客乗連絡会

客室乗務員が集うCAのひろばです

サービス残業

2006-12-15 21:42:34 | かんたん法律Q&A
Q、最近、全日空で未払いだった残業代が支払われたと報道されていましたが、良く内容がわかりませんでした。それはCAにも適用されるのですか?

A 11月24日、全日空ではパイロットやCAなどのシフト勤務者を除く一 般職社員の7割 に当たる約1300人に、今年6月まで2年間の未払い賃金、総額約6億8000万円を支払ったと発表しました。これは全日空大阪市店の社員が労基署に告発して労基署の立ち入り調査が入り、申告の無い日の残業や、労使協定よりも長い残業が発覚し、労基署が時間外や深夜割増の賃金を支払うよう全日空に是正勧告していたものです。一人当たりのサービス残業時間は平均約161時間、支払額は約51万円でした。

サービス残業(=ただ働き)は、2001年4月に厚生労働省が割増賃金の未払いや過重な長時間労働を防ぐために、各企業に労働時間を管理する責務があることを明確にした通達を出し、違法な実態については改善するよう求めています。

もともと「労働時間」とは一般的に「労働者が使用者の指揮監督下にいる時間」をいうとされています。私たちCAの仕事であれば当然、「乗務開始前あるいは乗務終了後の定められた時間」は労働時間です。しかし、最近の裁判例では「労働者に義務付けられたり、しないと不利益を受けるもの、業務に必要不可欠あるいは業務と密接不可分なものは労働時間」と解釈され、作業服の着替えに関しても労働時間と判断しています。ですから、CAの制服の着替えや毎日のフライトに関する旅客情報等の調べものや、安全/サービス/セールス等の自学習、イレギュラーやクレーム等のレポート作成も本来労働時間としてカウントされるべきです。また、各種イベントやボランテイア参加も自発的に参加しているのではなく、会社の指示で参加するものについては労働時間として扱われるべきでしょう。自宅への持ち帰り仕事に関しても、使用者には自宅での仕事を労働者に命じる権限はないので、労働者はこれを命じられても従う義務はありません。
参考資料:「労働契約Q&A 会社であなたをまもる10章」日本評論社発行

JAL岩本さん労災裁判勝利!!

2006-12-09 21:17:06 | TOPICS JALグループ
 乗務で香港ステイ中、くも膜下出血で倒れた日本航空客室乗務員の
岩本章子さんは、労災認定を求め不自由な身体をおして裁判を行って
いました。地裁では労災を認める勝利判決が出されていましたが、続く
東京高裁でも11月22日、みごと全面勝利判決が出されました。

 高裁判決は、「客室乗務員の勤務の特殊性」を認め、以下の内容に
言及した画期的なものでした。

 ・勤務の開始・終業時刻が一定しておらず、不規則性を伴った業務
  である
 ・加えて、振動、騒音、タービュランスに曝露されたり、食事や休憩
  が満足に取れない、不審者への対応など機内の秩序維持に気を配ら
  なければならないといったように、身体的・精神的ストレスにさら
  されやすい業務環境にある。
 ・また、国際線では、時差や気候の急激な変化による負担が加わる。
 ・75時間を超える乗務が6ヶ月も続く業務は、非常に大きな負荷を
  生じさせるものである。
                              等々
 
今JALでは、これまで月間85時間だった乗務時間制限が90時間に
改悪され、健康への不安が多く出されています。また、ANAでは2年前
から乗務時間制限が100時間(年間ではナント1080時間!)に改悪
されました。また他の関連会社でも、月間100時間制限という、欧米水準
からかけ離れた厳しい労働条件を強いられています。

安全を担う客室乗務員がこのような負荷の高い勤務で、使い捨て同様の働き
方でいいのか、岩本さんの判決を機にみんなで考えたいですね・・。

ともあれ岩本さん、本当におめでとうございます!! 10年間たたかって
こられ本当にお疲れ様でした!!来年は定年退職されますが、岩本さんの
成果を、すべての客室乗務員のいのちと健康に役立てる事ができるよう、客乗
連ではひきつづき頑張りたいと思います。

なおその後、国は上告をあきらめたとの事・・!これで岩本さんの労災認定が
確実なものになりました~! バンザ~イ!!