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呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

HST、35周年に向けて

2025-04-09 13:09:51 | 天文ニュース
2025年4月24日(木)、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が打ち上げから35周年を迎えます。

HSTは口径が2.4m、地上から約600kmのところを周回しながら宇宙を観測し、私たちが
驚くような宇宙像をたくさん届け続けてくれています。

毎年、4月24日の記念日にはお祝い画像を公開していますが、今年は記念日までのカウント
ダウン企画として、毎日、1年目から順番に各年の象徴的な1枚を公開しています。

例えば、14年目の象徴的な1枚はコレです。



らせん星雲(画像:NASA, ESA, STScI)


らせん星雲(NGC 7293)は、みずがめ座の方向、約650光年先にある惑星状星雲(太陽と同じ
くらいの重さの星が一生を終えた後の姿)です。超新星爆発を起こしたわけではなく、周囲に
見えているガスは一生の最終段階で膨れ上がった際にまき散らされたものです。また、中心部分
には白色矮星と呼ばれる、星だった時の芯が残されています。

ワクワクする画像ですね。

HSTがこれまでどんな活躍をしてきたのか、美しい画像を見ながら知っていただければ嬉しいです。

詳しくはこちらへ(英語のページ)
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ふれあい天文学(2025)

2025-04-04 13:09:38 | 天文ニュース

世界の最前線で活躍する天文学者による授業「ふれあい天文学」の実施校を募集中です。

これまでと同様、訪問授業・オンライン授業のどちらでも選択できるようです。

「ふれあい天文学」は、2010年度から開始された事業で、全国の小・中学校を対象に、
国立天文台の天文学者が学校に訪問し授業を行ってくれます。しかも、学校側の金銭的
な負担はありません。

広島県では9年目(2018年度)の時にようやく初の実施校が現れてくれました。授業が
行われたのは、なんと、かま天の地元にある蒲刈小・中学校。そして、これをきっかけに、
蒲刈中学校による「チーム蒲刈☆(ほし)プロジェクト」が始動し、中学生が考えた星空
企画「スマホで月をゲットだぜ!」へと繋がっていきました。

なお、2024年度は、学校単体ではなく、広島県教育委員会が実施してくださいました。

貴重な機会となることは間違いありませんので、生徒たちのために、学校の先生方には
ぜひ応募していただきたいです。保護者の方々から学校にご提案いただくのもよいかも
しれません。

募集の〆切は5月末です。


詳しくは、こちらへ

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世界天文月間(2025)

2025-04-03 12:59:33 | 天文ニュース
毎年、4月の1カ月間は世界天文月間です。

世界天文月間とは、「One people, One sky(一つの空のもと、人々はひとつ)」を
モットーとする国際的NPO組織国境なき天文家たちの主催で、世界中の天文好き
の協力を得ながら行われている世界規模の天文イベントです。

2025年は、4月5日(土) 「世界一斉天体観望会(Global Star Party) 」をメイン
に様々なイベントが企画されています。

かま天ではちょうど定例観察会の日にあたりますので、観察会へもぜひご参加ください。

これを機会に、みなさまも晴れた日にはぜひ夜空を見上げてみてください。

詳しくはこちらへ

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海王星のオーロラ

2025-03-28 13:47:11 | 天文ニュース

先日、海王星にもオーロラが出現することが確認されました。

このオーロラはジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって観測されたもので、
近赤外線によって捉えられた赤外線オーロラです。

これまで、木星、土星、天王星にオーロラが現れることは確認されており、海王星でも
発生することが予想されていましたが、実際に見つかったのは今回が初めてのことです。

ちなみに、オーロラとは太陽から飛んで来た粒子が惑星の磁場に捕らえられ、大気の粒
と衝突して光を発する現象のことです。



画像:NASA, ESA, CSA, STScI, Heidi Hammel(AURA), Henrik Melin(Northumbria University),
   Leigh Fletcher(University of Leicester), Stefanie Milam(NASA-GSFC)


左の画像はハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影した海王星の姿、右の画像はJWSTが撮影
したオーロラが出現している様子をHSTの画像に重ねたものです。青色は大気、白色は雲、
緑がかった部分がオーロラです。

海王星のオーロラは、他の惑星たちと違い、極域ではなく中緯度を中心に現れていること
がわかります。これは海王星の磁極が自転軸に対して47°傾いているためだと考えられて
います。

太陽は約11年の周期で活発な時期とおとなしい時期を繰り返しているので、研究者らは、
この全期間にわたって海王星の様子を探ることを目指しています。

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第7回「日本天文遺産」が決定!

2025-03-20 12:59:49 | 天文ニュース
天文・宇宙に関わる貴重な史料の保護などを目的に設けられた「日本天文遺産」の第7回が決まりました。

認定されたのは、「臨時緯度観測所本館(木村榮記念館) 」、「 三鷹200MHz太陽電波望遠鏡」、「花山天文台
(本館、別館、子午線館)」の3つです。


「臨時緯度観測所本館(木村榮記念館)」は、万国緯度観測事業(ILS)の観測所の1つとして1899(明治32)年に設置
されました。緯度変化に関する国際共同研究のため、北緯39°08′ の緯度線上に設置された世界6か所の観測所の1つ
でした。また、水沢地区に最初に設置された庁舎建物でもありました。この観測所では、1902(明治35)年に初代所長
である木村榮によりZ項(地球の極運動に関する補正項)の発見がなされ、日本人による初めての天文学への画期的貢献
となりました。ほぼ同時期に、気象観測や地震観測も開始され、緯度観測に関わる様々な研究が実施された貴重な建物
であり、緯度観測所を象徴する建物といえます。 何度かの移築や改修、使用用途の変更を経て、現在は、木村榮の業績
を記念する木村榮記念館として整備され、一般に公開されています。


「三鷹200MHz太陽電波望遠鏡」は、日本最初期の電波望遠鏡として三鷹の東京天文台(現国立天文台)で本格的な太陽
電波観測(1949年~1950年代前半)に使用されていたもので、その成果はその後の太陽電波観測に引き継がれ、さらに
宇宙電波の観測へと発展していきました。長期に渡り放置されていましたが、歴史的重要性から、1990(平成2)年頃に
三鷹から国立天文台野辺山宇宙電波観測所へ運搬され、その後、南北の赤道儀架台や極軸などの使用できる部分を生かし
(劣化から使用できなかった部品も保存されている)、2007(平成19)年8月に野辺山観測所構内に復元設置されました。
他の最初期の電波望遠鏡の中で唯一廃棄されず、復元されており、赤道儀架台や極軸には当時使用されていた構造物がその
まま使われているなど、日本の電波天文学黎明期の電波望遠鏡として、当時の面影をよく残している貴重なものです。


「花山天文台(本館、別館、子午線館)」は、京都帝国大学の観測施設として、1929(昭和4)年に花山山(現京都市山科区)
に建設され、山本一清教授が初代天文台長に就任しました。山本は火星及び小惑星の観測や太陽面の研究に取り組んだため、
太陽・太陽系の研究は花山天文台の特色となり、黎明期の日本における観測天体物理学の礎を築くこととなりました。また、
山本が1920(大正9)年に創立した天文アマチュアの組織「天文同好会(現東亜天文学会)」の本部が置かれるなどしたため、
「アマチュア天文学の聖地」として、アマチュア天文学者を育成、天文普及に大きな貢献を果たしました。 現在でもザートリ
ウス社製18cm屈折赤道儀が現役日本最古の望遠鏡として太陽観測に用いられているのをはじめ、大学における教育研究活動、
教育関係者及び高校生などの研修・実習にも広く活用され、また、天文台の一般公開、観望会や講演会など、様々な形のアウト
リーチ活動も行われています。 このように日本の黎明期の観測天体物理学の礎を築いた天文学史上、極めて重要な施設であり、
貴重な動態展示史料ともなっています。


日本各地には貴重な天文史料・史跡が数多く残されているにも関わらず、そのほとんどは貴重なものだと誰にも
気付かれずに朽ち果てようとしています。よく分からない標や石積、柱、やたらと長い直線道路などなど、一見
関係のなさそうなものが凄い史料だったりします。

もしかすると、皆さんの家のそばにもひっそりと天文遺産が眠っているかもしれません。

消えてしまう前に何とかしたいものですね。

詳しくはこちらへ

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