勝手に映画評

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君がくれたグッドライフ / Hin und weg

2016年05月22日 | 洋画(ドイツ系)
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の青年が、尊厳死の許されているベルギーを目指して、古くからの友人たちと毎年恒例の、そして人生最後の自転車旅行に出かける。

尊厳死という重いテーマを描いた作品です。楽しげなサイクリング旅行の目的としての死なので、その対比が、より悲しくもあります。劇中で一緒にいく仲間達がベルギーに行く真の目的が明かされた後に示した、「何故今まで黙っていたのか」と言う怒りと、大切な友人を亡くしてしまう悲しみ。その落差は、何とも言えません。そうなるだろうなぁ。

自転車旅行の最中の「課題ゲーム」と言う何やら王様ゲーム的な遊びは、死していく友人への餞としての意味合いを持ってしまい、みんな、何とかして課題を果たしていこうとします。ハンネスにとっては、最後の課題ゲームになってしまうんですから、やっぱり自然にそうなるかな。

いやぁ、何とも言えないですよ。もし仮に、自分がそうなったら、あるいは、自分の親しい友人がそうなったらと考えましたが、何とも答えは出ません。出来事を、上手く消化できるのか・・・。自分だったらどうなんだろう?ちょっと考えますよね。

この作品の脚本家アリアーネ・シュレーダーは、これがデビュー作らしいんですが、デビュー作でいきなりこんな素晴らしい作品を書くとは!なんでも、クリスティアン・チューベルトが講師だった大学のセミナーの課題として書いたらしいんですが、書き上げて大学の教授に提出した四時間後には、映画化が決定していたらしいです。

心を打ちます。
泣きます。
考えさせられます。
悲しいですが、人生を全う出来て、良かったのかもしれませんね。

タイトル 君がくれたグッドライフ / 原題 Hin und weg

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2014年/ドイツ
監督 クリスティアン・チューベルト
出演 フロリアン・ダービト・フィッツ(ハンネス)、ユリア・コーシッツ(キキ/ハンネスの妻)、ユルゲン・フォーゲル(ミヒャエル)、ミリアム・シュタイン(ザビーネ/ミヒャエルの(行きずりの)恋人)、フォルカー・ブルッフ(フィン/ハンネスの弟)、ハンネローレ・エルスナー(イレーネ/ハンネスの母)、ビクトリア・マイヤー(マライケ)、ヨハネス・アルマイヤー(ドミ)


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