卍の城物語

弘前・津軽地方の美味しいお店と素晴らしい温泉を紹介するブログです

高照神社

2009-08-12 22:23:12 | 神社・仏閣
羽黒温泉に行ってから時間が余ったので、どこかに立ち寄ろうと思って車を走らせていると、道路脇に「高照神社・宝物展」なる看板を見た。
この看板は結構前から岩木山の主要道路のいろんなところにあって気になってたが、なかなか行こうとは思わなかった。
だけど今回は時間もあったのでフラッと立ち寄る事にした。

近くの岩木山神社はいつも観光客がたくさんいるが、高照神社に着くと、観光客など誰もおらず・・・(ちょっと経ってからサイクリング中の2人が来たくらいだ)。

広い境内には巨木の杉があり、左手に「宝物展」開催中の蔵があった。300円も取られるから入るかどう迷ったが、その日は火曜日の定休日だった・・・。どちみち入れず。

門を潜ると拝殿。そして奥に本殿がある。
鮮やかな朱色が眩しく、建物も古式ゆかしい見事な造りだ。
拝殿の隣にナントカ殿と書かれた堂があるが、いつ壊れてもおかしくないほどボロイ。見た目はそんなに価値があるように思えないので、取り壊すか立て直すかどちらかにした方がいいのでは思った。震度4くらいで全壊しそうだもの。

さて、高照神社の歴史と由来を辿ってみる。

名君と呼ばれた津軽4代藩主信政の遺志を継いで、5代藩主信寿が1711年に建立。
社殿は吉川神道に基づき、東西に建物が一直線に並ぶ配置で、全国的に類例が無い。
明治十年、藩祖津軽為信公を合祀する。
平成一八年、高照神社の社殿建造物八棟と信政公の御廟である墓二基が国の重要文化財に指定される。

本殿をぐるりと後ろに回り、そして林の中へ真っ直ぐつき進むと、信政の御廟がある。

この林道がまた奥ゆかしい。
石畳の参道は苔が生え、日光を遮った清涼な空気感が、外界の猛暑と全く違っている。
200m先にひっそりと佇む廟所までの距離が異世界との橋渡しに思える。

この杉林は明治時代まで一本も木が生えておらず、乗馬場だったと記されており驚く。

廟所を参拝してから元来た道を戻り、そこから右折する道があり進むと、信政だったか信寿の家臣の廟所がある。
藩主が死んだと聞きつけ、忠心の強き余りに自害したとされ、忠義を讃えられてここに建立されている。ここもひっそりと建っている。

こんな伝統のある神社になぜ今まで来ていなかったのかと恥ずかしく思う。
神聖さに於いては、岩木山神社より明らかに高照神社の方が強く感じられる。

宝物展は10月くらいまで開催しているので、この機会に参拝してみてはいかがでしょうか。

住所・青森県弘前市大字高岡字神馬野87
電話・0172-83-2426