ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(23) 入道ヶ岳

2013-11-17 11:48:55 | 私の関西百山



入道ヶ岳(906m) <鈴鹿山脈>
【にゅうどうがたけ】鈴鹿市の北西にあり椿大神社の御神体山である。北の宮妻渓、椿大神社からも登山道があるが、私たちは南側の小岐須渓から登った。

秋晴れの日曜日。家を出て2時間で小岐須渓谷の石大神展望台に着く。岩峰そのものが御神体という石大神を仰ぎ、駐車場に車を預けて出発。滝谷沿いの道から杉の植林に入り、緩く登る。谷に降りたり尾根を巻いたり、何度も小さい流れを渡り返したりする。

名の通り滝が多いが、規模は小さい。池の谷への分岐を分け、最後の滝は固定ザイルのある左岸の急坂を登る。雑木林の中を緩く登って二本松尾根の途中にある椿大社との分岐に着く。

登りは更に強まりザイルを固定した所もあったが、やがて右手に伊勢平野を見下ろす熊笹の中の道となり、ようやく傾斜を落とす。直ぐ前に大きな石の鳥居が見えると、5分ほどで頂上に着いた。

山頂には途中の静かさからは想像出来ぬほどの人が、広々した草原に思い思いに散らばって憩っていた。南から野登山、仙ヶ岳、宮指呂岳、鎌が岳、御在所山と鈴鹿中南部の峰々が並び、背後には伊勢平野が広がっている。

 
左から水沢岳、鎌ヶ岳、御在所山

素晴らしい展望を存分に楽しみながら、昼食をとる。

下山は熊笹の道を5分ほどでT字路を左にとると池の谷道となり、小さな流れに沿ったり、谷筋を歩いたりして下る。何度も美しい滝に出会う。捲道の岩場に鎖やフイックスザイルが取り付けられ、ちょっとシブイ所もあった。いったん沢から離れ、山腹を捲いて滝谷への分岐を過ぎ、再び沢音が近づくと小岐須渓の林道に飛び出した。

時間はたっぶりあるので屏風岩を見に行く。吊橋を渡り、少し登って山の家から再び下って河原に降りる。真白な結晶質の石灰岩(大理石)が花崗岩と美しいコントラストを見せ、両岸には頁岩が立ち並ぶ景勝地だ。林道に戻って逆光に輝くススキと石大神とを眺めながら歩き、駐車場所に帰着する。(1990.10.21)

<コースタイム>駐車場 09:25…椿大社分岐10:38~10:50…入道ヶ岳11:20~12:05…滝谷への分岐12:45…小岐須渓林道出合13:30…駐車場14:00


霧の朝(2013.11.16)

2013-11-16 16:04:20 | 我が家の歳時記

まだ薄暗い6時前から大和民族公園へwalkingに行きました。土曜日の町は濃い霧の中でまだ眠っているようです。次第に明るくなった公園に入りました。ようやく少し霧が晴れて矢田丘陵が高い山のように見えます(6時20分)。

7時、我が家の近くまで帰ってきました。まだ霧が残り桜並木が霞んでいます。この二枚は携帯で撮りました。肉眼では綺麗な紅葉だったのですが…。

朝食を済ませたころから素晴らしい青空になりました。庭に出て残ったカキを採り、他の庭木も少し枝を落としたり刈り込んだりしました。これは何の実でしょう?ヒント:夏には燃えるように紅い花を咲かせていました。

シコンノボタンは今頃になってもまだ咲いています。

菊の花は今が盛りです。♀ペンが仏様に供えました。上の写真の実はサルスベリです。


私の関西百山(22) 鎌ヶ岳

2013-11-15 10:35:45 | 私の関西百山

鎌ヶ岳(1161m) <鈴鹿山脈>
【かまがたけ】】「鈴鹿の槍ヶ岳」と呼ばれる美しい三角錐の山である。全山が花崗岩でできたアルペン的な風貌に人気がある。山名の由来は山の形によるというが、他にも理由がありそうな気がする。
 何度か頂上には立ったが、いつも簡単に登れる武平峠からで、本来の湯ノ山温泉から馬ノ背尾根を辿るコースは、残念ながら未だ果たしていない。

 武平峠より

武平峠のトンネルを抜けて雨乞への道を左へ分け、御在所山への縦走路上にある武平峠に登る。南へ少し登ると視界が開け、スカイラインの自動車道を見下ろすようになり、その上に雨乞岳が大きく高く立ちはだかっている。



ザレ場や雑木林の中の道から大きな岩のある開けた所に出る。行く手に目指す鎌の頂上は、まだ高く、頭上に威圧するように聳えている。振り返ると正面に御在所岳の大きな山容が広がり、頂上の建物群が手に取るように望める。左手、三つ口谷からの道を合わせて砂ザレの道を行く。

最後の胸突き八丁にかかる。勾配はたしかにあり、ザレ場に鎖やロープが固定されてはいるが、距離も難度もたいしたことはなく頂上に飛び出す。

南北に細長い頂上からは、南には鎌尾根の岩稜から続く鈴鹿南部の山々、北には御在所山や雨乞岳を望むことができた。



(写真はそれぞれ別の年のもの。余談になるが僅か30年ほど前の鈴鹿の山では、11月8日に風雪に叩かれて苦労したこともあった。)


紅葉の矢田寺遍路道(13.11.11)

2013-11-14 20:16:27 | 矢田だより

しばらく曇り空で寒い日が続いていましたが、今日は抜けるような青空が拡がりました。
いつもの親孝行に行く♀ペンを駅へ送ったあと、あまりの好天にじっとしていられなくて矢田山に登ることにしました。

矢田寺の駐車場に車を入れて本堂にお参り。10時10分スタート。

今日は南僧坊横から「矢田遍路道」に入ります。ここで女性6人組に出会い、お先に行かせて貰いました。

しばらく薄暗い林の中を歩き、いったん御影堂に下って登り返すと明るい尾根道にでます。四国八十八ヶ所の石仏の下には、それぞれの霊場のお砂が埋められています。

この「遍路道」は矢田山中を巡っていますが、けっこう急坂続きで絶好のトレーニングになります。
美しい紅葉の下に「じゅっぷく小屋」が見えてきました。「へんろ道保存会」の皆さんのお力で立派な休憩所になっています。眼下に矢田の里が拡がります。

小屋を過ぎると勾配はやや緩まり、紅葉も次第に鮮やかになりました。このカエデの木も保存会で植えられたものですが、だいぶ大きく育ちました。

一番高いところになる矢田寺中興の祖・萬米上人の廟所です。紅葉にはまだ少し早いようです。ここから少し下った五三番石仏の立つ三叉路でいったん「へんろ道」と分かれ、頂池の横を矢田山最高所に向かいました。
 ここまで誰にも出会わずにきましたが、最高所の「まほろば休憩所」では4人のハイカーが昼食中でした。気温10℃。今日は見晴らしがよく、正面の若草山から南に続く山並みがはっきり望めました。ポカリスェットを飲んだだけで、すぐに引き返します。

展望台に登ってみました。周りの木がどんどん大きくなって見晴らしが悪くなったのが残念です。上におられた斑鳩のOさんと、同じ山好きのこととて初対面ながらすっかり話し込んで、20分以上も立ったまま日向ぼっこしていました。この頃からぽつぽつ登ってくる人に出会いましたが、頂池を過ぎるとまた独りになりました。



五三番から「へんろ道」の続きをどんどん下ります。各札所の石仏は観音様が多く、他は阿弥陀様や大日如来が並びますが、これは珍しい毘沙門天(六三番吉祥寺)です。この少し先で朝の女性のうちの3人、さらにもう少し下で3人に追いつきました。のんびり昼食をとって帰られるのでしょう。

12時20分、矢田寺に帰りました。振り返ってみると今日は腰も下ろさず歩きっぱなし。いいトレーニングになりました。もう一度お礼参りをして、帰ってお昼にします。


私の関西百山(21) 御在所山

2013-11-13 09:54:36 | 私の関西百山

 秋の中道・地蔵岩

御在所山(1212m) <鈴鹿山脈>
【ございしょやま】別称・御在所岳、菰野山など。鈴鹿山脈中央部にあり鈴鹿の主峰、また盟主と呼ばれている。山名の由来は「倭姫命(垂仁天皇皇女)が山頂に天照大神の御霊を仮安置した御在所(みあらか)を置いた」という地元の伝承による(新日本山岳誌)。表道、中道、裏道をはじめ、子供たちや義父母、友人などとロープウェイ利用で登ったことも含めるとかなりの回数になるが、特に思い出に残る山行を記しておく。

 右から二人目が変愚院

<藤内壁で冬山トレーニング>
藤内壁は、古くから関西岳人たちにとっての岩の道場である。2月3日、S高山岳部OB会の仲間たちと藤内小屋に泊まった。



快晴の翌4日、藤内壁1ルンゼ、中俣、3ルンゼなどで氷瀑の感触を楽しみながら、ザイルワーク、アイゼンワークを練習する。


 1ルンゼ

このとき初めてナイロンザイルを使った。それまでの麻ザイルに比べると雪も付かず、しなやかで快適だった。最後の稜線に出るところがシブく、腕力を頼りに攀じ登る。上からスキーヤーが驚いた顔で見物していた。(1962. 02. 04)

<イチニ、イチニで記念山行>
20世紀最後の年は平成12 年で、標高の1212mにちなんで、12月12日12時12分に頂上で低山俳諧派のオフ会があった。鈴鹿スカイラインに入ると路面は雪で凍結している。ゲートの少し上でTさんの4DWに乗り換えて中道登山口まで上る。大きな花崗岩の点在する尾根道を行くと、時に吹雪いたり、強い突風が雪を舞いあげたりして寒気が肌を刺す。負レ岩を過ぎた所で男性が引き返してきた。「地蔵岩まで行つたが、その上はかなり厳しいので…」ということだった。

 鎌が岳を背に

飛雪と吹雪になり、凍結している箇所もあって無心に登る。灌木帯を登り大きな岩の上に出る。岩場は右手の藤内壁側のクラック状の所を急降下するが、鎖はあるものの岩が凍結していて嫌な所だ。慎重に下り終えて鞍部から急坂を登り返す。灌木帯に入ると、雪は次第に多くなるが良く締まっていて歩きやすい。長い鎖のついた岩場を過ぎて振り返ると、一ノ谷新道の通る尾根はガラス細工のような霧氷の林で、その上に鎌ヶ岳が顔を見せている。雪を被った熊笹が出てくると山上公園の東端に出た。



雪景色の遊歩道をレーダードームや売店のある朝陽台へ。ここは樹氷で有名なだけに素晴らしい景観だ。ここでK、S両氏と合流、5人で山頂三角点に向かう。



混み合う前にと、Tさんが取り出した1と2のシールを胸に貼って正午ジヤストに記念撮影。12時12分にはメンバーは8人になり、改めて記念撮影のあと「かもしかセンター」まで降りて昼食。全員で雪の深い表道を下る。企画から下見までして下さつたTさんのお陰で、心に残る記念の山行ができたことを感謝しつつ家路についた。(2000.12.12)

<復活の山>
2009年8月、雨の四阿山、根子岳で膝を痛めてから2010年5月まで、矢田丘陵以外の山歩きはできなかった。毎年秋の富士登山も二年間ブランクがあったので、そのトレーニングに御在所岳へ。はじめて一ノ谷新道を登る。この道はガイドブック(アルペンガイド鈴鹿・美濃)には『足腰に自信のない中高年にはあまり薦められない』『膝の悪い中高年の人は難渋しそうだ』と記述されている。しかし、どの程度体力が復活しているか試す意味もあって、あえて挑んだ。


最初からかなりの急勾配で掘割になったようなところが多い。木の根や幹を掴んでぐいぐい高度を上げる。暗い樹林の中に時々大きい岩が現れる。マッタケ岩は自然の作った奇石である。「展望所」からまた樹林の中の急登が続く。一息つきたくなる頃、大きな岩が何本か直立していて「鷹見岩」の標識があった。恵比寿岩の標識からは、さらに厳しい登りになる。長い鎖場やロープ、ハシゴも出てくる。

木の根や幹も頼りにぐいぐいよじ登っていくと、ようやくクマザサが出てきて頂上部も近いかと楽しみになる。左に尾根を捲いて少し下り、最後の急坂を上って山上公園の一角、レストランの前に飛び出した。頂上は夏休みの家族連れでにぎわっていた。1212m三角点標識の前でしばらく待ったが霧が晴れる見込みはなさそうなので引き返す。

東の朝陽台も大勢の人で賑わっていた。中道への降り口にあるベンチで昼食を済ませ、富士見岩へ行ってみる。足元にイノシシを従えた古い石仏は健在だったが、ここも展望はゼロだった。登りの一ノ谷新道と違って中道は登山者が多い。何度も道を譲ったり、あとから来た人と前後したりした。特に新しいウエアや靴の若い人が多い。中にはレジャー気分でちょっと危なげな人も見かけたが、ともあれ一時は中高年に占領されていた山に、若い人の姿が増えたのは喜ばしいことだ。

年相応にタイムは気にせずに歩くように努めたが、それにしても特に下りは足元が見え難くて(2009年緑内障手術)少し時間がかかった。しかし岩場の登降では何の不安も感じず、心配した足も膝も全く痛まなかったので、少し自信を回復できて収穫のある山行になった。(11.08.04)


私の関西百山(20) 雨乞岳

2013-11-12 15:42:16 | 私の関西百山

雨乞岳(1238m) <鈴鹿山脈>
【あまごいたけ】鈴鹿第二の高峰。山頂に山麓の農民の信仰対象となった池があったことが山名の由来とされる。私たちにとって鈴鹿7マウンテンの最後になるこの山はアップダウンが多く、かなりのロングコースになった。

三重・滋賀県境となる鈴鹿スカイライン武平峠トンネルの三重側駐車場に車を置き、正直に武平峠へ大きなザレ場を登り下りして滋賀側へ出たので30分ロスした。トンネル出口すぐに登山口の道標があった(トンネルをくぐればよかった)。丈を超すススキの原を登る。振り返ると鎌ヶ岳が高く聳えて見える。次は雑木林の中の嫌な道。勾配はさはどでもないが、半ばぬかるんだ道の上に木の根が張り出し、両側は熊笹、ときどきザレ場もあり、時間が過ぎる割に行程は捗らない。水音が近づき、やがて小沢を渡り、流れに沿うようになる。



流れに沿って行くと愛知川の源流に出た。この辺りは幾つかの沢が入り交じり、複雑な地形だ。コーヒーを沸かして朝食のパンを食べる。左手の沢に下り、沢沿いに行き、右手の尾根を直登する。崩壊したガレ場をへつり、尾根を越してまた別の沢・クラ谷に下る。



何度も流れを渡り返し、静かな流れに沿う道、捲道、沢の中の道と、変化に富んだ潮行が続く。所々で出会う滝も、小振りながら美しいものが多く、楽しい沢歩きだ。

 七人山のコル

流れは次第に細く、水流も少なくなり源流の近いことを思わせるところで沢を離れ、右手の山腹へ登り七人山のコルに着く。やがて猛烈な熊笹のプッシュとなる。

遂にはトンネル状になり、潜って行く所もある。雨裂で溝状になった所も登る。



しばらく頑張ると勾配がゆるまり東雨乞岳頂上に着く。広々とした樹木の無い頂上はまさに360度の展望台。しかし、国見と御在所、鎌ヶ岳が見える他は雲が低くて余り展望はない。三重県側の平野には陽が当たっているが、近江平野の方は暗雲に閉ざされている。

 東雨乞岳より本峰

目指す雨乞本峰は熊笹の海の向こう。

しかし10分ほど熊笹を漕ぐと待望の頂上に到着。樹木に覆われていると思っていたが東、南側が予想外に展らけていて、鎌、御在所がよく見えた。スカイラインが延々と続いているのも見える。

引き返して再び東雨乞の頂上に立って、缶ビールで乾杯する。下り道は何と言っても楽で、直ぐに七人山を通過、河原へ降りてクラ谷と愛知川の出合近くで昼食にした。愛知川源流より後は、やはり嫌な道で、うんざりする程長く感じた。最後の水場で顔を洗い、さっぱりして、とうとうあのススキの原に帰って来た。強い日差しに白いススキの穂がキラキラ光り、その上に鎌ヶ岳がくっきりと青空に浮かんで、私達の7マウンテン完登を祝福しているかのように見えた。(1991.9.22)

<コースタイム> 6:54武平峠駐車場7:07…武平峠7:16…登山口7:37……8:37愛知川源流(朝食)…10:07七人山コル10:18…10:56東雨乞岳11:05…11:24雨乞岳11:38…11:48東雨乞岳12:05…12:28七人山コル…12:53昼食13:25…13:57愛知川源流…15:15駐車場


我が家の庭で…(2013.11.11)

2013-11-11 15:02:42 | 我が家の歳時記

曇り空の週明け、急に肌寒くなりました。エビソウの赤が鮮やかです。



 

放りっぱなしの庭で、菊の花が健気に咲いています。



ナンテンの実が真っ赤になりました。この実はヒヨドリの大好物です。

柿の実も、美味しそうに熟れたところで人間様より先に「ごちそうさん」

急いで赤く色づいた実を収穫しました。


私の関西百山(19) 釈迦ヶ岳

2013-11-10 09:17:15 | 私の関西百山

釈迦ヶ岳(1092m) <鈴鹿山脈>
「しゃかがたけ」お釈迦様の寝姿に似た山容でこの名がある。朝明川に落ち込む庵座谷は変化に富み、石灰岩の風化したザレ場を持つ稜線はアルペン的な風貌を見せる。

<名瀑「庵座の滝」からアルペン的な稜線へ>
朝明渓谷の駐車場に車を置いて小さな尾根を越えて鉄梯子を河原に下りる。キャンプ場や点在するバンガローが途切れると流れの左岸を行く。雑木林の中、見通しの悪い単調な道を行くと、急に視界が開けて正面の山肌を落ちる庵座の滝が見えた。谷に下りると歩き易い道となり滝の下に着いた。落差40Mの滝は実に堂々とした姿で、滝口を見上げると紺碧の天空から湧き出しているように見える。

滝と別れると固定ザイルを張ったガレ場の直登となる。捲道で小さい沢を越して、15分ほどで沢に出て、消えかかったペンキの印を頼りに右に左に渡り返す。また林に入り、見事な三段の滝の下を通り(二段しか見えなかったが)、高くまいて登る。河原に下りると流れは緩やかになり、また何度か右を跳んで渡り返す。



鋼管を積んだ奇妙な堰堤を越すと広い河原で正面に猫岳、右手に松尾尾根の頭と大陰(おおかげ)のガレが遥か高くに見えた。

カンカン照りの河原を猫岳の方に進み、左岸に渡って急勾配の斜面に取り付く。ガレの直ぐ左側、固定ザイルのある、落石が起きそうな斜面を一歩一歩よじ登る。この登りは相当なもので猫岩のピークは見る見る同じ高さになる。最後は岩角や木の幹にすがっての全くの直登となる。ようやく樹木相が変わり頭上に青空が広がると、松尾尾根の頭だった。殆ど登り下りのない、熊笹の中の道を南へ進む。羽鳥峯への分岐を過ぎると5分程で頂上に着いた。

1092Mの頂上は意外に狭く、樹木が茂って全く展望がきかない。2、3分後戻りした稜線上の僅かに開けた斜面で昼食。伊勢湾どころか眼下の平野も判然としない。

分岐から羽鳥峰へは急な掘り割り状の下りと、熊笹のトンネルの連続である。概ね下りだが途中、猫岳(1058M)と908Mピークの二つの登りがある。猫岳(標識は猫岩)を過ぎると熊笹はうんざりする程密生していて、時には背丈を超す所もある。908M峯を過ぎると、熊笹がきれいに切り開かれていて歩き易くなった。

 羽鳥峰

羽鳥峰(はとみね)峠からは去年、水晶岳への登りに使った道で、どんどん下る。案外早く広い道に出たが、それからがうんざりする程長く感じた。天候も体調もよく、ルートに変化のある充実した山行を楽しむことが出来た。(90.11.18)

<コースタイム>駐車場発 9:20…10:20庵座の滝10:35…12:05松尾尾根の頭…12:15釈迦ヶ岳頂上12:18…昼食12:50…13:20猫岳…14:05羽鳥峰14:25…1515駐車場


初冬の矢田丘陵(2013.11.08~09)

2013-11-09 10:46:46 | 矢田だより

立冬を過ぎましたが、かえって穏やかな冬晴れが続いています。



昨8日朝は久しぶりの矢田歩き。お地蔵さんから奥に見える道を東明寺へ向かいます。

竹林の中に置かれたイノシシ捕獲檻。近年、矢田にもイノシシが増えて、今年は市内ですでに16頭捕獲されています。アライグマも増えて農作物を荒らすので困ったことです。

東明寺の紅葉はまだ始まったばかり…。

「こどもの森」から稜線を矢田山へ歩きます。あちこちでイノシシが掘った跡が見られます。

「まほろば展望台」では女性ハイカー二人にであいました。矢田寺へは寄らずに矢田大石の横を下ります。

この時期は野の花も少なく、キノコだけが目につきます。

近畿自然歩道にでると柿畑に鈴なりのカキが青空に映えていました。



今日は6時過ぎから大和民族公園へウォーキング。園内のサザンカが満開です。

帰る頃になって、駐車場の周りの紅葉が朝日に照らし出されました。土曜日の今日は遠方から来られる方も多いでしょう。私たちは歩いて15分で豊かな自然の中に来られるので、ありがたいことです。


私の関西百山(18) 竜ヶ岳

2013-11-08 09:22:15 | 私の関西百山

竜ヶ岳(1099.6m) <鈴鹿山脈>
(りゅうがたけ
)鈴鹿山脈北部の南端にあり、北の石灰岩帯が終わる所にある。平坦な山頂部はイブキザサに覆われ、遠くからは草原のように見える山である。山名の由来は昔、山頂近くに大きな池がある平があり、この池の水はどんな旱魃にも涸れることがなかった。この池には竜が住んでいると信じられ、昔は雨乞いが行われたという。この池ノ平は現在の1024mピークの西側といわれるが、池はなくなっている。

<一面の笹原と大展望の山>
1991年5月の二度、同じルートを歩いた。宇賀渓駐車場に車を置く。ここはその昔、子供たちを連れてキャンプに来た懐かしいところである。ホタガ谷出合で裏道登山口の標識に導かれて右の山腹に入る。かなりの急登で何度か谷を渡り返す。

ところどころでは丸木橋を渡る。ジグザグにしばらく登って再び沢に出合うと、かなり源流に近い感じになっている。

急坂を登るうちに次第に展望が開けてくる。登り終えて出た尾根は遠足尾根と呼ばれている。出発してから2時間半ほどかかった。



ここからはほぼ水平な尾根道になり、美しい山頂部が見えてくる。1042mピークを過ぎると滋賀・三重県境となっている三叉路に出る。左折して笹原の中を頂上へ向かう。

広々した山頂には方位展望図などがあり、美しく整備されていて、ひろびろと360度が見渡せた。鈴鹿の全山が見えるかと思うほどである。



下りは、なだらかな緑の笹原が緩く波打つ中を御在所岳の方を見ながら、しばらくは尾根の散歩道を行く。


やがて急な下りとなる。



重ね岩を経て、掘り割り状やザラ場の下りを重ねて石愽峠に着く。しばらく車道を歩いて小峠から再び沢沿いの山道に入り、鉄ハシゴを下ると長尾滝。



45分ほど山腹の高捲き道を下ってホタガ谷出合に帰った。(この帰り道が表道にあたる。)