呉市かまがり天体観測館

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ニュートリノの研究にノーベル賞!

2015-10-07 16:00:10 | 天文ニュース

続々とそれぞれの分野の受賞者が発表される2015年のノーベル賞。

生理・医学賞に続き、物理学賞でも日本人の方が受賞されましたね。

ノーベル賞はダイナマイトの発明者であるアルフレッド・ノーベルの遺言によって、
1901年に作られた賞で、物理学、化学、生理・医学、文学、平和と、後に作られた
経済学(1968年)の5+1の計6つの分野で顕著な功績のあった発表時に生存して
いる方に贈られる賞です。

今回の物理学賞は、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章氏(とあと1人)が選ばれ
ました。対象となった功績は、世の中を作っている基本的な粒(素粒子)の1つ
であるニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動を発見したことです。

ニュートリノは素粒子の1つですから、この性質が分かれば、世の中がどんな風に
できているのかの理解が進みます。ところが、ニュートリノは宇宙にたくさんある
のですが、何でも通り抜けてしまうため、捉えることがとても難しい粒子です。

今、この記事を読んでいる間にもみなさんの体をたくさんのニュートリノが通過
していっているのです。これでは観測装置を作っても、装置自体をすり抜けて
観測できませんね。

何でも通り抜けてしまうニュートリノも、ごくたまに他のモノとぶつかること
があります。衝突の確率を上げるのと、たまにある衝突を見逃さないために、
大きな水槽にたくさんの眼を配置した巨大な観測装置を地下に作り、この稀な
衝突で出てくる光を観測しながら、データをためて、それを検証し、ニュート
リノ振動を確認することで、質量があることを示したのが、今回の受賞対象と
なった研究です。

色んな方のこれまでの積み重ねや継承、周りの協力、ご本人たちの努力が
1つになった結果です。

本当にすばらしいことですね。










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