奈良県立民俗博物館(大和郡山市矢田町大和民俗公園内)では6月15日まで、春季企画展「なに?なぜ 昔の道具を知ろう」が開催中です。
室町時代、江戸時代から昭和まで、いろいろな道具に込められた昔の人たちの知恵の数々が展示されています。
これは江戸時代の唐箕(とうみ)。上から脱穀したもみを入れて、下のハンドルを回して風を起こし籾殻を吹き飛ばして、選別します。ここには3台展示されています。
手前は昭和30年代まで現役で使われていた唐箕、奥は上の写真と同じ江戸時代のものです。
常設展示室の唐箕。人形を使って作業の様子を再現しています。手前には内部の図解もあり、昔の農作業の様子がよく分かります。
時を知る道具。左は江戸時代の和時計
上の和時計の文字盤部分。世界でも珍しい日の出、日の入を基準にした昼夜の長さの違う「不定字法」を採用しています。
その名もハイトリックという、明治時代の機械式ハエ取り器です。ゼンマイで砂糖水を縫った円筒をゆっくり回転させて、とまったハエを自動的に取り込むようになっています。
色んな柄杓(ひしゃく)。左のヒョウタンの柄杓は初めて見ました。
照明器具の数々。左端は時代劇でお馴染みのガンドウ。右の家紋入りの提灯は我が家にもありました。
瓦燈(がとう)。室町時代の土でできた照明器具です。
豆腐篭、岡持ち、豆腐箱。食べ物を入れたり、運んだりするのにも工夫が凝らされています。
その他、様々な「昔の道具」が展示されていて中には子供の頃に実際に使った道具もあり、とても興味深く懐かしく鑑賞しました。
常設展示室では「大和のくらし」を奈良盆地、宇陀山地、吉野山地の三つの地域に分けて、それぞれの産業を紹介しています。これは「吉野山地の林業」の一場面
これは「奈良盆地」の稲作の展示。実は変愚院はこのウシくんが大好きでなのです。「なんのために牛を飼っていたのか」というクイズのパネルがあり「1.食べるため、2.牛乳をとる、3.農作業に使う」という選択肢でした。鼻にピアスのような木の輪を嵌めて重いスキを引いていた牛の姿は、河内に住んでいた子供の頃、田植え前に当たり前の風景でしたが、最近は全く見られなくなりました。いろんなことを思い出して、ちょっと感慨にふけったり、有意義なひと時を過ごして博物館を後にしました。