ひねり技がひと回り増えているのを見落とす誤審が、世界体操であった。結果オーライで修正されたものの、かなり危ない話だ。ネックとなるいちばんの要因は、審査員に誰ひとりウルトラE級以上のワザをやった経験者がいないこと。すると彼らの評価とは図面上の当て込みにしか過ぎず、ニュアンスやディテールを測る尺度がたとえば「コールマン」なるものの出現以前の感覚で、足先とかばかりに集中しているうち、あれれっとなっちゃうのでは。それにしてもワザの多様化と高速化が凄かった。「後方かかえ込み3回宙返り降り」ならぴんと来ても、「正交差1/4ひねり把手上倒立経過振り下ろし開脚支持」とは一体何なんだと。あん馬だそうだ(写真はオフィシャル・サイトから拝借)。