め、変えていかなければいけない「何か」があるのだろうと思いました。


③「失敗の本質」野中氏の遺産―――2025年2月1日

  • 「人的資本という言葉には違和感がある」とも話されていた。
  • 人間とは「未来志向で意味をつくる動的主体であり、他者との関係性のなかで人になる。つまり、資本を生み出す存在が人間なのだ」という指摘が印象的だった。
  • 日本企業の失われた30年の元凶は何か?――中略――日本の低迷は「雇用、設備、債務の3つの過剰」が原因とされてきたが、野中氏は「プランニング(計画)、アナリシス(分析)、コンプライアンス(法令順守)の3つの過剰こそが原因」と強調した。
  • さらにPDCAだ。現在では「PDCa」になってしまった、と批判した。
  • Pの計画とCの評価ばかりが偏重され、dの実行とaの改善に手が回らない、ということだった。要は、形から入り、魂を入れない日本企業の根本的体質への警鐘だ。
  • 「米テック企業と比べ、知の体系に差がある。われわれはなぜ存在するのか。存在目的を果たすのにどんな知の体系が必要なのかをイノベーティブな米企業の経営者は深く考え、構想できている。」と語っていた。

 

④快走、ナデラ流高速経営―――2025年4月2日

  • 直轄部隊と対話/縦割り廃止 「大企業病」から脱却
  • 「シニア・リーダーシップ・チーム(SLT)」と呼ばれる直轄チーム16人
  • 「なぜこれがうまくいっているのか」「その技術はなんなんだ」―SLTの会議は典型的な大企業の会議とは一線を画し、幹部でも部下を引き連れて説明することはできない。
  • ナデラ氏は取締役会とは別にこうした機動的な運営を重視してきた。
  • ナデラ氏が特に重視するのは「ラーン・イット・オール(学び続ける)」と呼ばれる考え方だ。幹部たちは「ノウ・イット・オール(何でも知っている)」という万能さではなく、新しい知識を吸収し続けて成長への種を探る。
  • 自前主義を廃止 ウインドウズ時代の「自前主義」から脱却を図るナデラ氏はより素早いスタートアップの技術を積極的に採用した。
  • 事業部を廃止し、ファンクションと呼ぶ横串の組織の再編をした。
  • チャットGPTの技術は主力となるIT(情報技術)インフラとなる「アジュール」を通じて企業に提供しビジネスソフトの「マイクロソフト365」や検索サービスの「Bing(ビング)」などAI支援「コンパイロット」として全面展開した。
  • 全社展開が円滑にいったのも縦割り組織解体の組織再編を進めてきたことが大きい。
  • 「マイクロソフトは50周年を振り返って過去の成功にとらわれるよりも、51年目にどれだけ不可欠な存在になれるかが問われている」と語った。

 ・・・昔の本で「IBM巨象も踊る」を思い出しました。パナソニックや東芝もソニーや日立に続いて欲しいと思います。また、マイクロソフトといえど「会社の寿命は30年」ということかと感慨深かったです(‘95年Windows95で一世を風靡し、世界のマイクロソフトになって30年が今年という意味です)。

 

⑤作業服「綿100%」常識破る 今治造船、新素材で防護・通気を両立―2025年4月2日

  • 今治造船が求める防護性と快適性の両方を高いレベルで満たす「万能生地」は存在しなかった。
  • 探しても見つからないなら作るしかない。プロジェクトメンバーは作業服メーカーと一緒に、難燃性と通気性をバランス良く備えるオリジナルの生地を開発することを決めた。
  • 開発当初、黒川氏(人事総務本部)が費用などについて檜垣社長に相談したことがあった。「コストじゃないよ」と一言。「人への投資」を掲げる檜垣社長は金を惜しむことはなかった。
  • メーカーが自社で使う作業服をゼロから新しく作るのは珍しい。
  • 新しい作業服は日本産業規格(JIS)を取得した。この作業服を使わせてほしいとほかの船舶メーカーから問い合わせあったという。黒川氏が許可を取りに行くと檜垣社長は「造船業界、地域全体が盛り上がらないといけない」と快諾した。
  • 造船業界は自動化が進む製造業の中でも人手に頼る部分が多い。そんな中、今治造船は働く環境の改善に力を入れている。

 ・・・人的資本経営が流行りの言葉ですが、教育研修やトレーニングにお金を掛けているとは思います。しかし、制服一つとってもここまで社員に安全で機能性の高い良いものをと考えるのが本当の意味での「人的資本経営」ではないかと思います。勿論簡単に真似ができるものではないです。考え方や発想・思想は大いに学びたいと思います。

 

 このほかにもいろいろあります。特に2025年5月19日の日経朝刊に「問われる富の分配」という記事が面白かったです。要点はこうです。「コーポレートガバナンスコード(企業統治指針)の適用開始から本年6月で10年となりますが、何がこの間起きたかと言うと、株主重視の経営がすすみ株主還元が急激に伸びた一方、賃金や設備投資の伸びは限られる。―中略― 中長期の成長につながるような富の分配をどう実現するかも問われている。」と書かれていました(私がかなり端折っています)。

 早稲田大学スズキ研究室が提供した図が挿し込まれており、2014年度を1とした場合、2023年度には売上が1.1倍となっているが、設備投資は約1.3倍、従業員や役員は約1.1倍強であるのにもかかわらず、株主還元はなんと、約2.4倍となっています。株主還元が他と比べて極端に大きいことがわかります。


 ここから、いつも以上の「生意気」モードです。 株主資本主義は西欧の資本主義の核となる基本原理ですが、この原理原則によって、この10年で日本企業の自己資本を充実させ配当を充実させたと思います。株主資本主義の究極の目標は、「株主価値の最大化」です。上場企業なら株主価値の最大化は多少なりともわかるのですが、これを日本企業社会全般に広げるというのはいかがなものかと。
 「株主価値の最大化」というテーゼを、ファミリービジネス(同族企業事業)という観点でも同じだと主張できるのでしょうか。どこぞの大学のファミリービジネス関係の準教授が「ファミリービジネスの目標は、家族財産価値の最大化」とか言っていました。ゾっとしました。むしろ、そもそも経営や現場・現物・現実を理解していないなと。あの故野中氏の「二項動態経営」という本の第1行目の文はこう書かれていました。
 経営者とは何か、と聞かれたら迷わず「生き方(a way of life)」だと答えるだろう。
 故野中氏の言葉、これこそが経営・経営学の本質だと同意致します。あの稲盛さんも「生き方」という本を出され、松下幸之助氏の著書の多くに経営(者)哲学を説いています。従業員やその会社を取り巻く地域社会や様々な点・面に感謝の思いはまずベースとして必要ですし、さらには社長という経営者として、多数の人に影響のある一人の人間としてどう考え行動するのか、という点も経営を語る上では必須です。勿論財産を残し、次の世代に継続することは大切です。でも、それは自分の一族ファーストでしかないと思います。
 あの世に財産を持っていくことはできませんし、金財産があれば幸せとも限りません。この世に生まれこの世で生きていく上で、一緒に人生を歩んでいく自分・家族・地域・国家・世界、をどう認識し、自分の人生をどうしたいのか、という根本の哲学が、欧米流の経営思想を信奉する日本では疎かになっていると感じています。左記の哲学的な思想は、ファミリーが経営するビジネスにも影響します。どんな組織であれ、事業であれ、理念(経営理念)というものがAI時代だからこそ、益々、極めて重要になっていると私は考えます。

 パーパス経営で言うところの、ミッション(MISSION)、ビジョン(VISION)、バリュー(VALUE)という言葉も思想もとても重要で大切だと私も同意します。しかし、最新の欧米流の思想にいち早く取り入れることで必要十分と言えるのでしょうか。新しい言葉、経営流行語をコンサルはやたらと使いたがります。横文字礼賛も良いのですがその実行は極めて難しいことです。コンサルも質を問われるのではないでしょうか。

 かなり、しつこくなりました。この辺で第6回を終了致します。

本
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
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■【若狹の生意気言ってすみません!】5 オーバーツーリズムの富士山&五重塔の人気スポットで 他 

2025-05-13 00:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

本  ■【若狹の生意気言ってすみません!】5 オーバーツーリズムの富士山&五重塔の人気スポットで 他  

 日本で最初にできた経営コンサルタント団体である「日本経営士協会」は、戦後復興期に当時の通商産業省(現在の経済産業省)や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくして誕生しました。
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【若狹の生意気言ってすみません!】 No.5

~~~ ①オーバーツーリズムの富士山&五重塔の人気スポットで ~~~

~~~ ②東京の東と西、人口差以上に繁栄の差 西多摩の今後 ~~~
 ~~~ ③その他 ~~~


①オーバーツーリズムと富士山&五重塔の人気スポットで

先月(2025年4月)のとある平日、富士山周辺が快晴とのことで一生に一度の好チャンスとばかりに富士急行線の下吉田駅へ行きました。外国人旅行者に大人気の「新倉山浅間公園」展望台から見える風景(満開の桜と富士山、手前に五重塔【正確には忠霊塔】が見える海外で有名なポイント)を見るのが目的です。ここへ来る前に、富士吉田駅へ行って、北口本宮冨士浅間神社のお参りを先にして安全祈願と健康祈願をしました。
 桜が満開で快晴の観光でしたが、これがオーバーツーリズムなのかと驚くことが多々ありました。


1)神社参拝でのこと。
 参拝の順番待ちで静かに待っていた処、先にいる外国人観光客の30代くらいのインド系男性が写真(撮影禁止です)撮影やらで立ち去らず、私の後ろで待っていたご婦人が、「Sir」と声を上げるまで長居し、日本人の参拝客の邪魔になっていました。


2)外国人、特に若い白人女性観光客のマナーが悪かったこと。

富士吉田駅へ戻る際、道路で外国人観光客が運転する自転車の複数台とすれ違った時のことです。白人男性は「すみません。」と声を掛けましたが、白人女性からすれ違い様に舌打されました。また、別の白人女性が信号無視して爆走し、自動車ドライバーへの迷惑運転と思われることがありました。一体、なんでこうもマナーが悪いのだろうかと不思議です。

 

3)下吉田駅~展望台までの間の外国人向けのお店の雰囲気

 駅から展望台まで数百メートルありますが、地元の方が外国人向けに自宅を改装してお店をやっていました。飲食・小物の物販などいろいろですが、店外にテーブルと椅子が並べられ、外国人観光客が多数いました。外国の音楽を大きな音で流し、日本の料理ではない外国の?料理の匂いが充満し、ここはロス?NY?と思ったくらいでした。入れ墨をして我が者顔でふんぞり返る態度の外国人(習慣なので仕方がないですが)が多く、なんか危険な感じの雰囲気でした。この日この地域に観光で訪れる日本人観光客は1%しかいない感じで、それもそのはずと思います。


4)下吉田駅から大月駅へ帰る際、外国人観光客がごったがえして改札に入れず。

 とにかくこんな小さな駅の改札に数百人の外国人観光客が詰めかけていました。切符を買っていない、SUICAなどのチャージ式のサービスを受けていない、ただ駅員に文句を言う、道を開けない、駅員もSUICA利用の日本人に改札を通さない、様々な状況でした。とにかく改札がすし詰め状態で酷かったです。おかげで1本電車に乗れず次の電車までホームで外国人観光客と待たされる羽目になりました。外国人に強く押されるは引っ張られるはで正直不快(これを失礼とか暴力というのでは?)でした。駅員の教育も改善すべと思います。安全配慮対応が出来ないならば外国人と日本人と改札を分けるなど、改善方法を別途考えて欲しいと思いました。


5)白人観光客の日本人に対する態度。

 私の勘違いだけならば「申し訳ございません。撤回いたします。」と先に申し上げます。と、前置きしますが、「日本人はどんなに無礼なことがあっても黙っているから大丈夫だ。日本はいきなり暴力を振ってくる人はいないから大丈夫だ。安心して開放感に浸ろう。日本なんてアジアにいる格下民族。」と迄は、彼らは言っていませんが、そのような雰囲気を出している人が少なくなかったです。見下した目つき等、態度の面では心地よいものではなかったので、やはり「外国に観光に来てまで差別意識を出すな。」と言いたいです。結局のところ、観光客に金を恵んでもらおうという誤った観光立国政策の結果だろうと思います。過度なおもてなしが逆効果になっているかなと。
 以上、驚き体験をしましたのでご報告致します。

②東京の西と東、人口差以上に繁栄の差 西多摩の今後

 5月のGWのとある一日のこと。西多摩地域に居住している私は、所要があって亀有へいくことになりました。葛飾区亀有。行って見るとこれまた驚きました。

 居住している羽村市は人口約5万4千人。葛飾区は約46万人です。高齢化率はそれぞれ、羽村市が21%、葛飾区は25.4%です。葛飾区は羽村市の約9倍の規模の都市です。

両市とも子育て政策が充実とされています。羽村市は共働きし子育てしやすい街の上位ランキングの常連で、葛飾区は出産前から出産後までのサポートが手厚いということです。中小工場が集積している所がある点も共通で、羽村市は自動車関連工場、葛飾区は玩具・文具の生活用品の工場が多いとのことです。

 この両市を単純に比較するのは勿論論外ですが、たまたま亀有を訪問した感想を言いますと、とにかく人が多く、アニメの亀有前派出所の海外ファンをはじめアニメの聖地を訪れる観光客、そして当地在留の外国人の方々、加えて地元在住の20~30代の人が多かったと思います。一方、羽村市は都内市区町村で最も人口密度が低い市で、青梅線の乗降時以外は駅周辺ですら人を見かけません。飲食店の数も圧倒的に少なく(駅周辺に5~7店舗)、人口が9分の1とはいえ、あまりに酷いと感じました。亀有駅近の飲食店の店舗数は60?100?それ以上でしょう。数え切れません。
 ここ15~20年の間、羽村市では大規模工場の撤退が激しいです。東芝青梅工場、日立国際電気羽村工場の撤退の影響が大きいです。小作駅の乗降客もピークの3分の1未満となり、夜の繁華街はあくどい客引きすら減る始末です(風俗店数は小作駅の方が福生駅より多い)。高齢化率は羽村市の方が葛飾区より4%程低いのですが、体感で言うと(見た目でいうと)、羽村市の方が老人を見かける確率が高いです。
 個人的過ぎる感想ですが高齢化の面では「西高東低」になった気がしますし、経済・繁栄的には「西低東高」になったような気持ちです。東京スカイツリー効果もあるのでしょうか?なんとなく物悲しいGWの一日でした。
 今後の西多摩についてですが、超―自分勝手な意見を言わせて頂くと、東京都から分離して埼玉の西部(秩父等)と合併して新しい県にし、同じような問題を抱える市区町村同士が協働してもよいのでは?と思いました。← 多分、これを言ったらかなり叱られます。

本当にごめんなさい。

 

③その他

 「あたり前経営」について、今井先生のSNSの中で頻繁に私がコメントしております。自分自身、もっと頭の中できちんと整理・整頓して纏めないと何も伝わらないのではないかと心配です。暫くの間、支離滅裂なコメントをお許し頂ければと思います。
 日本最古の経営コンサルタント団体たる日本経営士協会がその基礎としている「あたり前経営」を今後とも残し、次世代に繋げたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今回は以上です。

本
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
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■【若狹の生意気言ってすみません!】4 投資・スタートアップ・個人の資産運用の前に

2025-04-08 12:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

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■【若狹の生意気言ってすみません!】 No.4

 ~~~ 投資・スタートアップ・個人の資産運用の前に ~~~

 若狹の「生意気言ってすみません」と言い訳しながら言いたい放題言うコーナーの第4回です。毎回皆様の御気分を悪くさせて本当にすみません。で、話に入ります。
 先日、当協会でスタートアップ研究会というものが立ち上がりました。若い方々にスタートアップのプレゼンテーションの表彰制度やスポンサー企業を募集したりする事業です。巷でよくある手法ではありますが、当協会の齋藤先生が緒方先生を「崖の上から落とす」くらいの【勢い】で説得し立ち上がったようです。私には真似ができません。敬服致します。この日本にスタートアップ企業、ユニコーン企業が多数輩出されるようにしたいというのが本研究会の目的と心得ております。陰ながら応援です。
 本事業ではプレゼンテーション表彰に向けて色々なイベントが開催されると思います。研究会の資料から政府が税制の他各種制度等で応援し官民挙げて動いているのがわかりました。事業が軌道に乗るまでのメンバーの奮闘、投資家ファンドの資金投入などごく「あたり前」のことかもしれませんが実に詳細に記載されていました。
 ここで個人的な話です。3月の中旬に尼崎へ行く用事があり、新幹線に乗りました。自由席1号車(1・2両しか自由席は通常月はありません)の2席側の窓際に座ったところ、後から外国人の若者が相席されました。Can I have some conversation ?と声を掛けた所、「いいっすよ!」と日本語で返されました。二十歳のカナダからの国費留学生でした。京都までアメリカ大陸英語とイギリス英語の違いや彼の海外経験など、楽しく過ごさせて頂きました。「あなたは将来何をしたいですか?」と質問したところ、彼から「日本で起業したい!」との答えでした。彼は心理学を日本で学んでいますが、これをビジネスで活かして起業するということでした。「君はきっと成功するよ!」と伝え別れました(特に名前住所などはメモしておりません)。
 何が言いたいかというと、このカナダの若者のチャレンジ精神、開拓精神、意気込み、生き様、そういうマインドが根底にあるべきで「これぞスタートアップ精神だ!」と私は言いたいです。彼が言うには「日本はチャレンジしがいのある機会が豊富な国だ」そうです。そうなのか!?!と多少ビックリしました。彼は高校時代に香港にも短期留学したり、外国に対する興味関心が強く、日本語を勉強した際に覚えた漢字でなんとか中国語でコミュニケーションを図る?という無謀なことをやったり、様々なチャレンジをしていました。(実際には中国語の四音というイントネーションが困難で結局英語で話したそうです。)
 欧米のスタートアップの業界は熾烈な競争がある一方で日本はそこまでではなく、生活面でも安全で人々は真面目な国民性で、こんなスタートアップに恵まれた環境は無いということでした。なるほど本や新聞ではわからないことが多いなと感じました。また、彼は人を引き付ける何かあるな、と感じました。私も何か引き出す力があるのかも?と思いました(自惚れです)。
 話が脱線しましたが、スタートアップがなぜ日本では育たないかという根本原因はこのマインドにあるのだろうというのがこの話の結論です。経済産業省等が進める手段・方法がどんなに多く施策されても、事業を起こす「ヒト」の心、心de経営、マインド、等々が
あまりに日本は出来ていないからこんな状況なのだと思いました。また、マインドのある日本の若者に必要なのは、先にスタートアップして成功したり、結果を残したりした先駆者との交流等を行って、マインドをさらに磨き、吸収し、突き進むという環境を提供することかもしれないと思いました。
 しかし、それでも何か違う感じがします。与えるのではなく、自分から獲得するのが事業家(起業家・企業家)ではないでしょうか。国家公務員エリートが設定した方程式が成功方程式とは思えません。そもそも彼らは受験戦争エリートであって起業戦争エリートではありません(今や受験戦争は死語であり中国・韓国の学生用語)。政府の施策で成功した人が多数いるわけでもなく、政府の施策でGAFA、マグニフィセントセブンが生まれる訳でもありません。あくまでインフラです。成功する者は自らチャンスを獲得します。人脈すらそうです。孫正義はシャープの有名副社長兼技術者「ロケット佐々木」(佐々木正氏)を自ら尋ねて翻訳機を買っていただき、その後の起業資金(当時1億円)にしたということです。これが本当の「起業家」であり、スタートアップです。
 企業家精神に溢れる人との交流や親交からマインドが触発されたり、同じマインドの人が集まって最初の企業の「核」となったりするのではと私は考えております。成功する手段や道筋ばかりを設定したところで、企業家精神そのものを育てなければ何も生じません。そこが国家公務員の方々はおわかりになっているのでしょうか。明治維新の官僚達がいかに優れていたかわかります。
 また、スタートアップやベンチャーに関する株式やネットによる資金調達の話が出てきますが金融機関も大事な関係と私は考えております。新興企業の事業が軌道にのり始めると様々な人が集まり、それがさらに銀行の有名支店長への紹介に繋がり、様々に成功していった例もあります(個別の会社は守秘義務があり言いません)。実際に自分の元上司の話では、「この会社の社長に会ってくれ。」という話が法人新規班のみならず地方財界の有力者等からも舞い込んだりしたそうです。そのくらいメガバンクのネットワークは凄いものがあります。信用金庫様のとある方から「ウチも上場支援している会社がいっぱいありますよ。」(裏には「信金も結構やってる!舐めるなよ!」というニュアンス)と言われたことがあります。預金総額の規模に係わらず上場を目指す世界では、金融機関同士凄まじい競争が繰り広げられているのでしょう。メガ銀行が本気で支援するとなると不動産・証券・海外展開、様々な関与があり、全国展開・海外も含めた全世界展開となっていきます。マネーパワーの力です。
 時価総額10億円超がユニコーンの定義らしいですが、時価総額の強調ばっかりのような印象がします。時価総額の金額のレベルというよりマネーワパーの本質がどうなっていうかが問われるべきだと思います。マネーパワーの本質は、ヒト・モノ・カネ・情報が多大に流入する効果のことで、だからこそ「時価総額が大きい!=凄い!」ということです。単純に株価を上げれば良いという問題では全くありません。上場を目指すことが社内で決定されると、「ヒト・モノ・カネ・情報」が流入し且つ各々が【良質化していくスパイラル】になり、企業が大きく成長していきます。上場をする会社の社員の方と何度か話をしたことがありますが、上場までの社内の雰囲気や動きなどほんの一部ですが成長の躍動を感じました。マネーに引き寄せられる様々な人が従来出来なかった部分をあっという間に補強していきます。大変な状況ですが、それに耐えないといけない。ここがポイントなのだろうと思います。これも起業家・社員のマインドの問題ではないでしょうか。
 言いたい放題言いましたが、日本経営士協会の取り組みが明日のスタートアップのみならず将来の日本の産業を強化することに貢献できれば幸いです。そういう方程式は存在せず、あくまでマインドを作らないと何も起きません。「心de スタートアップ」なのかもしれません。アイデア・思想発想を収益に変えることがスタートアップ起業ですから、「心(マインド)」が一番大事だと思います。
 スタートアップやユニコーンの件で、「銀行が当初から関与していると様々な点で金融機関が彼らの成長の芽を潰して台無しにする。金融機関ってとんでもない。」との話を聞いたことがあります。おっしゃる通り、よく「あるある」の話だと思いました。というのも金融機関はお金の出し手というだけで上から目線、資金管理目線が本能的にあります。それだけでなく、金融機関では毎日営業報告書をネット(以前は紙)で報告して、毎日何があったか、どういう成果(失敗も?私はしっかり報告しましたが)があったか、など報告と計数管理が凄かった記憶があります。そういう事に慣れていない方(含む公務員)から見れば、「アイツら銀行が成長の芽を潰してる!」となるでしょう。イチイチ細かいことまで報告を求め、いつまでに何をどうした・どうなった・どうする?と毎日聞かれます。こういう業界体質ですから金融機関がスタートアップ支援や企業支援をする際は相手に対する十分な配慮が必要と思います。実際失敗例や批判例が多々ある以上は。かといって金融機関は短期嗜好・目先思考ばかりでビジネスセンスはゼロだ!と徹底的に貶す人もビジネスマンとしてはいかがなものかと思います。
 銀行員の中にもスタートアップを上場させた人もいます。私の別の元上司が何某スタートアップ(ベンチャー企業)に副社長として招聘され、本当に睡眠時間や体力を削り、過激な業務にも耐え上場に成功させました。私が銀行の中でも最も尊敬する方のお一人です。新店舗開設の際の支店長としての最初のお言葉は「(この街の)街作りに貢献しましょう!」がスローガンでした。預金を集め貸出をしてNo.1にしましょう!ではありません。地域・お客様に貢献することが我々の使命だ!とおっしゃっていました。そういう優れた銀行マンもかつてはいました。金融機関の者がすべからく糞でゴミだというのには反論したくなります。公務員とて別の意味で職場文化バイアスで問題はあるぞと言いたいです。上記の元上司は上場の数年後病気になりお亡くなりになりました。このくらい頑張らないとユニコーンだのスタートアップだのは夢で終わってしまうのだろうと思います。身近な話だからそう思っているとしたら私の見当違いですが。
 いろんな話をしましたが、企業(起業・ビジネス)というのはマインドが極めて重要なファクターであることがお分かりいただけたかと思います。

 次の話に移ります。
 最近NISAだの、グロカン(グローバルカントリー)だの、(金融の)資産運用について政府自ら宣伝しており金融界・証券界は恩恵に預かっていると思います。小学生から金融リテラシーを学べというイベントも散見されます。金融界出身の自分としては、半分OK!でもう半分は「?」という気持ちです。
 ネットで伝説の投資家ウォーレンバッフェット氏のYouTube番組をたまたま発見し、視聴しました。とても参考になりました。一例として「投資は習慣である。投資の習慣が無い者はお金持ちになっても投資をしない。感情によるキャッシュコントロールが出来ない者はいくら収入を上げてもその分金を浪費してキャッシュは残らない。無駄を省き少額からでも始めない限り投資で成功は無い。」などなどです。よく世のFPは人生のライフ・サイクルを念頭に資産・資金の運用をしましょうと言っております。しかし、そのライフサイクル(人生の金融設計)の前の段階で、日々の生活における「感情によるキャッシュコントロール」ができるようになっていなければいけないのだと、あたり前のことが話されていました。
 また、投資は少額でも始めないといつまで経っても自分の投資スタイルが確立できません。これも大事なことです。一度やり始めると株価―為替―金利の三面バランス、日々の出来事などさまざまな事に注意や関心が生まれます。私自身は少額であれ自らの考えで積極的に投資をしようとしたことがなく(本当に少額しか運用経験は無し)、「先を読む習性・習慣」は身についていません。確かに貯金至上主義から抜け切れていない私には投資を語る資格もないでしょう。私の別の別の上司など資金運用専用PC2台を机に並べて運用で儲け、車を数台買い替え、家も1棟買い替える程です。私のFP1級の国家資格は何の意味があったのでしょうか。名刺に掲示するのがお恥ずかしいです。
 それでも言いたいことがあります。投資は貯金とのバランスが1丁目1番地だということです。住宅ローンの担当をしていた頃の話です。「住宅ローン借入のある家はそもそも貯金など無理ですね。」と私がローン課長に話をしたところ、「住宅ローンを返済しているからといって貯金を全くしない人はいないよ。返済額と同額とまでは言わないが必ず将来必要資金について貯金をしているのが大半だよ。見当違いだよ。」と諭されました。なるほどその通りです。ということは、投資というものも同じく、人それぞれの金融嗜好により違いはあるものの、返済(借入や家賃)・投資・貯金のバランスを調整しながら長期に亘って行うべきだということです。投資をするなら同額を貯金するという意味ではなく、生活プランに合わせて一定額を必ず投資だけでなく貯金もやって初めて生活が長期にわたり安定するということだと思います。「貯金が貯まったら運用するなんていつになったら投資できるの?運用に良好な時期を外してしまうよ!」と言われてしまいます。とはいえ、やはり、資産運用はあくまでバランスだと思います。家計も企業会計と同様に、PLとBS、CF計算書を念頭に入れ、キャッシュコントロールしながらBSも成長させるということだと思います。PLの最後に捻出される「利益(当期利益)」を全て有価証券等の投資に回す企業は存在しません。個人の家計も同じことではないかと思います。
 若い頃(地主新規工作班だった頃)、お客様から言われた言葉に「四・六(シブロク)」というのがあります。金融資産4割、土地建物6割の比率で保有・運用するのが鉄則だという意味の言葉です。経済環境の変動や現在及び将来の税金の発生を考慮して考えた配分割合だそうです。これが全ての人に合致するとは言えませんが、資産運用の堅い考え方として素晴らしいと思います。預貯金は安全資産に対する投資と考えるべきでポートフォリオの構成としても外せるはずがないです。政府がNISAで運用!運用!とばかり喧伝して国民に対して金融資産運用の一大キャンペーンを張るというのは役所としてどうなのだろうかと思います。預貯金も投資の一部として、毎月(年間)残るお金の半分なり3分の1なり(又は一定割合)を毎月(毎年)積み立てることをお勧めしたいです。―――割合はライフプランの上で毎年見直し、むしろ預貯金の積立てが金融資産運用の中心にすべきと考えています。ウォーレンバッフェット氏は私のようなことは言っておりません。上記はあくまで、私個人が主張するFP風運用指針です。お粗末で大変失礼致しました。
 いつもこのコーナーのネタをどうしたらいいか、ああしようか、こうしようかと直前まで悩んでおります。一旦PCを打ち始めてやっとネタを思い浮かべる有様です。できる限り、面白い話題や日常の出来事を絡めて皆様にお伝えしたいと考えております。次回も頑張りますので、今後共どうぞご贔屓下さいませ。

 以上で第4回を終了致します。

本
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
 メガバンク21年勤務(個人富裕層担当・新規開拓班)後、行政書士として独立し、難案件(公益財団移行に伴う組織改革、55年に亘る8行とのバンクミーティング、数年難航の生産緑地解除など)の変わった実績も有り。
 コア・イデオロギー:組織関係無し、世の為、人の為に貢献する。
 
【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
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◆【プロ目線でひと言】 企業倒産と再生

2025-03-24 10:32:38 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません
◆【プロ目線でひと言】 企業倒産と再生

 「プロ目線でひと言」といいますと「上から目線」に聞こえるかも知れません。ここでは、読者の皆さんと同じ目線にたって、しかしコンサルタント・士業が、平素、仕事を通して感じていることを多少異なった視点でご紹介するコーナーです。
 経営士・行政書士としてマルチライセンスで活躍していらっしゃる、日本経営士協会会員の若狭晃司先生が、2025年1月から、毎月第二火曜日正午頃の発信でブログを投稿してくださっています。
 先生らしく、実体験や博識から、謙虚に、しかも大胆に、辛口も含めてお感じになっていることを皆様にお届けしています。その号外編として、下記をお届けします。
■ 企業倒産と再生
「欧州各国では、倒産手続とは別に、倒産状態前において裁判所の認可の下で債権者の多数決により債務整理を行う制度が存在するが、日本には存在しない。」という問題があり、それを補強する法案である「早期事業再生法」が閣議決定され今国会へ提出される予定らしいです。
 資料 ←クリック
◇ 企業倒産と再生
 「欧州各国では、倒産手続とは別に、倒産状態前において裁判所の認可の下で債権者の多数決により債務整理を行う制度が存在するが、日本には存在しない。」という問題があり、それを補強する法案である「早期事業再生法」が閣議決定され今国会へ提出される予定らしいです。
 資料 ←クリック
 https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250304003/202503004003.html?fbclid=IwY2xjawJNkohleHRuA2FlbQIxMAABHcvigzbNqPu63oHedR0z35XOJqPC1YQ2DyVtELB3Mld-ZenQF7RJyxbiwg_aem_6Sz0y_OYQiH6HLFRh6us2A

 多分、大きな効果は無いと個人的には考えます。
 手続をどう変えても再生するには?が問題の核心であって、倒産する前の資金余裕、人的余裕、社長の心を変えられるなど余裕のある時にやるべきことが多く、手続きは逆に債務処理を早くするだけでは?と思います。
 傾いてどうしようもなくなる少し前に、「ウチの会社は今後5年~7年、通常通り、【あたり前に】、やっていけるのかどうか」という企業の健康診断を受けておけば、まだどうしようかと、動くことができます。
 企業健康診断を受けていなければ、傾く少し前かどうかがわかりません。V字回復ストーリーがこの世の全てではありません。既に遅かったというのが現実です。
 「あたり前」に毎日会社経営してるからといって、来年も再来年も、「あたり前」に経営できるとは限りません。
 「あたり前」経営は、企業を今後も継続させる大きな源になるものです。足腰の強い、イノベーションを起こす力をも生み出す、基礎力を作り上げるのが「あたり前」経営というものです。だから「あたり前」は創るものです。
・・・こう説明しないと理解されるかもしれません。
・・・何もかも全ての「あたり前」のことが常に将来も出来て継続する企業って、存在しません。でもあたり前を無視したり過小評価したりでやっていないから、どこかで危機を迎えるのではないでしょうか。「成長しなくとも絶対に潰れない」だけでなく改善の中から新しい成長を見つけて再度成長軌道に乗せられるのも、優良企業の「あたり前」です。
でも、「あたり前」経営には「方程式」はありません。
 あたり前の実践の中から、自社の方程式を見出す、これだと思います。両利きの経営・二項動態経営・〇〇戦略経営・DX経営・・・、やり方を示したところで、実際の経営は自らオーダーメイドするもので、それもあたり前のことです。コンサルに答えを求めることもおかしいです。答えは自社の中にあって、コンサルや外部の頭の中には真実の答えはありません。
 人間味溢れるあたたかい心と現場主義コンサルこそ、日本経営士協会のスピリッツ(精神)じゃなかろうか。
 あたり前経営の普及活動をどこかの時点でやらないと・・・。
 その前にしっかり学び、狼狽えることがないよう自分も基礎基本を身につけないといけないです。日本経営士協会の長い歴史を特徴とか強みと言うだけでは、長い歴史はあたり前じゃん!と我々が歴史的価値を過小評価する様では良質化循環に繋がらないと思います。
 長い歴史が・・・といっても、So What ?となります。
 温故知新も大事です。協会のルネサンスが大事かと。
 まったく偉そうな口を長々と、本当にすみません。
 なんでいつも熱っぽくなるのかわかりません。
 申し訳ございませんでした。
■プロの異業種交流会「日本経営士協会」
 日本経営士協会は、ご存知かと思いますが、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。
 「マルチライセンス」を掲げ、いろいろな専門分野のコンサルタント・士業の集まりです。専門分野毎に研究会を開催したり、「共業・共用・共育」を掲げて、切磋琢磨したりしています。
  日本経営士協会
  経営コンサルタントへの道

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■【若狹の生意気言ってすみません!】3 「あたり前経営」で注意したいことの一つは、・・・

2025-03-11 12:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

本  ■【若狹の生意気言ってすみません!】3 「あたり前経営」で注意したいことの一つは、・・・  

 日本で最初にできた経営コンサルタント団体である「日本経営士協会」は、戦後復興期に当時の通商産業省(現在の経済産業省)や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくして誕生しました。
 「専門業の異業種交流会」の異名を持つ、この団体ですので、いろいろな分野の専門家が集まる組織です。
 この度、同協会の会員で経営士であり、行政書士としてもご活躍の若狭晃司先生にもご執筆をお願いできることになりました。令和7年1月より、毎月第二火曜日正午の発信で皆様のところにお届けします。

 筆者挨拶

 特定非営利活動法人「日本経営士協会」首都圏支部の経営士 若狹晃司です。

 当ブログに、私の経営士として日常考えたこと、感じていることをラフなスタイルで掲載させて頂きます。「生意気なヤツ!」と言われるのを覚悟で出来る限り本音のお話をしていますので、よろしくお願いします。

■【若狹の生意気言ってすみません!】 No.

 ~~~ 「あたり前経営」で注意したいことの一つは、・・・。 ~~~

  第三回目の「生意気」コーナーです。いつも私は「あたり前経営はこんなに素晴らしい!これぞ日本経営士協会の核となるものだ!」と喧伝しておりますが、注意点も少々ございます。その一つを今回は申し上げたいと思います。

 <言いたい事>
 「あたり前」にやるべきこと、やらなければいけないこと、というのは人それぞれ個人差があります。また、あたり前と思っている物事の裏に隠れて見えていない事や本当に見えないこともあります。また、あたり前であっても重要な本質の部分を適当に扱ったり、表層的に扱ったりして、重要な本質が忘れられていたりすることもあります。更には、大半の人が気づいていない重要な事を一部の者だけが独占し何も表に出さないこともあります。実際の問題として、「あたり前のことをあたり前にやる」ということは、実に様々な状況があると思います。

 強みとの関連を言うならば、「あたり前」をやり続けながらも心の底で「もっともっと良くして行こう!」というマインドを持って努力し、たとえ一つ一つが地味であっても世の中の流行に流されず、「あたり前」の中に新たな発見や新たな気づきを見い出し、自分の強みに気づいたり、強みを獲得したり、新たな強みに仕上げたり、強みを増強することになると考えています。

 よって、ただ単に「あたり前」をあたり前にやり続ければ良いということを私は主張しているのではございません。マインド、心の持ち様が大切です。組織全体に行き渡らせるには経営理念や企業文化をも変えて行く姿勢が大事です。その意味では、非常に泥臭いものかもしれません。

<営業という世界のちょっと泥臭い話>

営業を例に取ってみます。優秀な営業マンが「これをやっていれば自ずと営業成績が上

がります。」と方法を開示したとします。それを部下や新人営業マンに命じて営業活動をかけた場合、全ての新人営業マンや部下が大きな成績を出して成功しました!ということは稀です。方法マニュアルがいつどのような状況下で渡されているのかにより効果は変りますし、そのマニュアルがどのような営業マンにとっても万能な方策であるとは限らないからです。また、優秀な営業マンは自分の武器をそう容易く他人に渡すことはなく、十分吟味しないといけないと思います。個人差のある「あたり前」事項や隠された有効策があるのに表面的な手法だけを命じられた場合でも、言われた内容だけで成果を出せる人は確かに一部にはいると思います。しかし大半の人にとっては何らかの不具合があるものと思います。この中で成果を上げるには、自分に合った有効策を独自に作り上げることではないでしょうか。一方的に自分に不似合いの策を強制され且つ独自路線を否定された世界では、成果を思う様に出せない人が出て来てもおかしくはないと思います。左記の状況が続き、上司や組織が結果について更なる追求をすれば、次第にその部下や新人営業マン等(該当部署や組織体)は疲弊していくのではないでしょうか。

 よって、時と場合によっては「あたり前の事項」について中身を十分吟味し、その運用についても柔軟対応なのか固持対応なのかなど、状況の把握と適切な対応も気をつけていきたいと考えます。

<あたり前の吟味>
 「あたり前の事項」でまだやっていないことはないか?見過ごしたり忘れている「あたり前の事項」はないか?「あたり前の事項」は出来ているとは思われるがそれで十分なのか?まだ改善できることはないか?自分のみならず組織全体でも十分行き亘っているのか?他人・他社の「あたり前の事項」と比べて問題はないか?いつもやりながら惰性で緩慢になっていないか?出来ていることに対して傲慢になっていないか?あたり前をやっていて、ちょっと変だなと思うことはないか?その際見過ごさずに立ち止まって考えないのか?・・・左記のマインドを常に以って毎日の活動をしなければ「あたり前」経営の良さが発揮されないと思います。

<自分が過去経験したお恥ずかしい事例・話。少し長いです。>
 私の銀行員の新人時代の話を恥ずかしながらお話し致します。私は大学時代あまりアルバイトをしておらず、日中は大学の講義をフルに受講し、夜間はDISCOだの居酒屋だのと遊び呆けていました(経験したアルバイトといえば、見本市の絨毯引き、ゴキブリ退治、家庭教師、百貨店の裏方、工務店のお手伝い、実家紳士服店の朝晩の商品出し・店舗掃除など)。日々遊んだだけの大学生活で「営業」というものがそもそもわからず、社会人の新人時代のみならず自営業をしている今においても「営業」というものは本当に苦手だと感じています。今から35年超前の入行1・2年目のこと、夏・冬のボーナス時期は全店挙げての預金獲得シーズンでした。リスト(一定時期の普通預金残高が掲載)を渡され、「これで電話工作しろ。とにかく達成だ。100%と勘違いするな。皆、目標の2倍・3倍取って来るぞ。」と言われました。日中はグループ大企業の各種工場や大規模学校法人・地元商店等の集配金に追われ、夕方に支店に戻って現物(通帳・現金手形小切手)を金庫に格納します。午後6~7時半ころに電話工作して夜間外訪、預金獲得という形の預金獲得営業しておりました。・・・勿論現在はこのようなことは厳禁です。一方諸先輩達は大口取引先を担当しており、いろんな形で億単位の預金を獲得します(詳細は問題があるのでここでは割愛)。私はいつも目標が未達で「営業会議」で絞られました。「おまえは訪問件数が少ない。」「常に材料先(実績に結びつくお客様)の発掘をしていない。」「リストを片っ端から電話しているのか?」「営業トークが駄目だろ。」「やる気あるのか?」などなど叱られました。営業のイロハを教えているハズだと上司や先輩は思っています。しかし、ハテ?と私は思いました。

 リストに電話する・担当顧客にセールスする(但し私の顧客の主担当は先輩)・商品を学ぶ・・・、確かにこの程度は教えてもらいました。これだけをひたすらやっていても成績は上がりません。セールスのイロハではありません。データの深堀りもしておらず、お客様分析もしておらず、セールス話法と顧客の落としどころの攻め方や効果的な時間差工作、誘導方法など全く知りませんでした。売れるハズがありません。そもそも営業マニュアルというものがありませんでした(Mバンク)。Sバンクは、A3版の紙で100ページ近いマニュアルがありました。とある機会で入手して驚愕しました。営業マニュアルは、剣道・柔道・空手など武道でいう「形(型)」にあたります。マニュアル至上主義は駄目ですが、形(型)を身に着け、更に努力をした先で革新的な工夫や改善が出来ます。マニュアルがいかに大事かご理解されている方が多いと思います。その後の地主新規工作においても2年間実績ゼロという悲惨なことがありました。しかしながらなんとか独自のツールを自分で開発して乗り切りました。融資提案の型(あたり前の型)が自分なりに出来たからです。
 結局、これが営業の「あたり前」というあたり前なのか、本当の意味で励行する「あたり前」なのかよくよく考えないといけないと今更ながら思います。

<銀行員時代の「あたり前」がその後、あまりに良かったことは?>

 私がかつて勤務していた銀行では三唱という言葉を課毎に行う朝礼や支店全体の朝礼がありました。その締めくくりに、「三唱」を全員で唱和します。「いらっしゃいませ。」「お待たせいたしました。」「ありがとうございました。」が三唱です。これを今迄何回唱和したか。数え切れません。しかしながら、その結果、自然とどんな繁忙時でも「いらっしゃいませ。」と難なく言えるようになります。他の業種の仕事をするようになってもサラッと口から言葉が出てきます。これは財産です。私の妻も元銀行員ですが、他業種の仕事をしていても「いらっしゃいませ」「お待たせ致しました」「ありがとうございました」を難なく、心を込めてサラッと大きな声で言えるのには職場の同僚の方から驚かれる様です。

 <銀行員時代の「あたり前」が、今ではちょっと問題かと思うこと>

 それは、銀行員のものの見方・考え方の習性・習癖です。常に物事に対して、リスクは?問題点は?とネガティブな発想を「自然と」してしまうことです。始めから駄目な状態や最悪の結果になった場合を想定して考えるという習癖が未だに抜けません。しかも自分が社長だったらどうするかというシュミレーションを勝手にします。これは第三者から見れば【要らぬお世話】です。もっと視野を広くして、Good Job!を見るようにしないと見誤ります。

<脱線した話を元に戻します>

 今井先生のお言葉に「あたり前は創るもの」というお言葉があります。「あたり前に行うべきもの」を自分で設定し、その「あたり前」を「あたり前」に出来るように自身を創っていくということだと思います。私は、この理論に「常に自分(自社)を見つめ直し、もっとよりよい未来にするために、やるべきこと、やっていないことを確認して、極くあたり前に出来るようにあたり前を励行する」のが「あたり前」経営だと付け加えさせて頂きたいです。

 以上で第3回を終了します。

本
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
 メガバンク21年勤務(個人富裕層担当・新規開拓班)後、行政書士として独立し、難案件(公益財団移行に伴う組織改革、55年に亘る8行とのバンクミーティング、数年難航の生産緑地解除など)の変わった実績も有り。
 コア・イデオロギー:組織関係無し、世の為、人の為に貢献する。
 
【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
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■【経営コンサルタントのつぶやき】 「あたりまえ経営のすすめ」への読者コメント紹介

2025-02-26 10:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

 

  ■【経営コンサルタントのつぶやき】 「あたりまえ経営のすすめ」への読者コメント紹介 

 

 経営コンサルタントとして感じたことを「つぶやき」として、毎日複数のブログでお届けしています。
 本日は、次のようなことをつぶやきました。
■「あたりまえ経営のすすめ」への読者コメント紹介
 私は、半世紀の長年にわたって経営コンサルタント業をやってきていますが、その基本は「あたり前のことがあたり前にできる企業創り」です。
 「高い金を出して〃あたり前〃のことを教えてもらうために、コンサルタントに依頼するつもりはない」というお叱りをしばしば受けます。それでも「あたり前は〃廻っている〃」とガリレオのごとく言い続けています。
 そのような、私の言葉に反応してくださった、経営士・コンサルタントであり、行政書士のW先生が、Facebookで下記のようなコメントを下さいました。私が言い足りないことを補足してくださっていますので、ご紹介します。

◇「あたり前のことがあたり前にできる企業は成長する」!
 これこそ究極の真理と思います。トリセツがなぜ存在するのか。なぜ新入社員に基本を教えるのか。なぜ取締役になっても勉強をし続けないといけないのか。なぜ職場が乱雑だと生産性が落ちるのか。なぜ挨拶やマナーが出来ていないと売上が伸びないのか。何から何まで、キチーット出来ているでしょうか?
 案件獲得に成功したからといって褒めるだけで良いのか?
 なぜ成功方法を皆で共有し「まねぶ」しないのか。なぜ早急に「まねぶ」するだけでなく、もっと良い事例事案を社員自ら作っていく活動にならないのか?
 いくらでも、なぜ、なぜ、なぜ・・・はあります。
 頭では「やってあたり前」なのに、なぜやらないのか?
 あたり前を馬鹿にする人は、あたり前がわかっていないし、あたり前をやっていないと思います。
 あたり前が出来る人は、自分自身を見つめて、常に他の人の良いところを盗み、自分は出来ているかを反省し、他の人があたり前に出来ている様に努力します。
 でも、本当に大事なのは、他の人の良い処ばかりに踊らされるのではなく、自分が本当にすべきことやらなければいけないことをしっかり出来ているかを自分でチェックし、自分で改善すること。
 「自社の強みはー」や「戦略はー」ばかりが目立ちますがいくらでも身の回りを見れば、やっていないこと、できていないことが山積みです。
 建設現場や各種専門工事で事務所の改修工事であっても工事をする現場の職員は、「職人であり、かつ営業マン、広告物」ですよと、私は伝えています。
 元請けから、他の工事会社の親方から見られています。一般のお客様から見られています。それもニーズ(需要)のある所が見ています。だからこそ、言葉遣い、態度、綺麗な仕上がり、ゴミの少なさ・・・、あたり前にすべきことをやらないといけません。コミュニケーションは挨拶や言葉遣いから始まります。
 AIの先端技術を開発する事業じゃないからといっておろそかにできないのが現実の一つ一つの仕事です。
 こんなの低レベルで、あったりまえじゃん、と小馬鹿にする人に大きな仕事を任せられません。
 人の行動や態度が、即、ブランドに直結します。
 社員は人的資本という棚卸資産ではなく、しっかり稼働する組織の手足です。学者的な理屈もわかりますが、それでは中小企業経営者には理解できません。
 抽象的な世界の概念や観念は理解しづらいのが経営者でもあります。だからこそ、コンサルが?み砕いて話さないといけないと思います。
 あたり前経営という重要概念を理解してもらうためにも日本最古の経営コンサルタント団体は努力すべきかと思います。
 なぜこんなに自分は熱くなってしまうのでしょうか・・・。
 お恥ずかしい・・・・。 
 【カシャリ! ひとり旅】を映像にして紹介しています。
   ユーチューブで見
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■【若狹の生意気言ってすみません!】 知的資産経営について、やっぱり言いたいことがある! 

2025-02-11 12:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

本  ■【若狹の生意気言ってすみません!】 知的資産経営について、やっぱり言いたいことがある!  

 日本で最初にできた経営コンサルタント団体である「日本経営士協会」は、戦後復興期に当時の通商産業省(現在の経済産業省)や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくして誕生しました。
 「専門業の異業種交流会」の異名を持つ、この団体ですので、いろいろな分野の専門家が集まる組織です。
 この度、同協会の会員で経営士であり、行政書士としてもご活躍の若狭晃司先生にもご執筆をお願いできることになりました。令和7年1月より、毎月第二火曜日正午の発信で皆様のところにお届けします。
■    ご挨拶 <若狹の生意気言ってすみません!>
 特定非営利活動法人「日本経営士協会」首都圏支部の経営士 若狹晃司です。
 今回より、経営士のブログに私の経営士として日常考えたこと、感じていることをラフなスタイルで掲載させて頂きます。「生意気なヤツ!」と言われるのを覚悟で出来る限り本音のお話をしたいと思います(コーナー名も「若狹の生意気言ってすみません!」としました)。
■    【若狹の生意気言ってすみません!】 No.2
 ~~~ 知的資産経営について、やっぱり言いたいことがある! ~~~

 今回(第2回)は知的資産経営について、次回(第3回)はローカルベンチマークについて、その後は成長デザインシートについて書こうと思っていました。書いているうちに「これは違うぞ(従来の理論ではアカンぞ!)。現実の経営者にとっても、経営を評価して融資や投資をする側にとってもこれは違うのではないか?」という気持ちが湧いて来ました。

 知的資産の説明や人的・構造・関係資産の3分類やSWOT分析&戦略策定という流れやKPI設定とか、確かにいろいろあります。確かに様々な論者がいろんな角度、いろんな観点で強みの発見方法等も含めて論じています。

 しかし結局、外れていることがあります。事業そのものの目利きの観点が弱いのではないかと。何が儲けの本当のポイント(ビジネスモデルの核心)で、何がお客様から支持されているのか、ここに焦点を相当絞って、もっと分析すべきだと思います。お客様が喜び支持しているその何かを、継続して提供し続けている事実について詳細に学び、実務を担う社員や組織についても深い考察をするのが本来の知的資産の探求だと思います。

 が、本当に出来ていますか?という疑問です。ビジネスモデル自体の特徴や限界、ビジネスモデルが実際に機能する為にどう工夫しているかなど、お客様から十分把握出来ていないことが多いのではと感じています。お金を出す側の金融機関や投資機関についてもこれで本当に納得させることが出来るのだろうかと疑問です(彼らが実際には理解しようとすらしていないことが本当の原因ではあります)。

 また、KPI一つとっても知的資産経営を支援するコンサルタント側が組織内部の意思決定の深部まで理解しているのだろうかと不思議に感じています。まして、経営理念という概念においては経営者の哲学的な思想がいかに従業員の実際の実務や行動にどう影響し結果が生まれているかなど、相当の時間をかけて分析していかなければ何もわからないハズです。綺麗事でサラッとスルーしているだけの論者や支援者が多い気がします。

 ビジネスモデルや儲ける仕組み、お客様が支持する仕組み、それを生産する組織、働く人の協働の問題、さまざまな要因がすべて係るのが知的資産経営の分野ではないでしょうか。非常に手間暇がかかる大変なコンサルタント業務ということがわかります。

 さらに、SWOT分析にも言及するなら、「なぜお客様はこの会社が好きなのか?」「どのような顧客提供価値なのか?」という本質がよくわかっていなければ、SWOTの結果導いた戦略もコンサルタントの独りよがりになりかねないと感じます。


 私は、建設業の会社に関する知的資産経営分析について発表しているセミナーをいくつか受講しました。その支援者は、建設業に関してあまり深い知見は無いように見えました。お客様の今後の抱負や方針、野心などをきめ細かくヒアリングしているのは素晴らしいと思いました。しかし、基本的な建設業の業界の仕組みや更に社長の案件の獲得方法やその癖などが本当にわかっているのだろうかという気持ちになりました。

 建設業の事業性評価をする場合の話をします。事業内容が、土木工事なのか建築工事なのかでビジネスモデルがBtoBかBtoCに分けられ、別分野となります。また、下請か元請かにより、公共工事・民間工事のどちらを中心にしているのか、これだけでも企業の戦略は変わってきます。

 民間工事の巨大設備を下請で担当する場合であっても、業務プロセスとして設計前のコンセプト段階から元請と一緒に検討をしているのか否か、コミュニケーションや段取り・スピードなどの違いなどを含めますと、会社によってかなりの差異が出てきます。技術技能水準や工事の効率性や完成検査のレベル、外注管理や資材発注管理、などなど単純に業務フローを追いやすいですが、その中に隠れた見えない差異を発見するのがコンサルの仕事です。

 営業一つ取ってもBtoBの工事案件が中心であれば、受注のキーマンにどうやってコンタクトを取り、案件を取り込めるが営業のポイントとなりますが、人脈を使うにしろ、出身大学なのか、地元有力者の紹介なのかなど様々な方法があり、そのスタイルまで踏み込まなければ特徴は見出せません。

 癖だってあります。赤字工事が多く、赤字決算が必至の場合、どうやって最終的に黒字決算にする方法(要はなんとかして利幅の高い工事を取って赤字にはしない)など、本当の機密事項を教える訳がありません。こういった事がわかっていなければ例え零細企業であってもその戦略がなんでこうやっているかという基本の所から理解できていないことになります。

 更にいいますと、この零細企業は、何が優れており、儲けるポイントになっているのか、そのビジネスモデル(儲ける仕組み)にまで昇華した特徴は「こうです!」と言えなければいくら分析しても的外れではないだろうかと感じます。ストーリーとしての競争戦略が一時期注目された理由でもあります。

 しかしながらストーリー(事業の儲ける仕組み)がいくら出来ていても、実際の現場で従業員・仕入れ先・金融機関が力を合わせて協働しなければ何も産み出せません。事業の儲ける仕組みも大事ですし、内部の体制も大事ですが、実際の経営においてさらに大事なことは、組織に経営理念(魂)を吹き込み、現場の従業員の心に火をつけなければ事は成し遂げられないです。経営理念とまで言わなくとも、実際に社員が社長について来てくれなければ仕事は何も完成できません。

 歴史を鑑みればその例は幾多もあります。知的資産経営報告書とか成長デザインシートは自分自身を認識するシートでありますが、報告書なりシートを本当に経営に活かしているのだろうか、疑問が残ります。融資・投資の効果であっても必ずしも全面的に利用しているとは言えません。

 書類で人は動きません。人を動かすには泥臭いことが多々あって始めて効果があるように感じます。


 厳しい事ばかり言いましたが、コンサルティングに、お客様がお金を払う理由というのは。以上のような深い思索が出来て、且つお客様がハッと気づいてくれるまで労を惜しまず頑張るからだと思います。

 ここで事業承継の話題に移ります。事業承継で知的資産経営を活用するという論点を言われる方が多いですし、自分もそう考えていますが、それでも肝心な事があります。「承継するものは何?」ということです。

 承継の問題に於ける株式や決定権の承継や物的資産の承継はごく自然で当然のことです。悩ましく困難な問題として、従業員の承継であり(従業員に認めてもらう)、金融取引の承継(金融機関に認めてもらう)であり、仕入れ先の承継であり(調達先に認めてもらう)、そしてお客様の承継(利益の源泉であり組織存在の根本となる)が極めて重要だと思います。

 お客様が求めて来た商品・サービスを従来通りに、また従来以上に提供する能力がなければ、その組織はお客様にとっては不要です。お客様から支持されているポイントは何かを把握していなければ、出来上がるものは別のものになってしまいます。

 組織の力も同じことです。何をもって組織を動かしてきたのか、理解しなければいけませんし、自分自身はどうやって纏めて行き、動かすのかも伝えなければ何もできません。働いて産み出すのは従業員あってのことです。知的資産の3分類で満足したり、自分の会社は良い処があるという自己自慢だけであったりしては、思ったように生産できませんし、売上も伸ばせません。

 SWOT分析もお客様にどうやって支持してもらえるのかという観点をもっと考えて分析していかなければ、単に内部外部環境の変化がという論点でボヤけてしまいます。どうやって突破口を開いて苦境を打開してきたのかという苦労と経験の事実や培ってきた価値観がわからなくて何が見えるというのでしょうか。

 経営者は日々苦しみ、藻掻いています。伴奏支援というのであれば、我々コンサルタント側も切り込む刀を常に磨かないといけない、と私も猛省しています。

 

 正直に言うと私は、あれは駄目、これも駄目と文句ばかりを言う人間です。戦略ストーリーに走るだけでも駄目、知的資産分析&SWOT分析の分析病でも駄目、適当なKPI設定も駄目、がんじがらめのMBO&収益管理も駄目、流行に走るマーケティング病も駄目、欧米至上主義(欧米師匠主義)の組織改革も駄目、・・・・、こんな感じです。

 経営コンサルティング側は、「何か一つを打ち出の小槌にできれば、それを使って盲目的に走る」のではないかと思います。しかし、それをお客様たるクライアントはどう見ているでしょうか。〇〇経営、〇〇戦略、〇〇戦術、〇〇改革、などなど言葉を変え、品を変えて、どうやって売り込むかばかりにしか見えないでしょうか。そんな状態だとお客様は離れていくのではないかと危惧しています。


 コンサルティング全盛時代だからこそ言いたいことがあります。

 御社の現実をしっかり見つめませんか、御社の状態を定期的に確認してみませんか、やるべきことやらないといけないことを先延ばしにしていませんか、変えたいこと改善したいことがあるのに目先の問題で放置していませんか、本当はこんな夢・野心があるのに躊躇し何もしないままにしていませんか、・・・・。こんな問いも有りではないかと思います。

 究極は「当たり前のことが当たり前に出来ていますか?」ではないかと思います。いきなりトヨタにはなれませんし、いきなりテスラにもなれません。強みがなくとも改善して当たり前にできるようになれば、それは強みになります。

 健康管理を経営に活かした健康経営も中小・零細企業では殆ど普及していません。お客様の実態・現実、お客様の現場をよく見て、お客様に合わせたメニューになるよう工夫しないとお金を払いたくないでしょう。売れないと嘆く前に、極当たり前のことが出来ていないと思います。当たり前であっても、当たり前をやるべきことをやっていないのがコンサルタントや支援者(組織含む)ではないかと思います。私も出来ていない支援者の一人です。・・・私こそ、コンサルタントとして「当たり前」のことが出来ていません!

 結局、またもや反省文になってしまいました。オチが無く申し訳ございません。今回はこれにて終了致します。

本
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
 メガバンク21年勤務(個人富裕層担当・新規開拓班)後、行政書士として独立し、難案件(公益財団移行に伴う組織改革、55年に亘る8行とのバンクミーティング、数年難航の生産緑地解除など)の変わった実績も有り。
 コア・イデオロギー:組織関係無し、世の為、人の為に貢献する。
 
【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
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■【若狹の生意気言ってすみません!】 最近の就職活動で感じることから「当たり前経営」まで

2025-01-14 12:03:00 | 【心 de 経営】 生意気言ってすみません

本  ■【若狹の生意気言ってすみません!】 最近の就職活動で感じることから「当たり前経営」まで 


 日本で最初にできた経営コンサルタント団体である「日本経営士協会」は、戦後復興期に当時の通商産業省(現在の経済産業省)や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくして誕生しました。
 「専門業の異業種交流会」の異名を持つ、この団体ですので、いろいろな分野の専門家が集まる組織です。
 この度、同協会の会員で経営士であり、行政書士としてもご活躍の若狭晃司先生にもご執筆をお願いできることになりました。令和7年1月より、毎月第二火曜日正午の発信で皆様のところにお届けします。

■    ご挨拶 <若狹の生意気言ってすみません!>
 特定非営利活動法人「日本経営士協会」首都圏支部の経営士 若狹晃司です。
 今回より、経営士のブログに私の経営士として日常考えたこと、感じていることをラフなスタイルで掲載させて頂きます。「生意気なヤツ!」と言われるのを覚悟で出来る限り本音のお話をしたいと思います(コーナー名も「若狹の生意気言ってすみません!」としました)。

■    【若狹の生意気言ってすみません!】 No.1
 ~~~ 最近の就職活動で感じることから「当たり前経営」まで ~~~

 37年前の私の就職活動の話です。バブル直前期で好景気に沸き、売り手市場の良い時期でした。内定が決まると「拘束」という名の接待があり、食事会・飲み会・映画鑑賞・テーマパークなど内定者にとっては大学4年生の暇な時期も相まって楽しいひと時を経験しました。
 私の就職時代から数年後のバブル崩壊以降、訪問解禁一斉面接や先輩を個別訪問するというやり方が大幅に変わり、エントリーシートで応募することが原則となり、近年大手企業ではインターシップ制が導入されるようになっており、就職に関する活動期間も大学3年生の夏前後から4年生秋頃まで大幅に長期化している模様です。
 人口減少かつ若者の人口減・人手不足の深刻化も相まって、転職紹介会社やサイトが数多く作られ、大学生の意識も「可能な限り終身雇用を志向する」から「転職が当り前」という意識に変わったと思います。また、大手の会社に就職できると「オレたちは勝ち組だ」と勘違いされる方も散見されると感じます。
 社内のパワハラ等が問題となる一方で、「社員をキッチリ育成すること」と「パワハラと評価されること」とを管理する側が混同し、社員教育・管理がユルユルとなり、反って若手社員に「これで自分は職業人として成長できるのだろうか?」という不安を助長し、転職を誘発しているケースもあると聞いています。
 大手企業ですら即戦力の求人転職広告を大量に打っており、これは「社員教育は会社が行うのではなく自己責任で自分がやるもの」という風潮を招いている気がします。
 コンサルタントや評論家が、「これからは人的資本経営が重要だ!」と言いながら、本当の意味での組織に必要な人材の育成が上記の状況の中、着実に出来ているとは到底思えません。そればかりか、経営トップすら経営の品質が劣化している恐れがあるかもしれないと個人的な感想です。
「経営(マネジメント)」に万能薬も絶対解もございません。
 翻って、経営コンサルタントも流行手法・流行語に踊らされ、いかに目立つか・いかに自分が際立つかに囚われている様な気がします。
 毎日が「経営」であり、現場も毎日稼働しており、全ての従業員が働いている現実があり、足元をしっかり地面に着けたものの見方は失ってはならないと自分も含めて心を払うべきだと感じます。
 毎日が「経営」とは、当たり前のことが出来る「経営」という意味に繋がり、「当たり前のことが当たり前に出来ているか?」と自問自答することにも繋がります。当たり前経営が実は奥が深いということです。今こそ見直すべきかと。

 長文になり恐縮です。
 新年が新しい良い年になるよう祈念致して、第1回を終了します。
 ★生意気言ってすみません!!!★(第1回)

 次回は、「知的資産経営について考える」を予定しています。
本
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
 メガバンク21年勤務(個人富裕層担当・新規開拓班)後、行政書士として独立し、難案件(公益財団移行に伴う組織改革、55年に亘る8行とのバンクミーティング、数年難航の生産緑地解除など)の変わった実績も有り。
 コア・イデオロギー:組織関係無し、世の為、人の為に貢献する。

【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
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 経営コンサルタントを目指す人の多くが見るというサイトです。経営コンサルタント歴半世紀の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。
 

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