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卍の城物語

弘前・津軽地方の美味しいお店と素晴らしい温泉を紹介するブログです

芦野公園~津軽の旅(5)

2008-03-06 22:15:13 | 観光地
津軽の旅も佳境である。
数日懸けて津軽半島を周り、この太宰治の津軽があったからこそ、私はこんな何もない田舎に愛着を覚えるのであろう。
全国各地どこにでも歴史があり、観光地と呼ばれる素晴らしい自然や建物があるものであるが、私は郷土愛と言う普遍的なものから、津軽周辺を愛している。

とりあえず、またもや「斜陽館」に行く。
「マデニー」で「押切もえが振り返る太宰治」みたいなヘンテコなDVDを販売している。
押切もえがどれだけ太宰が好きかは知らんし、多分あまり詳しくないと思われるが、押切もえではなく、エビちゃんだったらDVDを購入したに違いない。

ここはいつ行っても観光客がウジャウジャいる。
文系の若い大学生の集団から、太宰治という名前しか知らないであろうオッサンオバチャンが、歴史ある建築物としての斜陽館を巡るツアー客の集団まで様々。

金欠ながら、斜陽館に入るか迷ったが、20人位の集団が入館していったので、バカらしくなって後にした。

そういえば「津軽」の中で「芦野公園駅」について触れる場面があるので、寄った。
「芦野公園」という巨大な公園は、桜の名所でもあり、芦ノ湖という沼もあり、桜よりは、松が生い茂っており、美しい風景を形成している。

とりあえず散歩する。斜陽館からは徒歩で10分も掛からないであろう近所なので、若き太宰もここで遊んでいた事であろう。
「芦ノ湖」は冬なので、見事に凍結している。

小さい規模ながら、動物園もあり、冬なのか、経営の問題かは不明だが、半分ほどの檻には動物不在。少ない動物を歩きながら見ていると、鹿と目が合った。物凄い悲しい目をしていたのである。これくらいの規模なら閉園したほうが動物の為にも良かろうかと思った。

公園には太宰の記念碑があるとのことで探すが、除雪もしておらず、ヤブを漕いでその記念碑まで辿り歩いた。
この記念碑には、有名な文章が書かれておるが、積雪の為に文字が隠れていたので、雪を掻いでおいた。夏場は景色も美しいだろうが、津軽の冬は何もかも寂しくさせる。ヤブを漕いで後にする。

芦野公園駅は無人であり、隣接するカフェで切符を販売している。
おそらくこのカフェは太宰ファンから愛されているように思われるが、ダラダラコーヒーを飲んでる場合ではなく、先を急がなければならない。

最後に、芦野公園での出来事を書いた文章より。

金木の町長が東京からの帰りに上野で芦野公園の切符を求め、そんな駅はないと憤然として、津軽鉄道の芦野公園を知らんかと言い、駅員に三十分も調べさせ、とうとう芦野公園の切符をせしめたという昔の逸事を思い出し、窓から首を出してその小さい駅を見ると、いましも久留米絣の着物に同じ布地のモンペをはいた若い娘さんが、大きい風呂敷包みを二つ両手にさげて切符を口に咥えたまま改札口に走ってきて、眼を軽くつぶって改札の美少年の駅員に顔をそっと差し出し、美少年も心得て、その真白い歯列の間にはさまれてある赤い切符に、まるで熟練の歯科医が前歯を抜くような手つきで、器用にぱちんと鋏を入れた。少女も美少年も、ちっとも笑わぬ。当り前の事のように平然としている。少女が汽車に乗ったとたんに、ごとんと発車だ。まるで、機関手がその娘さんの乗るのを待っていたように思われた。こんなのどかな駅は、全国にも類例が無いに違いない。金木町長は、こんどまた上野駅で、もっと大きな声で、芦野公園と叫んでもいいと思った。

続く。

古遠部温泉

2008-03-05 00:25:16 | 温泉(平川市)
ちょっと時間があったので、出来るだけ遠い温泉に行こうかと思った。
そして歴史のある古い温泉もいいなと思った。その名の通り「古遠部温泉」へ。

地図を見ただけだとすぐ着きそうなんだけど、なんせまだ冬なので、積雪が大変だろうかと苦慮しながら向かう。
国道282号線を、秋田方面へ向かう途中に、林道のような道路があり、左折する。
勘も当たり、このところの好天にも関わらず、見事に道路は積雪。だけど丁寧に除雪してある。
だが狭い道路は車一台しか通れないほど。向こう側から車が来ない事を祈りつつ、しかもこんな山奥に温泉が本当にあるのか心配しながら運転し、暫くすると一軒屋のような古ぼけた建物が現われる。ここが秘湯の古遠部温泉です。

秘湯といっても、温泉好きにはメジャーらしく、かなり人気があるらしい。
場所柄、秋田に近い事もあり、秋田ナンバーの車も多数いた。

ここは宿泊と湯治がメインらしく、宿泊プランや湯治の料金は書いてあったが、日帰り入浴のみの料金は記載してない。
だが温泉ブックによるとそう高くはないと書いてあった。番頭のご主人らしき人に260円だと聞いて支払う。

浴場を探し、奥まで歩く。ギシギシと床板が泣く歴史感じる建物である。
脱衣場にはオッチャンが二人話しており、だが浴場は誰もおらず。ラッキーでした。

浴場は総ヒバ造り。本当に窓以外全部ヒバ。床もヒバらしいのだが、温泉成分によって、岩のように茶色く固まっている。
だが、お湯は白く濁ってはいるが、ほぼ無色である。窓の外を見ると、排水溝から流れた温泉によって、辺りは茶色く変色している。もちろん山奥なので森くらいしか見えないし、しかも雪が積った木々を眺めながら浸かれる。ガラス窓が二つもあり、風景を堪能できるようになっている。

ここで気付く。カランがない!!ガラスとシャンプーなどを載せれる台が二つあるだけ。一瞬戸惑ったが、味のある作りにちょっと嬉しくなってきた。桶で湯船から直接汲んで、体を洗う。なんとも味わいがあるではないか。

湯船はもちろんヒバ作りで、6人位入れる。
お湯は白濁で、物凄いスベスベ感です。肌がギュッギュッと鳴るくらい。
体や髪を洗う時は、いつもの量だと絶対泡立ちません!髪洗って流しても、まるでワックスをつけたようにツベツベしてます。

湯温は43度くらいかな。熱くもなく、ぬるくもない丁度よい温度。
しかも湯口からドカドカとかけ流れており、一つしかない排水溝が間に合わず、床は常にお湯が溜まっている。
なので、寝湯が普通に出来、湯船からの溢れ出たお湯が貯まった床で桶を枕に寝る。これが超気持ちいいです!寝湯できるスペースもあります。

味はかなりの金属味。ややダシ味。
湯口に湯のみが置いてあり、どうやら飲んでも効能があるとのこと。でも個人的にはこの味は絶対飲めない。
というか、カランがないので、水が出ず、クールダウンが出来ない。そのため、お湯に浸かりすぎたのか、思いっきりのぼせました・・・。

帰りはあっという間に辺りは真っ暗になっており、何もない森の中にポツンと建っているこちらを寂しく後にした。

こんな冬場なのに、宿泊客がそこそこいました。
夏場なら環境はいいので、蛍など見れて、空気もおいしそうだし、最高でしょう。かなり込み合うらしい。
だけど今日は客もそんなにおらず、ほぼ独り占め出来てとても幸せでした。

お湯も最高だし、浴場も風情があって、しかも安い。これは素晴らしい温泉です。
春になったらまた来たいです。

オススメ度(温泉評価)・☆☆☆☆

泉質・含石膏弱食塩泉
泉温・41.5度(源泉掛け流し)
効能・慢性リゥーマチ、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、小児麻痺など

料金・280円
備品・なし
施設・宿泊

住所・平川市碇ヶ関西碇ヶ関山1-467
電話・0172-46-2533
時間・9:00~20:00

味助

2008-03-04 22:50:19 | ラーメン屋(南津軽)
風邪菌はしつこく体に居候しているのにも関わらず、ついついチャットモンチ-のスープと一緒に飲みすぎてしまう今日この頃。
頭痛の中、昼間からラーメン食べに出かける。

「高橋中華そば」に行ったが、見事に3連休している始末。
なので、煮干中華の隠れ名店といわれている「味助」に行く。
ネットで結構有名なので、初めて行くことに。
場所も定かでなく、迷ったけどなんとか辿り付く。

お店は小さい食堂といった佇まい。
店内には気さくなオバちゃんが切り盛りしていた。
とはいっても客はおらず、だが近所のオバちゃんらしき人と長々と雑談していた。

メニューは中華そばと焼きそばとライスくらい。
「大盛りないの?」と言ったら「あるよ。100円増しで。あるんだから書いておがねばわがんねえべな」と楽しげに返す。

店内には煮干が袋詰で売ってあった。ここのラーメンはもちろん津軽中華超煮干系である。
中華そば550円也。

ドカンと鼻につく煮干のかまりっこ。スープは濁っていて、決して見た目はよくない。細かい煮干の粒が目に付く。
実は超煮干系があんまり好きじゃない私。でも食べてみないことには文句もつけようもないので、期待せずに食べる。それがなんとウマイ!
スープは濃厚煮干味だが、単純な魚味ではなく、動物系も含んだ深い味わいになっている。スープだけでもおいしかった。
濃厚なのに全然こってりしておらず、あっさり飲める。

麺は手打ち細縮れ麺。手打ち麺がコシがあってするする進む。とても食べやすい。

具はチャーシュー、めんま、ねぎ、麩。チャーシューは干し肉並みに固く、しねえ。
ガムのように噛み続けるとおいしいかも。

大盛りだけど食が進み、すぐ食べてしまった。焼きそばも食べてみたかったところ。
尾上は黒石と負けず劣らず焼きそばが有名である。

期待していない分、かなりおいしく感じたのかも。でも是非また食べたい。
ちなみにここのオバちゃんは高橋中華そばが大好きなんだって。

オススメ度(ラーメン評価)・☆☆☆☆

住所・平川市尾上高木字原富209
電話・0172-57-5733
営業時間・11:00~17:00
定休日・月曜日

チャットモンチ- レストラン スープ

2008-03-02 02:59:55 | ロック
チャットモンチ-のライブDVD遂にリリース。
同時発売のシングル「ヒラヒラ開く秘密の扉」も絶好調です。

ライブは去年の七夕に日比谷野外音楽堂で行われた「七夕ライヴ~天まで響け!!~」を収録。

ライブは夕暮れから始め、段々と日が暮れていき、夜の帳が降り始めて、夜も更けていく頃に終わる構成。
野音はかなりのキャパがあるけど、ホールやライブハウスなどの密着間が全然ないので落ち着くだろうけど、ヒートアップしにくそうな会場である。

映像はデジタル時代あっぱれといった高画質。私のアナログブラウン管テレビでも綺麗に映っています。

そしてチャットモンチ-登場。
いきなり感想いいますが、これは素晴らしい!歴史的なライブである。
といっても、演奏レベルは青森クォーターで観たのとなんら変わりない。
チャットモンチ-の普段の全速力のライブが収録されただけでそれは歴史に残るのである。やっぱり彼女たちは世界一のロックバンドである。

結局、私たちはもうビートルズもレッドツェッペリンもキングクリムゾンもエマーソン、レイク&パーマーもライブは観れないのである。ツェッペリンやクリムゾンは今後もライブしそうな雰囲気はあるが、絶頂期のライブはもう観ることが物理的に無理なのである。
私の愛するロックバンドは過去のものである。昔のCDを聴くのが精一杯である。
そして、ロックは完全に死んでいたと思っていたが、こんなポップスも死んでいる時代に、チャットモンチ-というロックバンドがよくぞ生まれたものである。これは神に感謝すべきである。

というわけでセットリスト。
1.女子たちに明日はない
2.ハナノユメ
3.手の中の残り日
4.さよならGoodbye
5.ウィークエンドのまぼろし
6.ツマサキ
7.バスロマンス
8.プラズマ
9.終わりなきBGM
10.恋愛スピリッツ
11.どなる、でんわ、どしゃぶり
12.とび魚のバタフライ
13.一等星になれなかった君へ
14.惣たる蛍
15.世界が終わる夜に
16.恋の煙
17.湯気
18.シャングリラ

アンコール
1.風
2.東京ハチミツオーケストラ
以上。

この当時のほぼ最強のラインナップ。見所を掻い摘んでいきましょう。

いきなりオープニングは女子たちから。
そして、みんな大好き、ハナノユメ。
嬉しいのはツマサキが聴けたこと。恋愛史上少女主義全開のカワユイナンバー。
恋愛スピリッツのアカペラは、オフマイクという離れ業を披露。決して歌唱力があるとはいえないが、このパワフルロリータボイスは唯一無二のロックボーカル。誰も敵わない。
あと、3Dこと、DonaruDenwaDoshaburiも隠れた名曲。やはりチャットモンチ-の真髄はハードロックにありと思う。
恋の煙なんかもそうだが、鈍器で脳天をかち割るくらいの衝撃的なロックナンバーを作れるのはチャットしかいない。
どなるの後に続いて、ウルトラポップサマーチューンのとび魚。このギャップたるや!特別ゲストにフラダンサーがフラフラ舞う。クラップ&ステップもウルトラキュートでお馴染み。

ここでちょっと長めのMC。七夕ということで、メンバーのちょっとやりたい願い事を観客たちに頼む。チャットモンチ-が体育教師、タモリ、水戸黄門になった伝説の日。

ラストパート。惣たる蛍も珍しい、トラディショナル童話をフレーズ引用。
シングルのB面も3曲と多く組み込まれている。
本編ラストは、次世代ロックアンセムのシャングリラ。次世代の彼女たちが作った次世代のロック。タテノリで踊るアホウたち。

アンコールのラストはハチミツ。東京だしね。

今更言うのもなんだけど、えっちゃん可愛すぎる!世界一のロックバンドのフロントマンなのに、何故かカワユイ。
イノセントロックガールは淡々と歌い、飄々とギターを弾き、曲が終わればオドオド。こんな小動物は天然記念物にすべきである。

あっこはお馴染み、勝気なパンクガールスタンス。バッキバキベースがカッコヨイ。最近可愛くなってきたと思っていたらまた髪をばっさり切ってパンクになったね。

クミコはお馴染み、チャットのお母さんスタンス。二人のイッコだけ上だというのに、母たる温かさ。父たる力強さを見せ付ける。
ドラムも益々テクニカルに磨きを懸けている。爆裂なのにグルービーで繊細。チャットの曲の半分はクミコのドラムで出来ているといっても過言ではないか、いや過言である。せめて3割りにしよう。それくらい良いドラミングをしている。

最初は値段が高くて買うのを戸惑ったが、買って損はない。これは一生観るかもしれない。
唯一気になるのが、観客のノリの悪さ。お前ら本当にファンか!?と疑わずにはいられないほどの大人しさ。
野外の開放感があり過ぎたのかもしれんが、狂喜乱舞して然るべきのライブの内容だったのには違いない。

結局、音楽の最高到達点はロックである。70年代に隆盛を極めたロックという一ジャンル。それはパンクというロックのフラストレーションが生んだ核爆弾で自爆してしまう。そして、長い長い沈黙を破り、ロックの神はこの現代に不死鳥のように甦った。それは女神であった。

現実がどんなに厳しく困難であろうと、チャットモンチ-がいるじゃないか!本気でそう思っている。

オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆