「日本が、社会主義の道に踏み出したときには、その出発点の諸条件を考えるならば、きわめて豊かで壮大な展望が開けてくる」(第26回党大会決議)
米中貿易摩擦の激化、香港市民の民主化運動の継続のなかで、中国は10月1日、建国70年を迎えます。 こうしたなかで、日本国民の中国に対する関心がいっそうたかまりつつあるように思います。 これは日本の未来社会への展望を考える条件ともなっているように感じています。
そこで、あらためて日本共産党の日本の未来社会の展望について、第26回党大会(2014年1月)決議を紹介しご一緒に考えて見たいと思います。
同大会決議は、「未来社会への移行の過程の条件」を2つの面から明らかにしています。 第1の条件は、「経済力の水準について」です。 「決議」は、次のように述べています。
「日本における未来社会を展望した場合には、未来社会への移行の過程の条件は、異なったものとなる。 日本が、当面する資本主義の枠内での民主主義革命の課題をやりとげて、社会主義への道にすすむ場合には、発達した資本主義のもとでつくられた巨大な経済力の水準を引き継ぐことになる」
「その場合には、現在の中国社会で進行しているような経済の急成長、それにともなう社会的矛盾の拡大という現象は、決しておこらないだろう。 日本経済は、現在の水準でも、日本国憲法にいう『健康で文化的な最低限度の生活』を国民すべてに十分に保障できるだけの経済力をもっている」
「社会の現実がそうなっていないのは、財界・大企業の横暴な支配のもとで社会的格差が拡大しているという問題にくわえて、今日の資本主義がきわだった『浪費型の経済』-繰り返される恐慌、大量生産・大量消費・大量廃棄、金融経済の異常な肥大化などーになっているためである」
「生産手段の社会化によって、資本主義に特有の『利潤第一主義』という狭い枠組みから解放され、『生産と経済の推進力』が『資本の利潤追求から、社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展』に移されるなら、人間による人間の搾取を廃止するとともに、現在の資本主義経済のこうした『浪費的な部分』は一掃されることになるだろう」
「そのことによって、現在の社会的生産の規模と水準でも、日本国民すべてに『健康で文化的な最低限度の生活』を十分に保障し、労働時間の抜本的な短縮を可能にすることだろう。 そのことは、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台となり、社会と経済の飛躍的な発展への道を開くことだろう」
10月からの消費税10%増税が迫るなかで、次のような報道もされています。
[大企業の内部留保ー最高更新、449兆円を超える]
「財務省が2日発表した2018年度の法人企業統計調査によると、資本金10億円以上の大企業(金融・保険業を含む)の内部留保は同年度末449兆1420億円となり、過去最高を更新しました」
「内部留保は、企業があげた利益から法人税や配当を払った後に残った剰余利益、資本取引から生じた資本剰余金、引当金などをためこんだもの。 大企業は賃上げを抑制する一方、法人税負担の軽減など政府の優遇政策によって内部留保を積み増しています」「「しんぶん赤旗」3日付)
[生活保護世帯ー163万世帯に]
「今年6月時点の生活保護利用世帯は163万世帯で、うち半数が1人暮らしの高齢者世帯であることが4日、厚生労働省の被保護者調査でわかりました。 単身高齢者のなかで生活困窮が広がっている実態がうかがわれます」(「しんぶん赤旗」5日付)