ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

葛城古道のヒガンバナ(2013.09.20)

2013-09-23 20:09:26 | 旅日記

金剛山の帰りに葛城古道沿いの「いちごんさん」へ参拝しました。
葛木座一言主神社の祭神は一言主神。雄略天皇が金剛山(昔は葛城山と区別しなかった)で、天皇と同じような美々しい行列に出会い、見とがめて「誰か」と訊ねたところ、
「吾は悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言い離(はな)つ神」と答え、天皇を恐れ入れさせた神です(古事記、日本書紀)。ここから「願いを一言だけ叶えてくれる」として信仰を集めています。

長い参道の突き当りの高い石段を登ると東向きの本殿があります。一言主神とともに雄略天皇も併祀されています。


境内のご神木「乳銀杏」。本殿の南側にある樹齢1200年というイチョウの古木です。たくさんの気根が垂れ下る様子を乳房と見立てて、「お乳がよく出ますように…」という母親の祈りを叶えてくれるとか…。「母」にかかる枕詞「たらちね」には「垂乳根」の他に「足(満ちたりる)乳根」の意味があると考えると、子育てに苦労した母の有難さが偲ばれます。


石段の下からお祓い所への途中にある「亀石」。明日香の亀石より、目鼻立ち?がはっきりしています。役行者が災いをもたらす黒蛇を調伏してその上にこの石を置いたという伝説もあります。


石段の下の道を北へ行くと九品寺へ、参道を東に引きかえして鳥居を南に折れると極楽寺を経て「郵便道」入口のある高天彦神社へ続く葛城古道です。


古道に沿った田圃の土手は何処もヒガンバナの花盛り。


色付き始めた稲穂とヒガンバナが美しいコントラストを見せています。


真っ青な空を背にした葛城山。古来から変わらぬ日本の秋の風景です。
「歩きつづける 彼岸花 咲きつづける」 種田山頭火

 

「つきぬけて 天上の紺 曼珠沙華」 山口誓子