大神神社(三輪明神)の摂社・率川(いさかわ)神社で毎年6月17日に行われる三枝祭(さいぐさまつり)は「ゆり祭り」として知られています。この神事は文武天皇の大宝元年(701)制定の「大宝令」に、既に国家の祭祀として規定され以後1000年以上も続いている由緒ある神事です。
祭神ヒメタタライスズヒメノミコトが三輪山麓の狭井で育ったことから、当時そこに咲いていたササユリの花でお供えの酒樽を飾ります。現在は3日前に行った大神神社の「ささゆり園」で丹精込めて育てられ、昨16日に率川神社に奉献されました。黒酒(濁り酒)と白酒(清酒)の他、山や川の恵みの産物が神饌として神前に供えられます。
境内には「ささゆり奉賛会」など関係者用の大きなテントが張られ、われわれ一般参拝者はその後ろから拝観します。1時間ほど前に付きましたので、幸い正面の蛙石の前に立つことができました。
午後には七媛女(ななひめ)とお稚児さんの市内行列がありますが、社務所の前ではその準備が行われていました。
10時30分、いよいよ神事が始まります。
神官に続いて4人の巫女さんが神前に進みます。
神官の参拝、祝詞の後、参拝者へのお祓い
そして御神酒、神饌を奉献します。
四人の巫女さんによる御神楽奉納
姫神様も故郷に咲いたササユリの芳香を愛でておられることでしょう。
美しい古代絵巻を見るような一時間を夢のように過ごして家路につきました。
umokaze