ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の登った「午」の山(1)

2014-01-10 20:58:56 | 四方山話

白馬岳(2933m)
北アルプスを代表する山の一つ。良く知られるように、春になると雪解けで山腹の岩が露出し「代掻き馬」の雪形が現れることから「代馬(しろうま)岳」と呼ばれるようになったのが山名の由来である。古くは大蓮華山と呼ばれたので、その名残りの小蓮華山や蓮華温泉がある。


変愚院が初めて登ったのは1959年で北側の糸魚川から大糸線で平岩まで行き、バス終点のヒワ平から蓮華温泉まで3時間ほど歩いた。




山の斜面にいくつかの露天風呂が並ぶ鄙びた温泉近くにテントを張り、翌日は白馬大池経由で白馬岳山頂泊り、三山巡りのあと大雪渓を下った。(左から二人目・変愚院)


 天狗池幕営地から白馬鑓ヶ岳

5年後の64年はやはり蓮華温泉から白馬に登り、6日間の幕営で後立山を爺岳まで縦走した。バスが佐渡見平まで伸び、便利になり、蓮華温泉のCSも少し上方に移動していた。


 Aug.1973

♀ペンの北アルプスデビューは白馬岳で、20歳の頃に同じ山岳会の合宿山行で唐松岳へ縦走している。この時は別のリーダーだったので、二人で登ったのは結婚後の73年8月。平岩からのバスはヤッホ平まで延び、蓮華温泉までは急坂の登りだが30分だった.

 雪倉岳山頂からの白馬岳(右は旭岳)

登頂後、朝日岳を経て小川温泉に下り、5日目に富山で途中下車して立山へも登っている。子供を実家に預けての6日間の山行だったが、元気なものだ。

その子供たちが小学校高学年になった77年夏、猿倉から大雪渓を登り頂上山荘泊。夜の雨が上がり、翌日は快晴の山頂から素晴らしいご来光を拝んだ。

『待つ程に妙高の方角から光の矢が射し込み、期せずして万歳の声が周囲から起こる。剣がモルゲンロートに輝き出す。白山、乗鞍、槍、穂高、立山連峰、日本海…遮るものもない展望。昨日の雨は嘘のよう。』と山日記に書いている。この時は蓮華温泉に下った。翌朝は土砂降りだったがバスの路線が伸びて、駅が温泉のすぐ近くに出来ていて助かった。

25年ぶり5度目の白馬は2002年、町内の山岳グループの夏の例会。♀ペンは老いた愛犬・美鈴の介護で参加できなかった。大雪渓を登り、山頂泊。増改築を繰り返してさらに大きくなった山荘は、縦走路を挟んで立ち並ぶ城塞のように見え、スカイプラザ(展望レストラン)には生ビールまであった。翌日は山頂でご来光を拝み、白馬大池から栂池に下って大町温泉に泊まった。

 小雪渓上部より白馬鑓と杓子岳

様々な思い出のある白馬岳は「花の山」である。白馬の名の付いた白馬岳の植物は800種にのぼると言われ、シロウマの名を冠した貴重な植物(白馬特産のものや、白馬で発見されたもの)も20種以上を数える。特に6月から8月にかけて、雪解けとともに一斉に咲き始める高山植物は種類(約350種)も数も多く、「花の白馬」の名に恥じない見事さである。

1は葱平(ねぶかっぴら)のシロウマアサツキ。浅葱の名のようにネギ科の植物でこの花が咲くので葱平の名が付きました。2はシロウマタンポポ。3はシロウマオウギ。4はシロウマダイモンジソウ。興味のある方は白馬の花をご覧下さい。