じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

伊藤左千夫「守の家」

2023-12-10 15:11:02 | Weblog

★ 今年もあと3週間。好天につられて季節を忘れる。冬期講座の準備をしなくては。

★ 現代文ばかり読んでいるので、気分を変えて少し古い作品を読んでみた。伊藤左千夫の「野菊の墓」(新潮文庫)から「守の家」。

★ 「野菊の墓」と言えば、切ない初恋の物語。「守の家」もある意味初恋の物語だった。

★ とはいえ主人公は数えで5つになろうかという幼児。憧れの相手は自分を守りしてくれる15歳の女性だ。今の時代ならまだ中学生ぐらいだ。

★ 初恋と言うにはあまりに幼いが、この年長の女性へのあこがれは母や年の離れた姉とはまた違った感情のようだ。

★ 「野菊の墓」同様、この女性は縁談に恵まれず、若くして亡くなったとして物語は幕を閉じる。

★ 明治45年の作品だということで、その時代の空気を感じることができた。

 

☆ さて、岸田政権はそろそろ末期。まさか指揮権の発動はないよね。

☆ 細川連立政権の成立が1993年、鳩山民主党政権の成立が2009年。およそ15年で、短期で形ばかりとはいえ政権交代が起こっている。

☆ 与党が不振なら、本来(憲政の常道とか)野党第1党が政権取りに動くのだが、その機運も高まっていない。倭国乱れて卑弥呼立つ。初の女性首相の誕生か。

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宮本輝「寝台車」

2023-12-08 15:04:24 | Weblog

★ 高校の期末テストは後半戦。それが終われば少しはゆっくりできそうだ。

★ 永田町界隈では最近「差し控える」という言葉が大流行。「控える」はともかく「差し」という言葉は何故付いているのだろうかと気になった。「差し上げる」「差し迫る」「差し出がましい」などと同源なのだろうか。

★ どうも政変の兆しを感じる。

★ さて、きな臭い話題はさておき、今日は宮本輝さんの「幻の光」(新潮文庫)から「寝台車」を読んだ。さすがに「うまいなぁ」と感じる。

★ 主人公は大阪にある中小企業のエンジニアだった。会社の都合で配置転換され、経験のない営業畑に回された。それから飛び込み営業でせっせと販路を開拓し、ようやく大きな契約にこぎつけた。そして最終的な打ち合わせのために上京することに。

★ 会社の残務で新幹線の最終に間に合わず、寝台車「銀河」で東京に向かうことにした。寝台車で揺れながら、彼はいくつかの回想に耽る。(この回想がなかなかいい)

★ 情景が見えるような作品だった。

★ 時代は流れ、もはや「銀河」は走っていない。速さは魅力だが、ゆっくりもまた情緒がある。

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向田邦子「無口な手紙」

2023-12-06 13:58:36 | Weblog

★ 12月ももう6日。今年もそろそろ年賀状の準備をしなければいけない。以前は100通ほど送っていたが今では30通程度に減っている。それでも毎年頂いている方へは送らないわけにはいかない。(音信がないと死んだのかと思われる)

★ 最近はラインやメールが主流で、自筆の手紙やはがきなどほとんど書かなくなった。

★ ハガキと言えば、中学2年生の国語の教科書(東京書籍)に載っている、向田邦子さんの「字のない葉書」が印象的だ。

★ 戦時中、向田さんの妹は疎開した。妹はまだ字が書けなかったので、父親があて名を書いた大量の葉書を渡した。元気ならばマルを書いて投函するようにと。最初書かれれていた大きなマルが、だんだん小さくなり、とうとうバツになり、そして葉書が来なくなった。

★ 母親が迎えに行った時は虱だらけで病床に臥せっていたという。妹が帰宅したときの父親の号泣が印象的だ。常日頃威張り散らし、時には暴力も振るう父親だったが、妹を抱きしめ泣いたのだ。

★ 向田さんの「男どき 女どき」(新潮文庫)に「無口な手紙」という掌編があり、そこでこのエピソードが採録されていた。

★ 手紙のコツは「簡潔 省略 余韻」だという。なるほど。

★ 手紙を書くのが苦手だという向田さん。しかし、「どんなに悪筆悪文の手紙でも、書かないよりはいい。書かなくてはいけない時に書かないのは、目に見えない大きな借金を作っているのと同じなのである。」と結ばれている。

☆ 年賀状を書く意欲が少しは湧いてきた。

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原尞「子供を失った男」

2023-12-03 20:56:13 | Weblog

★ 今日は朝から高校入試の模擬試験。同時に、高校生が期末試験の勉強でやってきていた。家から1歩も出ることなく1日が終わる。

★ さて今日は、原尞さんの「天使たちの探偵」(早川書房)から「子供を失った男」を読んだ。疲れた時は込み入ったトリックよりも、ハードボイルドがありがたい。

★ 探偵業・沢崎のもとに今日は韓国籍の男がやってきた。近くの道路で幼い娘を事故で亡くし、今度は見知らぬ男から現金を要求する電話を受けたという。

★ この男、今では世界的な指揮者だという。ただ彼にも修業時代の苦労があり、その頃彼を支えた女性との別離も経験している。

★ 脅迫者は、この女性がらみのものなのか。そして娘の交通事故と何か関係があるのか。探偵ならではの嗅覚で、沢崎は真相に迫っていく。

★ ハードボイルドの魅力はセリフのカッコよさかな。

☆ さて今年もあと4週間。仕事に追われるのではなく、仕事を追い求めるような日々を歩みたい。

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小川糸「ポルクの晩餐」

2023-12-02 21:01:59 | Weblog

★ 高校生の期末テスト対策と中学3年生の土曜特訓で1日が終わる。明日は朝から五ツ木の京都模試だ。

★ 忙しかったので昼食は超久しぶりに「ボンカレー」(スーパーで安売りしていたので)を食べる。最近、レトルトのカレーとひきわり納豆を組み合わせたカレーライスにはまっている。夜は「鍋」。3人前作ったので、塾生にもおすそ分け。冬はやっぱり鍋がいい。

★ 料理と言えば、小川糸さんの「あつあつを召し上がれ」(新潮文庫)から「ポルクの晩餐」を読んだ。豚と同棲している男の話。

★ 何があったか心中しようと思い詰め、どうせするなら盛大な晩餐をと花のパリにやってきた。

★ ずいぶんとぶっ飛んだ話だが、作品の中で次々出てくる料理にうならされる。家庭料理も良いが、やはりここぞというときはプロの料理だ。なじみ深いポトフも、ここでは一味も二味も違う。

★ ふと気づけば、今年もあと30日か。ため息が出る。

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浅田次郎「ろくでなしのサンタ」

2023-12-01 19:40:14 | Weblog

★ 12月に入った。京都の大学では今日、公募制推薦入試の合格発表が多く、うれしい知らせが届いている。少子化の中、広き門がありがたい。

★ 高校入試に向けては、京都府公立高校の希望調査の結果が公表された。中学3年生を対象に毎年11月末に公表されている。最近は私学に押され気味の公立高校。人気の差が歴然としている。ずっと定員割れの高校は市場原理から言えば統廃合だが、そこは政治的な力が働いているようだ。

★ さて12月ということで、浅田次郎さんの「鉄道員」(集英社文庫)から「ろくでなしのサンタ」を読んだ。

★ 客引きで逮捕された男。警備な罪なので早々に釈放された。その日はクリスマス・イブ。ブタバコで知り合った男の話を聞いて、彼はあることを計画する。

★ この男、名前を三太といい、どういうわけか、サンタを演じてしてしまった。根はいいやつのようだ。

☆ 日曜日はまた模擬テスト。近隣の小中学校は22日が終業式。世の中がクリスマスだ、お正月だと大騒ぎしているのを横目で眺めながら、25日から1月8日までは恒例の冬期講座だ。

☆ 多忙こそ健康の秘訣なのだが。

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