客乗連絡会

客室乗務員が集うCAのひろばです

訪米調査に参加して・・・

2007-12-30 23:55:02 | SPECIAL EDITION
今年もあとわずかとなりました。
皆様はどこで新年をお迎えでしょうか・・?

12月3日から7日まで、航空連の乗員、整備、グランド
ハンドリングの方たちと一緒に、客乗連絡会から2名が、
米国の航空で働く各職場の実態調査に参加してきました。
(合計13名参加)

まずIAM(国際機械工・航空宇宙産業労働組合―組合員数
73万5千人)を訪問し、客乗に関してはここに加盟している
コンチネンタル航空の客室乗務員(組合員約1万人)の役員の
Carlaさんと質疑、意見交換しました。

次に、FAA(米国客室乗務員組合―21社の客室乗務員5万
5千人が加盟)の代表である Patriciaさん(UA出身)と質疑・
意見交換してきました。

①雇用について

   米国では、日本のように契約制でしか採用しないという
   雇用形態ではなく、全員約6ヶ月程の試用期間のあと、
   期限のない雇用契約を結ぶそうです。定年制度は法律で
   禁止されているそうで(差別にあたるため)、ナント!
   勤続50年の客室乗務員もいらっしゃるそうです。

   勤務時間の短いパートタイマーの客室乗務員はいますが、
   「自分で選べる制度であること」「同一労働同一賃金で
   あり、福利厚生面でも正社員と差別はないこと」が特徴で、
   日本の契約制客室乗務員とは性格が違うものとわかりま
   した。

②勤務について

   大手の航空会社の「月間乗務時間制限」は、90時間まで
   としているところが多く、小さなところでは、95~100時間
   のところもあることがわかりました。

   また、会社の規模にかかわらず、ほとんどの航空会社で65
   ~75時間の「乗務時間保障制度」があることがわかりました。

   実際の勤務の実態は、今後交流を深めていく中でいろんな
   詳しいことがわかってくると思います。

③評価制度について

   最近のJALの「HTグレード」や、従来からあるANAの「EG
   グレード」は、評価項目の客観性に疑問があり、「評価」自体も
   人間が行うため、どうしてもあいまいで主観的になりがちです。

   米国ではこのような、乗務経験を無視しチームワークを阻害
   させる「評価制度」はなく、すべて乗務経験が優先する「セニョ
   リティ制度」が確立されています。

   スケジュールやポジションを選ぶのもセニョリティ順で、このため
   ベテランになるほど労働負荷が軽くなり、長く勤められる要因に
   なっています。日本とはおお違いですね・・・。

④・・・では、米国の客室乗務員の年齢層や勤続は?

   JAL客室乗務員の平均勤続年数は、12.1年、ANAではたった
   5.6年(05年度)ですが・・。

   米国FAAの年齢構成は、30才以下が10%、31~60才までを
   5才ごとに区切ってそれぞれ10~20%、61才以上が4%となっ
   ていて、とてもバランスのとれた構成となっています。
 
    (「客乗職は若くて文句言わないのが一番」「ベテランは
     いらないよ・・」がホンネの日本の某航空会社とのあまり
     の違いにびっくりだあ~~!!!)




  

   







「女性の労働と健康」のはなし

2007-11-17 23:53:59 | SPECIAL EDITION
1 男女の生物学的なちがいは・・?

   ○生殖機能(月経、妊娠、閉経・更年期)
      月経時や前は、腹痛や頭痛、腰痛、うつ状態等、個人差はあり
      ますが、さまざまな症状をおこしやすいですね・・。

   ○骨盤周辺の構造のちがい
      腰仙部の構造のちがいから、重力を支える力が弱く、また、骨盤
      周辺は静脈が複雑に接続しているため、うっ血をおこしやすくなって
      います。このため、女性特有の腰痛がおきやすいといえます。

   ○体力、心肺機能等のちがい
      女性と男性とでは、筋肉の量や付き方、循環血液量や肺活量が違う
      ため、男女が同じように働くと、体力、筋力のちがいから、過労や
      不健康状態になりやすいのです。また、血中ヘモグロビン濃度、血清
      鉄が少ないため、しっかり鉄分をとらないと貧血をおこしやすいのです。

  (・・・なあるほど!だから「母性保護」って大事なのね・・!)

   ○精神的な素質のちがいも・・
      人とのかかわりを求める気持ちは、男性より女性に強いようです。
       (他人とのふれあいに価値を求める。)これは、子を産む女性としての
      本能によるものといえます。


2 更年期障害って・・?

    ○更年期とは・・・女性のからだの一生のうち、「2つ目のトンネル」
             の時期にあたります。(1つ目は、思春期) 卵巣ホルモン
             の状態が不規則になり、やがて閉経し数年して、からだ
             が安定した時期を迎えるまでの期間をいいます。
             個人差はあるが、一般には40歳代後半から50歳代
             後半にかけての時期です。
      (30歳代で「更年期かしら?」と思う症状が現れたときは要注意!)

    ○更年期のからだの症状

       ・月経の状態の変化
       ・血管運動神経症状(のぼせ、冷え、動機など)
       ・精神神経系症状(頭痛、めまい、耳鳴り、不眠、不安感、いらいら
        感など)
       ・筋骨格系症状(肩こり、腰痛、筋肉痛など)
       ・その他(疲労感、腹痛、しびれ感、頻尿など)

    ○「更年期?」と感じたときに気をつけてほしいこと

       ◇まずは「更年期障害」と決めつけないこと。他の病気が隠れて
        いる可能性もあります。(過労による自律神経系の異常かもしれない
        → 働き方の見直しへ)
       ◇男女とも一番無理をしやすい時期。
         ・無理をしてはいけないのに「若い人に負けたくない」。
         ・過密な仕事もこなせてしまうが、あとの消耗が激しい。
         ・「そろそろ身体を酷使するのをやめようよ」という
          身体からのサイン。休むことやペースダウンすること
          をためらわないこと。

   (・・フンフン、そっか~!無理をしてはいけない時期なのに、何でもこなせて
    つい無理をしてしまうのね・・!「更年期」って「ペースを落とす時期」でもある
    ってことね! JALもANAも、4~50代の人でも若い人と同じスケジュールで
    飛ばないといけないけど、外国のようにキャリアを積めば積むほど働きやすく
    なるセニョリティ制度が、日本にも必要かもね・・)

            (「健康で安全に働く職場づくりのための講座」より)
                            2007年10月