ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

2012ネパールの旅 16 (カトマンドゥ4)

2012-12-22 16:54:55 | 旅日記

ハヌマン・ドカの見学を終えて、北側のいくつかの寺院が集まった区域に出ます。

ここはいつ来ても、お寺の屋根も地面も無数のハトで埋まっています。今日は黒い仔ウシも蹲っていました。(Photo by Maru-san)

ジャガナート寺院 この辺りで一番古く1563年、マヘンドラ・マッラ王の建立。

庇を支える方杖(支柱)の色鮮やかでエロチックな像が有名です。(2003年 変愚院撮影)

タレジュー寺院 タレジュー女神(別名ドゥルガ、その化身がクマリ)を祀っています。1549年、同じくマヘンドラ・マッラ王の建立。(Photo by Inocchi-san)

ここがタレジュー寺院の入口。年に一度、ダサイン(ヒンドゥー教の大祭)の時だけ教徒に解放されます。ただし、ご本尊を拝めるのは王族に限られています。

2006年に訪れたときは、たまたまダサインで門前はこの通りの賑わい。果ては行列に割り込んだとかで喧嘩まで起きていました。

カーラ・バイラヴ シヴァ神の化身の一つ、破壊の神・恐怖の神。眼を見開き、髑髏のネックレスをして刀を振り上げ、別の手には人間の生首をぶら下げています。

この像の前でウソをつくと即座に死ぬと信じられていて、16~7世紀には罪人をこの前に連れてきて白状させたとか…。しかし、どこか童話的でマンガチックで憎めぬ、変愚院の好きな神様の一人?です。

ここから人混みにもまれながらマカントーレ通りを少し北東に歩くと、賑やかな交差点・インドラチョークに出ます。

 チョークは交差点というよりいくつかの道が交わる、ちょっとした広場の感じ。白い屋根の建物はマハデーヴ寺院です。
(上の二枚 Inocchi-san撮影)

その向かい側のアカシュバイラヴ寺院の飾り。

4頭の黄金の獅子像が有名です。(Photo by Inocchi-san)

インドラチョークで一番見事な建物ですが、人混みで全体像が撮れなかったので2003年撮影のものを見て頂きましょう。

今はともかく人を避けて歩くだけで精一杯。ゆっくり写真も撮っておれません。

ようやくバスに帰り、ダルバール通り(現王宮前)のホテルYak & Yeti 付属のレストラン・Lal Durbar でネパール料理の夕食を取ります。
献立は最初にオードブル。取りあえずビールで乾杯していると…

正面の舞台ではネパールの舞踊が始まり…

美しい女性がロキシーを注いでくれました。日本の焼酎のように米や麦から作る蒸留酒ですが、アルコール度が50度もある非常に強いお酒です。

次の献立はMakai koRoti(トウモロコシのパン)、Ghyau tareko(キノコの揚げ物)、Rajma(カレー味のレンズ豆)
<Menu は 一人づつの名前入りで記念に貰って帰りました>

続いてMomo モモ(ミンチ肉入り、チャツネ味のソースがかけてある)

Kwanti (ミックスした豆のスープ)

そしてメインディッシュは、Sada Bhja (ご飯)、Dal Jhane ko (ダル=レンズマメのスープ)、 Khasu ko Maasu (マトンカレー)、Kukhura ko Maasu(チキンカレー)、Aalu ra Govi ko tarkari (ジャガイモとカリフラワーのカレー味)、干したプラムなど…、小さい容器は外に出して、ご飯に混ぜて食べます。野菜は全て有機野菜で、各料理はネパール風のスパイスとハーブで香味が付けられています。
最後にシナモンを振りかけたアイスクリームとお茶がでました。ロキシーを3杯も飲んだので少々酔ってホテルに帰りました。
ネパールで過ごす夜も今宵で終わります。


2012ネパールの旅 15 (カトマンドゥ 3)

2012-12-22 16:49:10 | 旅日記

ダルバール広場に来ました。ダルバールとは「宮廷」の意味で、バクタプルやパトンにもあった旧王宮前の広場です。各時代の王たちが競って広場の周囲に美しい建物を作りましたが、とくにカトマンドゥ王国の中心であったこの広場の建物の美しさは格別です。前にシヴァ信仰を表すシカラ(白い塔)が立っている高い建物はシヴァ寺院、右端にシヴァ・パールバティ寺院が見えます。

二頭の白いライオンが入口を護っているのはクマリの館。左側のポスターにある写真の少女・クマリが住んでいます。

クマリはドゥルガ(タレジュー神)の生まれ変わりとして、ネワール・サキャ族の由緒正しい家系から選ばれる生き神様です。ただし初潮を見ると別の女の子に交代します。時々、上の金色の窓から顔を見せるのですが、今日はお出ましがないようでした。

内部に入りました。(下の写真はInocchiさん撮影)窓にも美しい装飾が施されています。

クマリの館の向かい側にある白い建物は旧王宮(ハヌマン・ドカ)の一部です。周囲の雰囲気にそぐわない西欧風の建物は、19世紀に当時の支配者・ラナ家(宰相家、実質的な王朝)が建築したものです。この先はニューロードと呼ばれる通りに続きますが、反対側(手前)へ歩きます。

カスタ・マンダプ寺院  別の名、マル・セッタル。一本の木から作りだされたと言われる古い寺院で、カトマンドゥの名の元になったともいわれています。もとは木賃宿だったという、この寺院の前を北東へ行くと…

(Photo by Inocchi-san)
最初の写真で見たシヴァ寺院の前を通ります。1690年にバクタプルの皇太后によって建てられた、この広場で一番高い建物の壇の上には、いつもたくさんの人が座っています。

シヴァ・パールバティ寺院。1790年、グルカ王朝のラナ・バハドゥール・シャハ王建造。石のライオン像が護っています。

二階正面の窓からは、破壊の神・シヴァとその妃・パールバティが下界の人々を見守っています。

その南側にハヌマン・ドカ(旧王宮)の入口があります。

(Photo by Inocchi-san)
ハヌマンドカは
もともと、この門のことでした<ハヌマン=サルの神様(ヒンドゥー教)、ドカ=門>が、今では旧王宮一帯を指す名になっています。1672年、プラタップ・マッラ王によって置かれた猿神様の顔には赤い布を被せてあり、見ることができません。
現在、王宮内の一部は博物館として公開されています。短時間でしたが入場して見学しました。

入るとすぐ左手にこんな彫像があります。ナラシンハ(維持の神・ヴィシュヌの化身)が悪魔を退治している姿といわれています。ン…悪魔は美女の姿をしている?用心、要慎、気を付けましょう。



パンチャ・ムクヒ・ハヌマン寺院 中庭北側に謁見室のある建物があり、その横にある円形五層の屋根を持つ珍しい様式の寺院です。中には五つの顔を持つハヌマン神が祀られているといいますが、ヒンドゥー教徒の他は入れません。

(Photo by Inocchi-san)
ナサルチョーク(中庭)の奥には高い塔が見えます。右がバサンタプル・タワー・別名カトマンドゥ・タワー。中央はキルティプール・タワーといいます。
バサンタプル・タワーは外見は5層ですが実際は9階になっています。狭い階段を登ってみました。以前は最上階から中庭や町の景色を見下ろせたのですが、今日は何故か3階辺りから博物館に誘導されました。歴代の王の写真や遺物が飾ってある部屋を、時間を気にしながらグルグル回って別の出口から中庭にでました。