勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

天使の分け前 / The Angels' Share

2013年04月21日 | 洋画(イギリス系)
原題に使われている“Angels' Share”とは、劇中でも説明がある通り、ウィスキーを樽で熟成させる際、空気中に自然に蒸発していく分の事。毎年2~4%蒸発していくといわれるので、10年も熟成させると結構な量が蒸発していっているんですよね。

でも、こう来るか。そうか、そういう事ね。日本的な発想で行くと、不良だった青年が、子供が生まれたことを契機に真面目に更生していくと言う、お涙頂戴的なストーリーになるんでしょうけど、イギリス人が考えると、素直にそう言う感じにはならないんですね~。でも、それならそれで、イギリス人らしく、もっと笑える所があっても良かったかなぁと思います。逆に、ああ言う、クスクス笑う所はあるものの、現実をシニカルに見つめるという所がイギリス的なんですかね?

英語を聞いていると、弁護士・裁判官という人たちは、クイーンズ・イングリッシュを話すわけですが、この物語のその他の登場人物たちは、非常に訛った、ぶっちゃけ何を言っているのかが不明な英語であったりして、階級社会イギリスを意識させられます。舞台はスコットランドなので、もしかしたら、弁護士・裁判官は支配階級=イングランドで、その他の登場人物たちは被支配階級=スコットランドと言う表現なんでしょうか?

それにしても、ウィスキーも、ワインのような表現で語ると言うことは、新たな驚き。まぁ、そうですよね。テイスティングと言う行為があるんだから、表現方法も有るわけで、それは他の酒類を似ていてもおかしくはないですよね。興味深かったです。

タイトル 天使の分け前 / 原題 The Angels' Share
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/イギリス・フランス・ベルギー・イタリア
監督 ケン・ローチ
出演 ポール・ブラニガン(ロビー)、ジョン・ヘンショウ(ハリー)、ゲイリー・メイトランド(アルバート)、ウィリアム・ルアン(ライノ)、ジャスミン・リギンズ(モー)、シボーン・ライリー(レオニー)、チャーリー・マクリーン(ロリー・マカリスター)、ロジャー・アラムタ(デウス)

[2013/04/21]鑑賞・投稿