政府は27日、中東への自衛隊派兵を閣議決定しました。防衛省設置法第4条の「調査・研究」に基づく派兵です。国会審議も経ないまま、トランプ米大統領の対イラン有志連合への参加要請に事実上、応えるものです。国会承認は必要とされておらず、歯止めない派兵拡大につながる大きな危険の恐れがあります。
派遣される予定の「たかなみ」とはどんな艦船なのでしょうか。「ウイキペデイア」で見てみたいと思います。
【たかなみ(護衛艦)ー主な仕様】
〇 就役 2003年3月12日 〇 満載排水量 6300トン(基準排水量 4650トン)
〇 全長 151m 〇 最大幅 17.4m 〇 最大速力 30ノット 〇 乗員 175名
〇 兵装 ・54口径127mm単装速射砲×1門・高性能20mm機関砲×2基・艦対艦誘導弾4連装発射管×2基
・Mk.41VLS×32セル ・HOS-302 3連装短魚雷発射管×2基
〇 搭載機 SH-60J/K 哨戒ヘリコプター×1/2機
等々です。
「たかなみ」の艦歴にも注目したいと思います。
「豊富」な艦歴の一部を見てみたいと思います。(「ウイキペデイア」より」)
「2014年7月15日、第19次派遣海賊対処行動水上部隊として、「おおなみ」と共に横須賀を出航した。アデン湾においてNATO 軍と共同訓練を実施、デンマーク海軍戦闘支援艦『ESBERN SNARE』(エスベアン スナーレ)とともに通信訓練、戦術運動、立入検査訓練等を行った。10月16日にはEU海上部隊と共同訓練を実施、イタリア海軍駆逐艦『ANDREA DORIA』(アンドレア・ドリア)とともに同様の訓練を行った。
こうした、艦歴からも「たかなみ」の今回の「出撃の理由」が、「調査・研究」に留まらない大きな危険性をひしひしと感じます。
「調査・研究」での派兵について、「東京新聞」28日付に柳沢協二 元内閣官房副長官補の「寄稿文」が掲載されました。同氏次のように指摘していますす。
「今回の派遣は、対イラン有志連合を主導する米国と、日本が敵対したくないイランの双方に配慮した政治的シグナルとしても分かりにくい。緊張が高まる中での軍事的対応は、相手を刺激して対立が激化する安全保障のジレンマを招きやすい。それを避けようとすれば、軍事的意味がない行動を取らなければならない。それが調査・研究という奇手の真意だ」
「朝日」紙28日付は、現場の自衛官の声を紹介しています。
「幹部自衛官は『海賊と、別のリスクとが同時に起きた場合、現場は迷いかねない。危険につながる』」「『現場の安全より、日程ありきで物事が決まった印象』」「あえて行く必要があるのか。無用な刺激になるのでは』」など、率直で、真剣な声を伝えています。
日本共産党の小池晃書記局長は、自衛隊の中東派兵の閣議決定に対して、「厳しく抗議 撤回を求める」表明し、次のように強調しました。
「日本がやるべきことは、トランプ政権に核合意に戻るように説得すること、イランに緊張を高めないように自制を求めること、9条を生かした平和外交でこの地域の平和の実現に努力することだ」
日本がアメリカに従属し、主権を失い続けていることが、自衛隊の中東派兵ー戦争への道、という憲法違反政治が深刻な形で現れつつあります。2020年は平和の祭典、東京オリンピック・パランピックが開催される年です。日本国民の主権を回復し、平和と民主主義を求めるたたかいがいっそう重要になってくると感じています。