ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

9月の山~剣岳の想い出(1998.09.07)

2013-09-07 07:49:17 | 過去の今日

♀ペンと行くのは始めての剣岳。1998年9月6日。雷鳥沢の登りは案の定きつく感じました。初めて来たときより年齢は37プラスだが、8㎏のザックは20kgマイナスだと自分に言い聞かせて、一歩一歩踏みしめて登りました。草原帯からハイマツ帯に入って乗越が近くなる頃、すぐ傍に雷鳥を見ました。

 

雷鳥平から途中で一度の休憩を含めて95分かかって別山乗越に着きました。見下ろす剣沢・三田平に小屋の屋根が見えます。小屋はすべて個室でシャワー室まであり、夕食にはなんと、下ろし大根添えのビフテキと湯豆腐がでて感激。他にコンニャクのオランダ煮、素麺カボチャの中華風、ナメコ汁と豪華でした。美しい夕焼けを見てぐっすり休みました。

 

7日。午前5時半出発。1時間で一服剣に登ると、曇り空ですが素晴らしい展望が拡がりました。ここから頭上に見上げる前剣へ岩礫の急登。ここから岩の痩せ尾根を下ると、いよいよ核心部・「門」のトラバースです。

昔、ここで雷雨に遭い雷光に怯えて鎖から手を離す女の子がいて、サブリーダーの私はその方が恐ろしかったことを思い出しました。今日もガイド役の男性に連れられた女性4人組が通過に時間がかかっていて、しばらく待たされました。岩場に取り付くと♀ペンはあっという間に渡ってしまいました。


先行のパーティに先を譲って貰って平蔵のコルを過ぎ、「カニのタテ這い」もスイスイ登り終えました。昨日まで「登れるかなあ?」と心配していたのに、「本に書いてあるのは大げさなんヤ」と自信をもった様子です。

早月尾根からのルートと合うと、後はガラガラの岩屑を踏んで祠のある頂上です。♀ペンは念願の頂きに感激の面もち。私も5度目とはいうものの26年振りで、感慨深く祠に手をあわせました。先ほどまで見えていた槍・穂高は雲に隠れましたが、白馬から唐松、五龍、鹿島鑓、針ノ木と後立山連峰がくっきり。立山三山から薬師に続く山並み。室堂平から地獄谷の眺め。奥大日から大日への稜線。早月尾根の稜線と毛勝三山…360度の展望を楽しみました。


下りの難関「カニの横這い」では先行の若い男性二人組が手間取っていました。ここは私が先に降りてスタンスを確認。♀ペンも殆ど鎖を頼らずにクライミングダウンしました。一番傾斜が急で、かって電柱のアングルがあったところは、立派なハシゴが架けられていました。

後はのんびりと来た道を下り、正午に余分な荷物を預けてあった剣沢小屋に帰りました。この日はこれからが長く、しばらく小屋の女主人と話した後、別山乗越へ登り雷鳥沢を下り、地獄谷を周回して室堂をパスして天狗平まで。バスがなかった頃、重荷にあえぎながら登った懐かしい道を、冷たいビールを楽しみに高原ホテルまで歩きました。到着は16時15分、休憩を含めて11時間近い行動の長い一日でした。

*画像加工.com さんのフリーソフトを使わせて頂きました*