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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

『aja』試聴会

2010-09-11 14:05:13 | ●Audio&Visual
 昨日、田中伊佐資さん宅に持ち込んだ『aja』は16種16枚。巨匠こと山本博道さんのはたしか2、3枚だったか、それにしてもマトリクス末尾が「1A」揃いを、この日のために改めて買い直したとは頭が下がった。そういう中から、最終的に僕の一存で次の8枚に絞って聴いた。1stプレス・グループは噂通り本当に強豪なのか、高音質盤を謳う4枚はその通り高音質なのか。要は、僕がこれらをひとつも持っていない時にわき起こった素朴な疑問をフックにしている。以下、8枚のマトリクス・ナンバー。

■1st プレス・グループと見なせるAB-1006盤4枚
1.巨匠と僕ので2枚
A面●AB 1006(RE-3)-A 1A
B面●--------------B 1A

2.
A面●AB 1006(RE-3)-A 掻き消し 1B
B面●--------------B 掻き消し 1D

3.
A面●AB 1006(RE-3)-A T5
B面●--------------B T4

4.
A面●英国国旗の刻印 AB 1006(RE-3)- A K2 1D
B面●-----------------------------B 1C

■高音質盤を標榜する4枚
1.米Mobile Fidelity Sound Lab.(MFSL 1-033)
A面:MFSL-1-033-A3A SR/2 ORTOFON 30-May-80 132
B面:-----------B3A----------------------------

2.英Simply Vinyl(SVLP-0030)180g盤
A面:SVLP 0030 A-01-01-1
B面:----------B--------

3.米CISCO MUSIC INC.(CLP-1006)180g盤 Serial No.:7076
A面:CLP-1006-A MR RECORD & DR GROOVE PAT. 14813.1131
B面:---------B---------------------------------------
(かろうじてこう読める、というだけで、その通りかは定かではない)

4.日本ユニバーサル・ミュージック(UIJY-9010)200g盤
A面:UIJY-9010A
B面:---------B

 

 結果は噂通り、マトリクス末尾が「1A」揃いの圧勝だった。エッジがシャープで奥行き深く、バスドラやエレベの野太さや沈み込みもたっぷりで、音楽がエネルギッシュで生き生きしている。そして、そのことは「英国国旗入り」以外にほぼ共通していて、異常なまでに神経質にならなければ、「1B/1D」も「T5/T4」もこのグループにしかない色と味を携えているのは間違いなかった。「国旗入り」はそれに比べ、うっすら1枚ベールをかぶった感じだ。
 高音質標榜グループでは、まったくもって音楽的としか言いようのないMobile Fidelity盤、これはSHM仕様のSA-CDが出た今でも持っていたいと。いや、手放せなくなる音がしている。と言うのも、ほかの重量盤3枚が、期待したほど鳴ってくれなかったからだが、このしなやかな音圧の表現は独創的としか言いようがない。それに比べ、CISCOの180g盤は華やかさをグンと上げるが、一方でこれならSA-CDでいいんじゃない、との?マークが目の前をちらつき始めた。Simply Vinyl盤の平板さは僕にはちょっとなあと。ユニバーサル盤は200gの「最重量級」が、もっと大胆に力感と手を組んで欲しかった、などなど。三人の評価が三方向バラバラになることは一度もなし。ウチの安普請オーディオとの食い違いも起きなかった。
 それに比べ、試しに持ち寄った『ナイトフライ/ドナルド・フェイゲン』の方は、大きく意見が割れそうだ。通常盤、ターコイズ、QUIEXⅡ、180g重量盤、見本白盤のほかに、片面のみのテスト・プレス、30cmシングル、ドーナツ盤数種など、どれも一貫した水準越しのレベルをキープしているからだ。とはいえ、この際だから、いつの日か挑戦しないわけにはいかない。

     

●アナログ再生装置●オルトフォンKontrapunkt b + サエクWE-407/23 + アコースティックソリッドMPX●EAR 834P●DEQX HDP3●出水電器ALLION S-100●同M-300●JBL、BMS製ユニットとウッドウィル製エンクロージャーを使用したオリジナル・スピーカー・システム●ターンテーブルのちょうど真上奥に浮かんで見えるのは、ルームイコライザーのAirStage1 Ti。これをウチで試した時のことが、今月売りの『Stereo』誌の記事に出てくるかも知れない。