アメリカで最も愛される大統領で、日本でも奴隷解放という歴史的偉業を成し遂げ、そして、アメリカ史上初めて暗殺された大統領として知られているエイブラハム・リンカーン。この映画では、奴隷解放を定めたアメリカ合衆国憲法修正第十三条の下院での可決に掛けた、リンカーンの情熱を描いている。
冒頭、このあたりの歴史的事情に疎い日本人のために、監督のスピルバーグ自身による、歴史的背景の説明があります。確かに、それが有るのと無いのでは、何をしようとしているのかの理解は、全然違うでしょうね。
改めて、南北戦争と奴隷解放、そして、リンカーン暗殺を時系列で示すと下記の通り。
1861年3月4日 エイブラハム・リンカーン第16代アメリカ合衆国大統領就任
1861年4月12日 南北戦争開戦
1862年9月22日 奴隷解放宣言(1回目)
1863年1月1日 奴隷解放宣言(2回目)
1863年7月1日~7月3日 ゲティスバーグの戦い
1865年1月31日 アメリカ合衆国憲法修正第13条議会可決<-今回の映画の話
1865年3月4日 二期目就任
1865年4月9日 南北戦争終結
1865年4月15日 エイブラハム・リンカーン暗殺
と言う事で、日本でも有名なゲティスバーグの戦い(と、演説)よりも、後の出来事を映画では描いているんですよね。劇中、ゲティスバーグでの演説を聞いたと兵士たちが言っていて、しかも、暗唱しているので、そのことは自明ですが。
実は、映画で描かれているのは、たった28日間の話なんですよね。もっと長いような気がしますが。それだけ、濃密な議論が当時のアメリカ国内で行われていたということなんだと思います。
現代の人間から見ると、奴隷解放という偉業を成し遂げたリンカーンは、名大統領と呼ばれるわけですが、当時の人々から見ると、強引と思った人々が少なからず存在したのでしょう。それが故に、暗殺された時「Thus always to tyrants.(常にかくあれ、圧政者には)」と言われたんだと思います。今のTPPへの参加とかも同じ感じなのかもね。時代を経て、上手く行っていれば安倍総理は歴史に名を残す名総理だし、失敗したらヘボ総理になるわけです。
ところで、現代においても、大統領側が特定の法案を議会で通したい時は議会の説得工作を行います。流石に、職を提供するような、露骨な利益誘導はしないと思いますが、WIN-WINの関係でないと相互の利益にはならないでしょうから、どう言う交渉が行われているか、興味深い所ではあります。
さて、冒頭、戦闘シーンから始まるんですが、『プライベート・ライアン』で見せたような、色合いを落とした映像で、戦争の悲惨さなどを浮き彫りにする演出をしています。時代が時代なので、リアルな肉弾戦ですね。
それと、ダニエル・デイ=ルイスですよ! いやぁ、リンカーンは教科書などでも我々は顔を知っているわけですが、そっくりですね。ビックリです。ただ、そっくりなメイクだけではアカデミーの主演男優賞は取れないわけで、憲法修正(そして、戦争の終結)に掛けるリンカーンの情熱を、あたかもリンカーンが乗り移ったかのように演じています。この映画は、彼の熱演に尽きるね。
2013年の第85回アカデミー賞では、主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)とアカデミー美術賞を受賞。同じく2013年第70回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)受賞。その他にも、沢山の賞を受賞しています。
下記で、“アメリカ連合国”と表記しているのは、国際的には正式にその存在を国として認めた諸外国は無いため。もっとも、戦時国際法における交戦団体としては、その存在と地位は認められているようですが。
タイトル リンカーン / 原題 Lincoln
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/アメリカ
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ダニエル・デイ=ルイス(エイブラハム・リンカーン)、トミー・リー・ジョーンズ(ダグラス・スティーブンス/共和党議員)、サリー・フィールド(メアリー・トッド・リンカーン)、ジョセフ・ゴードン=レビット(ロバート・リンカーン)、ガリバー・マクグラス(タッド・リンカーン)、デビッド・ストラザーン(ウィリアム・スワード/国務長官)、ジェームズ・スペイダー(W・N・ビルボ/ロビイスト)、ハル・ホルブルック(プレストン・ブレア)、ジャレッド・ハリス(ユリシーズ・S・グラント)、リー・ペイス(フェルナンド・ウッド/民主党議員)、ピーター・マクロビー(ジョージ・ペンドルトン/民主党議員)、ウォルトン・ゴギンズ(クレイ・ホーキンズ/民主党議員)、マイケル・スタールバーグ(ジョージ・イェーマン/民主党議員)、ジャッキー・アール・ヘイリー(アレキサンダー・スティーブンス/“アメリカ連合国”副大統領)、マイケル・シフレット(R・M・T・ハンター/“アメリカ連合国”前国務長官)、グレゴリー・イッツェン(ジョン・A・キャンベル/“アメリカ連合国”陸軍次官補)
[2013/04/29]鑑賞・投稿
冒頭、このあたりの歴史的事情に疎い日本人のために、監督のスピルバーグ自身による、歴史的背景の説明があります。確かに、それが有るのと無いのでは、何をしようとしているのかの理解は、全然違うでしょうね。
改めて、南北戦争と奴隷解放、そして、リンカーン暗殺を時系列で示すと下記の通り。
1861年3月4日 エイブラハム・リンカーン第16代アメリカ合衆国大統領就任
1861年4月12日 南北戦争開戦
1862年9月22日 奴隷解放宣言(1回目)
1863年1月1日 奴隷解放宣言(2回目)
1863年7月1日~7月3日 ゲティスバーグの戦い
1865年1月31日 アメリカ合衆国憲法修正第13条議会可決<-今回の映画の話
1865年3月4日 二期目就任
1865年4月9日 南北戦争終結
1865年4月15日 エイブラハム・リンカーン暗殺
と言う事で、日本でも有名なゲティスバーグの戦い(と、演説)よりも、後の出来事を映画では描いているんですよね。劇中、ゲティスバーグでの演説を聞いたと兵士たちが言っていて、しかも、暗唱しているので、そのことは自明ですが。
実は、映画で描かれているのは、たった28日間の話なんですよね。もっと長いような気がしますが。それだけ、濃密な議論が当時のアメリカ国内で行われていたということなんだと思います。
現代の人間から見ると、奴隷解放という偉業を成し遂げたリンカーンは、名大統領と呼ばれるわけですが、当時の人々から見ると、強引と思った人々が少なからず存在したのでしょう。それが故に、暗殺された時「Thus always to tyrants.(常にかくあれ、圧政者には)」と言われたんだと思います。今のTPPへの参加とかも同じ感じなのかもね。時代を経て、上手く行っていれば安倍総理は歴史に名を残す名総理だし、失敗したらヘボ総理になるわけです。
ところで、現代においても、大統領側が特定の法案を議会で通したい時は議会の説得工作を行います。流石に、職を提供するような、露骨な利益誘導はしないと思いますが、WIN-WINの関係でないと相互の利益にはならないでしょうから、どう言う交渉が行われているか、興味深い所ではあります。
さて、冒頭、戦闘シーンから始まるんですが、『プライベート・ライアン』で見せたような、色合いを落とした映像で、戦争の悲惨さなどを浮き彫りにする演出をしています。時代が時代なので、リアルな肉弾戦ですね。
それと、ダニエル・デイ=ルイスですよ! いやぁ、リンカーンは教科書などでも我々は顔を知っているわけですが、そっくりですね。ビックリです。ただ、そっくりなメイクだけではアカデミーの主演男優賞は取れないわけで、憲法修正(そして、戦争の終結)に掛けるリンカーンの情熱を、あたかもリンカーンが乗り移ったかのように演じています。この映画は、彼の熱演に尽きるね。
2013年の第85回アカデミー賞では、主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)とアカデミー美術賞を受賞。同じく2013年第70回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)受賞。その他にも、沢山の賞を受賞しています。
下記で、“アメリカ連合国”と表記しているのは、国際的には正式にその存在を国として認めた諸外国は無いため。もっとも、戦時国際法における交戦団体としては、その存在と地位は認められているようですが。
タイトル リンカーン / 原題 Lincoln
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/アメリカ
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ダニエル・デイ=ルイス(エイブラハム・リンカーン)、トミー・リー・ジョーンズ(ダグラス・スティーブンス/共和党議員)、サリー・フィールド(メアリー・トッド・リンカーン)、ジョセフ・ゴードン=レビット(ロバート・リンカーン)、ガリバー・マクグラス(タッド・リンカーン)、デビッド・ストラザーン(ウィリアム・スワード/国務長官)、ジェームズ・スペイダー(W・N・ビルボ/ロビイスト)、ハル・ホルブルック(プレストン・ブレア)、ジャレッド・ハリス(ユリシーズ・S・グラント)、リー・ペイス(フェルナンド・ウッド/民主党議員)、ピーター・マクロビー(ジョージ・ペンドルトン/民主党議員)、ウォルトン・ゴギンズ(クレイ・ホーキンズ/民主党議員)、マイケル・スタールバーグ(ジョージ・イェーマン/民主党議員)、ジャッキー・アール・ヘイリー(アレキサンダー・スティーブンス/“アメリカ連合国”副大統領)、マイケル・シフレット(R・M・T・ハンター/“アメリカ連合国”前国務長官)、グレゴリー・イッツェン(ジョン・A・キャンベル/“アメリカ連合国”陸軍次官補)
[2013/04/29]鑑賞・投稿
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