じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

山田詠美「サヴァラン夫人」

2023-12-16 23:32:03 | Weblog

★ 来年の大河ドラマは紫式部が主人公。「宇治十帖」など縁の深い宇治市民としては、少なくとも最終章ぐらいは読んでおかなくては、と「あさきゆめみし」を探すが、いつか塾生に貸したらしく見つからない。ネットで原文と対訳を読む。

★ 主人公の「薫」とライバル「匂宮」というネーミングが面白い。薫はクールな美男子の上にいい香り(体臭)がしたという。平安時代の人は風呂に入っていたのだろうか。ボディシャンプーなどはなかろうし。ぬか袋では良い香りは程遠い。

★ 体臭は食べたものが影響するともいう。肉食主体の欧米人は結構体臭がきつい。年をとると酸っぱい感じの加齢臭が気になるが。

★ 山田詠美さんの「珠玉の短編」(講談社文庫)から「サヴァラン夫人」を読んだ。主人公のマリが憧れる夏子さんという女性は、精神科医を辞めて占い師になったという。

★ この稼業、自分探しの女性たちに口コミで広がり、繁盛している様子。この夏子さんはクライアントにまず「どんなものを食べていらっしゃるの」と尋ねる。会話の糸口かも知れないが、この質問への回答で、おおよその人物像がわかるという。

★ カウンセラーにせよ、占い師にせよ、クライアントはすでに答えを持っている。

★ 作品中に「ゲスの極み乙女」が出てきて懐かしく感じた。

★ ところで「源氏物語」、最後は何とも言えない尻切れトンボで終わっている。あとは読者にお任せということか。これはこれで、後味の悪さが余韻にもなっている。

★ そもそもが印刷技術が発達していなかった時代、書写を重ねるうちに、誰かが創作意欲を燃やし手を加えたのかも知れない。

コメント