11月30日、東京高裁で、JAL契約制客室乗務員の雇い止め
の撤回を求める裁判の高裁判決がありました。 判決内容は、
上司による退職強要を認めたものの雇い止めは有効である
とする、一審判決をほぼそのまま引き継いだ内容でした。
日本の客室乗務員は、1994年以前はどの航空会社でも
正社員として採用されていました。しかしその後、コスト優先の
施策から契約制客室乗務員としての採用に切り替えられ、保安
要員として、また機内サービス等においても訓練や業務内容が
全く同じであるにもかかわらず、入社後3年間は不安定な雇用
形態を余儀なくされています。
契約制客室乗務員の導入当時は社会的に大きな問題となり、
当時の運輸大臣は国会で 「3年後にはよほどの事がない限り
正社員に切り替える」 と約束し、航空会社に行政指導を行った
経緯があります。
本来、乗客の命を預かる保安要員として、安定した雇用と経験の
蓄積は不可欠なものです。
国際民間航空条約(ICAO条約)と日本の航空法では、初期訓練、
及び毎年一回行なわれる定期救難訓練に合格すれば客室乗務員と
して乗務できることになっています。 原告のSさんはこれらの厳しい
訓練をすべて合格し、保安要員として、またサービス要員としてレポート
に上がるような問題も起こさず日々の業務をこなしていました。会社が
雇い止めの理由として挙げた些細なミスは、客室乗務員であればだれでも
起こりうる事であり、中にはねつ造までされるという理不尽なものでした。
こうした事実を認めず雇い止めを容認した高裁判決は、とても納得の
できるものではありませんし今後の安易な雇い止めの増加につながる
危惧を持たざるを得ません。
客乗連絡会は、引き続きすべての契約制客室乗務の雇用の安定、
正社員化に向けて一層努力していく決意です。
そして、これまで裁判をたたかってきた原告のSさんの勇気にあらためて
敬意を表したいと思います。
今後とも頑張りましょう!!