ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の登った「午」の山(2)

2014-01-11 12:38:27 | 四方山話

甲斐駒ヶ岳(2967m)
南アルプス(赤石山脈)北端部に位置する名峰。全国に18座ある「駒ヶ岳」中、最も標高が高い。
以下は1960年8月下旬、高校3年の弟と登った想い出である。

前夜、夜行で大阪を発ち、伊那北からはバスで7時半に戸台に着く。朝食後、7貫(28㎏)を越すリュックを背に出発。戸台川は台風の影響の3日間降り続いた雨で増水、濁流が広い河原をいっぱいに凄い勢いで走っている。橋が流れて最初から急坂のブッシュの中の高巻の連続だった。何度か徒渉を重ねて赤河原の丹渓山荘前で昼食したが、ここまでで予定時間より2時間半遅れて14時を過ぎていた。八丁坂の上りの途中、道端に全身痙攣の病人あり、連れの人が山荘に連終に降りる間看病する。

北沢峠に登り、北沢長衛小屋に入った頃にはちょうど日が暮れた。

炊事の整備も整い、感じのいい小屋だ。


翌日はサブで仙丈岳を往復した。

3日目、6時半、小屋を出る。荒れた河原をケルン頼りに仙水峠へ。鳳凰の地蔵仏がよく見えた。ここから駒津峰への登りは、全行程中、一番、辛かった。樹林帯を抜けて、ハイマツの中を向かい側のアサヨ峰の高度と比べながら、ゆっくり登る。富士が次第に大きく雄姿を表してくる。

 駒津峰から北岳

駒津の頂上はすばらしい。富士、鳳凰、北岳、問ノ岳、仙丈が絵のように連なっている。駒と摩利支天はすぐ目の前だ。一時間近く道草を喰ってしまう。

 六方石

六方石の鎖場を過ぎ、摩利支天の分岐へ登る。風化した花崗岩の砂の上の急傾斜で、日光の反射で目が痛いほどだ。


『頂上の駒ヶ岳神社の祠の前で昼食。駒津頂上からの展望に加えて、八ヶ岳がすぐ下に大きく裾野を拡げている。頂上からの下りは、所々に鳥居や、岩壁に摩利支天の字があり、宗教的な匂いが濃い。所々に鎖やハシゴがある。七合日の小屋は森林限界にあり、展望も良いので、時間はあったがここで泊まることにした(15時)。小屋は30人定員の所へ、たった6人。悠々と大の字になって寝る。』

4日目。雨中だが黒戸尾根の下りは鎖やハシゴ等あって面白かった。五合目でしばらく雨宿りして黒戸山へ80m登ると、あとは下る一方。笹ノ平でいったん緩くなった下りは、ここを越すとまた勾配を増し、ひざがガクガクする。八ヶ岳の良く見えるところで休み、木立ちのトンネルを抜けると、尾白谷のほとりの駒ケ根神社へ出た。

その時のノートが残っている。物価や山行の様子が思いだされて懐かしい。
*交通費 大阪~伊那北 840円(600円)   伊那北~戸台バス 150    駒ヶ根神社~牧原バス 40    日野春~大阪 840(630) ()内は弟の学割   
*宿泊費 北沢小屋(2泊)400     七丈小屋 200
*食料費 副食 450    間食 200   非常食 100  <二人×4日分で!>
<主食> 米3升、パン4食分、チキンラーメン4食分
<副食> カレー缶、ハイシ缶、ハム、福神漬、からし漬、目刺し10本、スープの素、タマネギ、ちりめんじゃこ、とろろ昆布、キュウリ4本、雲丹、豚肉(味噌漬け)
<間食> ココア10杯分、ジュースの素16、チーズ小4、おこし、ピーナツチョコレート、チョコレート4、するめ3枚、いか燻製、干しぶどう、クラッカー2本、ジャム、みかん缶詰3個 
<調味料>醤油、砂糖、味の素、茶の稟、マーガリン2、マヨネーズ、チーズなど
*共同装備 飯盒、コッフェル、鉈、うちわ、たわし、まな板セット、粉石鹸、缶切り、ラジュウス、石油、ポリタン、点火用アルコール、携帯ラジオ、カメラおよび付属品、食糧、非常食、ビタミン剤