日本共産党の志位和夫委員長は、香港民主派幹部が一時拘束された8月30日に、直ちに次のコメントを発表しました。 重要なことと思いますので、紹介させていただきます。
「香港の平和的デモのリーダーである黄之鋒氏と周庭氏の2人が香港警察により拘束されたことに強い懸念を表明する。 香港市民の当然の権利である平和的な政治活動に対する当局による抑圧的措置に反対する。 われわれは、事態の平和的な解決を強く望む」
9月2日、「香港島のランドマーク『国際金融センター』を背にする広場に制服姿の中高生が集まった。 ストライブのネクタイ、水色のスカート、白のワンピースーー。 それぞれ異なる学校の生徒たちが、声をそろえて『香港に自由を』と訴えた」(「朝日」9月3日付)
香港市民、学生などの民主化を求める運動がどう発展していくか。 香港当局や、中国本国がどう対応するか。 世界が注目しています。
日本共産党は、30年前の天安門事件を含めて、市民の平和的な政治活動については、政治体制の違いに関わらず、武力弾圧はもとより、政権側の抑圧的な措置には強く反対しています。
中国などの「社会主義をめざす国」をどうみているか、あらためて、日本共産党の党大会決議から紹介したいと思います。
2014年1月に開かれた第26回党大会決議「第6章 日本における未来社会の展望について」では、「日本共産党がめざす未来社会にかかわって、『中国と同じ社会をめざすのか』という疑問がよく寄せられる。 中国やベトナム、キューバの現状をどうみたらいいのか、日本における未来社会の展望をどうとらえるか。 これは大きな問題である」と国民の疑問に向き合い、日本共産党の立場、見解を明らかにしました。
中国やベトナム、キューバの現在と今後をどうみるかという点で二つの角度からの見解を明らかにしました。
「第一の角度は、これらの国ぐには、”社会主義に到達した国ぐに”ではなく、”社会主義をめざす国ぐに”--『社会主義をめざす新しい探究が開始』(綱領)された国ぐにだということである。
日本の政界でもマスコミ報道でも、「中国は社会主義の国」という認識が一般的になっています。 その最大の根拠が「中国共産党が権力を掌握している国」と言う以外に見当たりません。
第26回党大会「決議」は、中国について、次のように述べています。
「中国は、経済規模では日本を抜いて、世界第2位の経済大国になり、世界経済のなかでの比重を年を追うごとに高めている。 同時に、国民1人あたりの国内総生産で測ると、なを発達した資本主義国の8分の1という水準にとどまっていることも事実である。 そのことは中国政府自身が中国の現状を『大量の貧困人口を抱える発展途上国』と規定していることにも示されている」
「こうして中国の場合、社会主義という以前に社会主義の経済的土台である発達した経済そのものを建設することに迫られいるのが現状である。 そして、そうした経済的土台をつくる過程で、中国では市場経済を導入している。 この道が合理性をもっていることは、『改革・解放』以来の中国の経済的発展が証明しているが、同時に、この道を選択すれば、国内外の資本主義が流入してくるし、そこから汚職・腐敗、社会的格差、環境破壊など、さまざまな社会問題も広がってくる」
「中国の将来を展望する場合に、この国が、今後もかなり長期にわたって、貧困とのたたかい、所得格差を縮小するたたかい、政治体制と民主主義の問題など、さまざまな問題と格闘を続けていかなければならないーーそういう国として見ていく必要がある」
「そこには、模索もあれば、失敗や施行錯誤もありうるだろう。 覇権主義や大国主義が再現される危険もありうるだろう。 そうした大きな誤りを犯すなら、社会主義への道から決定的に踏み外す危険すらあるだろう。 私たちは、”社会主義をめざす国ぐに”が旧ソ連のような致命的な誤りを、絶対に再現させないことを願っている」
(つづく)