Q ICAO(国際民間航空機関)の条約に、疲労リスク管理システム
(FRMS)が取り入れられたって聞いたけど、どういうこと?
A これまでの航空機事故の15~20%で、「人間の疲労」がその発生
原因に関係すると、2010年のストックホルムでの「疲労シンポジウム」
で発表されました。 このため、「疲労をリスクとしてきちんと管理して
いこう」という流れになり、ICAO条約(航空法の大もとになっている国際
条約)にこの内容が取り入れられました
Q それが、FRMS(Fatigue Risk Management System)なの?
A そうです。「疲労を安全運航に影響を与えるリスク」としてとらえ、「体系
的に疲労のリスクを回避、またはマネージメントするシステム」です。
つまり、「疲労の科学的知見の取り入れ」が国と航空会社に必要ということ
です。
Q ふ~ん、どうやって取り入れるの?
A 「疲労管理教育」の実施や、「適切な勤務割、シフトの作成」「疲労報告
制度」の新設、その他、様々な手法で疲労のリスクを管理しなさいという
ことです。
Q では、日本の航空局でもその流れを取り入れた規則をつくるってこと?
A この間、局に聞きに行ったところ、まだ研究がはじまったばかりだと言って
ましたよ。
Q じゃあ、まだまだ私たちのきつい勤務は改善されそうにないか・・・
A そうあきらめないで、まず私たちが自分が健康で乗務できるスケジュールを
研究し、提案していくことが大事ですよ。
Q 今、どこの航空会社も客室乗務員の勤務がきついって聞いてるわ。このFRMS
を反映したスケジュールになるといいな。
A みんなで、「人間らしくはたらける勤務のルール」を研究し、つくっていきたい
ですね。