「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

神奈川スリバチ学会監修の横浜・川崎・鎌倉スリバチの達人(昭文社)を読む

2024-06-17 00:12:35 | 本/音楽/映画
wakabyさんという方が紹介されていた「横浜・川崎・鎌倉凹凸地図」という本があって、その従姉妹のような「同スリバチの達人」って本を買ってみた。


神奈川県は県庁所在地の横浜市からして高低差に富んでいるが、そんな神奈川県を高低差に着目していろいろと解説してくれるらしい。

高低差があるところは、川が谷を作り、その谷の上部はスリバチ状の地形ができる。スリバチの達人のスリバチはそれを指している。

こういう本はおもしろい。

その場所が過去どうであって、今どうであるか。その歴史的な変化の原因は地形が理由であることも多い。したがって高低差に富むところは、観察対象として面白い。

なにせあのタモリさんが推薦しているくらいだ。起伏に飛んだ場所が大好きなタモリさんがね。


歩いて楽しい神奈川県。

本日のランチはいつもの得意なやつ。熱々つけ汁につめたいうどん。


ごま油で炒める。


太目のさぬきうどん。


ドガティ君も食べたいらしい。


「おとーさん、うどんちょうだいよ」

さて、調理しながら読む。

鎌倉中心部のことが書いてあるよ。


しかしその中で目立つのが横須賀水道みち。


旧海軍により横須賀軍港へと引かれた送水管が埋設されている道だ。水系はふたつある。以前もご紹介したね。

1.大仏の横を抜けて来る半原系統
2.鶴岡八幡宮の横を抜けて来る有馬系統だ。

こちら(↓)は後者で、地下埋設ではなく、巨福呂坂(新道)の脇にあるずい道だ。ここから一気に標高が下がるところである。



神奈川県北部・中部を水源とするが異なる二つの水系の送水管は、それぞれが藤沢市を経由して鎌倉市へと達して、鎌倉市中心部に向かって切通の近くを抜け標高を下げて行き、海岸に近いこの水道路交差点の地中で、交わるのである。



水道路交差点は鎌倉駅発小坪経由逗子駅行きバス路線のバス停にもなっている。

何気なくあるバス停だが、軍事的に重要な意味を持つ2つの水道系統が交わる場所なのだった。

送水管は、ここから鎌倉と逗子の境界である名越を抜けて逗子へと入り、やがて横須賀へと抜けて行く。


その送水管を埋める道をつけたことは、相当な負担を当時の鎌倉市民に強いた。

左は昔からあるほそい道。右は送水管を敷設した道。その間に細長~~~い土地が出来た。


あちこちに波のマークと「海」(海軍)の字。



面白いのは明治時代の鎌倉。


鎌倉も鎌倉時代はともかく、その後のさびれ方は相当なものだったらしい。

鎌倉が他の街に比べて賑わっていたと言えるのは、実は歴史的にはごく短いのである。そのごく短い期間の歴史があれこれとドラマや物語になり、それを知識として得ることを多くの人が楽しんでいる。

明治36年の測量図(これは国土地理院のもの)ですら、これらしい(↓)。今と比べたら「何もない」と言うに等しいね。八幡宮の前と鎌倉駅前に少し街らしい状態が見える。しかしその周囲は本当にただの広っぱ。そしてそれよりもむしり長谷や坂ノ下あたりが賑わっているようにこの地図からは見受けられる。



そして御用邸はしっかりあるね。鎌倉宮や護良親王陵もしっかり記載があって、明治であることを認識する(笑)。

時代が変わったのである。でもまだ明治時代になってもすごーーくさびれていたのだ。どうして今はこんなに賑わうんでしょ?(笑)

由比ヶ浜の西の端の方に注ぐ稲瀬川と美奈能瀬川は混同されやすく、実際歴史的にもかなり複雑。


ドガティ君が運動する場所でもある。


その稲瀬川で遊びまくるドガティ君。



地形的に面白いのは逆川だが、以前ちょっとご紹介したことがあるね。


豚肉となす。あぁ~おいしそう。


いつ何度作ってもおいしい。

簡単。お手軽な材料。

Dのマーク。ドガティ君の新しいクッション・カバー。


うどんできましたよー。


ドガティ君はここでねんね。


おやつはかりんとうで、ピーナッツを砕いたものがかかっている。


すごくおいしいわ。

またスリバチの達人の話の続き。

こちらは逗子の古道と言われているもの。


面白そうだね。

以前おそらく通ったことがあるはず。

また行ってみようかな。

限界のタワーマンションなんて本も読んだ。


著者の榊淳司さんによれば、世紀の変わり目あたりからどんどん建てられて来た超高層マンション(=タワマン)は将来の大規模修繕のコストが払えなくなり、二度目、三度目の大規模修繕で管理が立ち行かなくなる可能性が高いらしい。

1990年代の終わりから2005年あたりまでに建ったタワマンは最初の大規模修繕を終えたところが多いが、管理組合は次回以降の大規模修繕費用の積み立て不足をすでに憂い、だからと言って月々の積み立て金額を簡単には引き上げられず、しかも工賃や材料費は高騰しているので、計算上の積み立て不足はどんどん深刻化する。

積み立て不足が出た場合、高齢化して行く居住者の間で、お金を拠出することについての合意形成は困難になる。15年~30年後に年金生活者となった住民にいきなり「お金が足りないので各戸500万円用意してください」と呼び掛けても無理だろうからね。
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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (鎌倉山のおじさん)
2024-06-17 00:15:21
この本面白そうですな。高低差のあるところの解説とは、おちゃさんのためにあるような。私も買ってみます。
返信する
Unknown (ユーアイネットショップ店長うちまる)
2024-06-17 04:46:34
週末は佐賀市に行きます。
ブラタモリでも紹介された街で明治維新の
薩長土肥の肥前。
時間があれば取材します。
返信する
Unknown (おちゃ)
2024-06-17 05:20:22
鎌倉山さん

はい、とても面白い本でした。昨日読み終わり
ました。横浜市にお住まいの方など、近隣の
ことがいろいろ出ているかも。

鎌倉逗子横須賀も記載が多かったです。
神奈川県ってやはり起伏に飛んでますね。
横須賀線から見る横浜市も斜面まで家が
ぎっしりですから。
返信する
Unknown (おちゃ)
2024-06-17 05:23:39
うちまるさん

今度は佐賀市ですか。
うちまるさんは本州より、九州へのお仕事が
多いですね。でも佐賀市は、鹿児島県内各所
へ行くよりは少しは楽かな。

でもいずれにしてもいろいろと大変かと
思います。深夜早朝の移動も多そうで、
気を付けてください。

佐賀県は今は地味ですが(笑)、とても
立派なお土地柄。鍋島藩の時代から、
とってもアカデミックで最新工学にも
長けていた。

焼き物もハイレベルですね。
取材、楽しみにしております。
返信する
Unknown (信州タケノコ)
2024-06-17 09:00:42
こういう本をサッと買って楽しむところがおちゃさんらしい。すでにご存知のことも多いでしょうが、改めて仔細に観察しに行ったりなさることでしょう(笑) 場合によってはこの本に書いてある説明を、はて?と疑問に思ったりすらして、楽しむ。
返信する
Unknown (1kamakura)
2024-06-17 09:22:05
江戸の秋

まさにタモリさんが好きそうなスリバチですね。
面白そうな本!

毎年登場するこのつけうどんはとても美味しそう😋
みょうががありますね。
みょうがは薬味かな。
美味しいですよね。
ナスとみょうがって何故か美味しくて大好きです❤️
返信する
Unknown (おちゃ)
2024-06-17 09:40:33
タケノコさん

この本は面白いです。
起伏があって、そこを川が流れ、谷ができて
スリバチもできる。それを見て歩いて
地図や画像で説明してあるマニアックな本です。

いろんなことが書いてありますよ。
街の発展に地形が大きく影響しますからね。
そして街が発展すると、今度は地形を変えたり
もする。川の流れまで変えたりもする。

とっても楽しい本でです。
返信する
Unknown (おちゃ)
2024-06-17 09:44:57
あきちゃん

タモリさんは、スリバチと台地と谷と低地を
見て喜びそうですね。この本はそんな地図が
いっぱいあるんです。鎌倉や逗子や横須賀
についてもありました。

みょうがを使います。
めんつゆにはごま油や豚肉の脂が溶け込んで
いますが、薬味としてはネギ、みょうが、七味
ですね。

茄子がごま油を吸って加熱でトロトロに
なっています。それらが混然一体となり、
まあ、おいしいこと。食べ終わったら、おつゆの
底に茄子と豚肉が落ちているので、それを
スプーンですくって食べまくるのです。

茄子とみょうがの相性はとてもいいですよね。
私もそう思います。
あまりにおいしいので、以前は遠慮して
つかっていた茄子を最近は大量に入れるように
なってきました。
返信する
凸凹好きです (ショコラ)
2024-06-17 10:01:09
こんにちは。
私もこの手の本好きです。学生の頃、千駄木の木造アパートの一階に住んでいたことがあって、大雨の朝、水音で目が覚めたら土間で靴が浮かんでいました。武蔵野台地の本郷通りと諏訪台通り・高台通りの尾根に挟まれた谷底の不忍通り。藍染川は暗渠。それからしばらく東京の凸凹マップにはまりました。
明治時代までの鎌倉は本当に寒村だったんですね。うちのまわりは全部畑。この辺を胡桃ヶ谷というので胡桃の畑かと思っていましたが、調べたら胡桃山千秋大楽寺という寺があったようです(確かにやぐらが多い)。まあ、山号自体は胡桃が多かったからなのかも知れませんが。鎌倉は明治になって外国人医師が「海水浴は健康に良い」と言ったので、別荘が建つようになって賑わいが戻ってきたようなことをどこかで読みました。文化が連綿と続く京都とイミテーション文化の鎌倉。全然違う町ですね。
水道路は良く通りますが、あそこの「薄い家」は不思議ですよね。水道路の建設はさぞ迷惑だったでしょうが、それにしてもローマの水道橋と同じく、少しずつ高度を下げていく必要のある水道路の建設は、大変な工事ですね。ちなみに私はいままでSUIDOUROと誤読していました。
いつも興味深い情報提供をいただき、ありがとうございます。足かけ50年以上住んでいますが、鎌倉はまだまだワンダーランドです。
返信する
Unknown (おちゃ)
2024-06-17 13:45:37
ショコラさん

この手の本、お好きですか?
私もです。土間に靴が浮かぶ(笑)。かなわんなー。
若いころの思い出ですね。都内の台地と谷が交錯
しますからね。暗渠も多い。普段は川を意識しま
せんが。

明治時代やその前の鎌倉の景色を映像で見て
みたいですね。さびれていたのでしょう。
私の住んでる西部の七里ガ浜住宅地なんて
当時はただの雑木林でしょうね。

七里に決める前、土地探しで胡桃ヶ谷の住宅地
にも入り込みました。ひとついいのがあって
買いの申し込みをしたら、売主が「買値を
上げてくれたら売ってやる」と言い始めて
止めました。そんなこと言う売主は、まさか
ショコラさんではないですよね?(笑)

二階堂や扇ガ谷にも候補地はありましたが
ご縁はなくなぜか西の七里に住んでおります。
ここはここでなかなか楽しいですけどね。

京都はそりゃもう大変なもんですいからね。
鎌倉なんて相手にしていないでしょう。京都は
東京すら相手にしていなさそうですよ(笑)。

足掛け50年以上お住まいはすごいです。
私はもうちょっとで18年になります。
まだまだひよっこです。

水道路は漢字で普通に読めばすいどうろで
しょうねえ。なかなかあれで水道みちとは
読めないです。しかしあの水道路交差点の下で
軍事的に重要な送水管が交わり、逗子へと
水が流れていったのですね。いろいろと面白い
話がいっぱいの鎌倉市でした。
返信する

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