客乗連絡会

客室乗務員が集うCAのひろばです

美奈とひげ博士の1問1答

2014-05-09 00:16:36 | 評価制度・グレード問題

ひげ博士    ゴールデンウィークはゆっくり出来たかい?

美奈       何いってんですか!世の中がお休みの時は私たち

          忙しいんデスっ!

ひげ博士    そうじゃったのう・・。 それはご苦労さんじゃった!

美奈       ところで、この間話してた評価制度のことですが、 人によって

          評価が違ったり、この制度でストレス広がったりするのは、やっぱり

          良くないと思うんですけど・・             

ひげ博士    安全をしっかりやって、サービスもいいものにするには、まずは

          チームワークと風通しのいい職場環境が必要じゃ。

美奈       そうですよね・・? 「忙しい時でも笑顔で接しているか」とか、上司から

          一挙一動、何十項目もチェックされるのはすごいユーウツです。 

          外国ではこんなのありなんですか?

ひげ博士    欧米では、人の笑顔や対応をチェックするのは人権侵害だという

          事で、やってないと言っていた。 

美奈       え~! やっぱり~!!

ひげ博士    豪州やスイスの航空会社でやってるチェック制度は、お互いが

          フランクに指摘し合って、それに異議があればその場で言える、

          それで終わりじゃ。賃金にも反映しない、いわゆる切磋琢磨っちゅう

          やつじゃな。

美奈       それだといいですね

ひげ博士    上司が主観的にどうにでも評価でき、それが賃金にも影響するなん

          ちゅうやり方は、疑心暗鬼を生じチームワークにマイナスになる。 

          会社にとってもマイナスじゃな!

美奈       今、組合の中で、ストレス無くいいものにする為には?って話し合って

          るんです。 ひげオヤジさんも応援してくださいね。

ひげ博士    そうか・・。がんばるんじゃぞ~! 

          こ、こりゃ! わしはひげ博士じゃ! これ~、どこに行ったんじゃ

 


ヒョーカセードって?

2014-04-26 23:34:56 | 評価制度・グレード問題

ひげ博士    何だか元気ないのう? 

美奈       ひげ博士、お久しぶりです・・、実は・・・

ひげ博士    どうしたんじゃ?

美奈       会社の上司や先輩が私たちをチェックする「評価制度」ができて、

          今日その評価便だったんです。      

ひげ博士    どんな評価項目なんじゃ?

美奈       安全面では、「常に周囲の状況を察知し、Cabinの保安に努めて

          いるか?」 とか、サービス面では、「親しみやすく温かい対応を

          しているか?」、など全部で80項目くらいあるんです。

ひげ博士    ほう? それは乗客にとってはいい事のように思うが、項目が

          そんなにあるのかい・・?

美奈       普段でも私たち、そういう事は一生懸命やってるんです。 でも

          それをチェックされるとなると緊張するし、上司によっても評価が

          違ってくるので何だかストレスで・・・         

ひげ博士    CAどうしで互いにフランクに言い合えばいい事だと思うがの?

          そもそも会社の「評価」や「人事考課」には、客観性と透明性、

          公平さが必要とされておる。それと、自分がその評価に不服だ

          と思った時に意見を出せるシステムが必要なんじゃが、それは

          あるのかね?

美奈       そんなのないです!

ひげ博士    フムフム・・、それはちと問題がありそうじゃな。

          わしが調べたことを今度教えるから、また顔を出しなさい。

          とにかくちゃんと食べて寝て、元気を出すんじゃぞ!

美奈       わかりました・・。 

                                          つづく


HTグレードのみんなの反応は・・?

2009-03-28 22:29:32 | 評価制度・グレード問題
さくら  この間、JALのCCU組合でHTグレードについて
     緊急のアンケートをやってたわね・・。

リカ   08年度の評価結果が出されてすぐやったんだ
     けど、職場の声がはっきり出ていたわ・・。

さくら  どんな結果だったの?

リカ   「評価結果に納得がいかない」って答えた人が
     64%、「この制度を廃止してほしい」が89%
     だった・・。

さくら  やっぱり・・!たった1~2回一緒に乗務しただけ
     でマネージャーから主観的に評価されたり、はじめっ
     から印象を決めつけられてたり、と問題多いよね。

リカ   ANAでは、英語テストやアナウンスレベルなど少しは
     客観的な要素も加えた新しいCAP制度というのに
     変わるそうだけど、サービス態度など主観的に評価
     する部分もこれまで通り評価内容に残すんだって。
     
さくら  それじゃあやっぱり100%客観的評価っていうのは
     出来ないんじゃないの?

リカ   看護婦さんでも教師の職場でも、こういう評価制度
     に反対しているって聞いてるけど、チームワークが
     大事な職場にはHTグレードもCAP制度もなじまない
     よね・・。

さくら  CCU組合ではひきつづきこの問題で会社と交渉して
     いくんでしょ? 頑張ってほしいわ・・。




       


成果主義賃金の行きつく先は・・?

2008-09-12 23:58:56 | 評価制度・グレード問題
C子   この間のCCU大会で、看護婦さんの「いのちと安心をになって」
    と題する学習会があったのよ・・。医労連の50年の運動の歴史
    がわかりやすく説明され、とてもいい内容だったワ・・!

A美   医労連といえば、成果主義賃金の導入をはね返す運動をしている
    のよね・・。
  
C子   そう、そのお話もあったのよ・・。ほとんどの民間の病院で導入
    させていないんだけど、福島県のある病院で2000年から成果主義が
    導入されて、そのアンケート結果が報告されていたの。

A美   どんな結果だったの?

C子  「仕事にやりがいを感じるか?」では、93%の人が「いいえ」と
    答えていたのよ。

A美   え~~!! そんなに~!? 

C子   「目標管理がストレスになっているか」では、やはり93%の人が
    「はい」という答えで、「チームワークが保てているか」では、
    87%の人が「いいえ」と答えていたの。

A美   思ってたより深刻な実態だわ・・。人のいのちにかかわる仕事で、
    チームワークが何より大切な職場ということでは、客室乗務員も
    共通してるわよね・・。JALのHTグレードは、まだANAのように
    乗務手当にまで連動させてないけど、会社はそのうちに賃金に反映
    させたいんだと思うわ・・。
  
C子   医療における成果主義賃金の問題点として、 
      ①総賃金コストの削減が目的 
      ②公平・客観的評価は不可能であり、職場ではメンタルヘルス
       不全が増加
      ③バラバラにして競争させる、技術を教えなくなる→チーム
       医療の基盤がくずれ、医療事故が増える
      ④中高年層の追い出し→臨時・パート・派遣の導入→医療水準 
       の低下
      ⑤働く意欲が落ちる→患者さんにとって良い医療ができなくなる
      ⑥賃金決定の土台がくずれ、労働者の分断、労働組合の弱体化
       につながる
    ・・という点をひろめ、学習会や病院内外のとりくみを強めていくと、
    田中委員長は仰っていたわ・・。

A美   私達にとっても同じことが言えるわよね・・。「チームワークが大切な
     客室乗務員に、評価制度や成果主義はいらない」を合言葉に、もっと
     がんばらなくちゃね・・!







  





 

看護師さんの職場では・・?

2008-06-22 23:46:56 | 評価制度・グレード問題
Q この間、看護師さんの組合と話をしてきたんですって?

A 日本医療労働組合と情報交換してきたのよ。組合員が17万人ですって!

Q 看護師さんも、いのちと安全にかかわる仕事で、客室乗務員とも
  共通点があるわよね・・。雇用はやっぱり非正規の人達が増えてるの?

A 正規と非正規職員との置き換えがすすみ、医療、介護含め50%が
非正規ですって・・。
看護師さんは派遣はないけど、非常勤という雇用形態があるそうよ。

Q 今、非正規雇用が多く社会問題になってるけど、専門職でも増えてき
いるのね・・。

A 日本医労連では、医師と看護師の増員とともに「同一労働、同一賃金」
  をかかげて運動しているそうよ。私たちとも共通する問題よね・・。

Q 評価制度なんてあるのかしら・・?

A それが、民間の病院ではほとんど導入されてないそうだけど、国立
病院で導入され、反対運動をすすめてきたんですって。

Q え~!?看護師さんにも評価制度?

A その評価内容が、「患者、職員等に対し態度、相談などについて適切な
  対応をしているか?」など、やっぱりかなり主観的にどうにでも評価でき
  る内容になってるそうよ。

Q ANA、JALの評価制度と似てるわね・・。会社は「たとえ主観的な評価でも、
複数が評価すると客観的になる」なんて言ってるけど、そんなのごまかしだワ。

A 医労連では、
   ・「評価制度はチーム医療を破壊し、いのち・安全をおびやかす」
   ・ 「ものの言えない暗い職場になる」「組合を弱くさせる」
   ・ 「公平な評価はあり得ず、やる気や働きがいも低下する」
  と反対運動を患者さんや地域とともに広げて、かなりの病院で形骸化
させてるんですって。

Q それはすごいわ! 私達も励まされるわネ・・! 客室乗務員の仕事も
チームワークが一番大切な仕事だもの。
職場を暗くさせる、この評価制度をなくして明るい職場にしたいわね・・。
















東大教授のご意見 その②

2008-05-25 22:14:12 | 評価制度・グレード問題
Q グレードの項目の中身に、「笑顔と真顔の落差が見られず、
  穏やかな優しい表情を維持している」というのもあるわネ
  ・・。こういうのもすごく主観的ね・・。

A 教授がおっしゃるには・・、

   【「真顔」とは「まじめな顔」(広辞苑)のことです。たとえば
    機内で体調不良になり、そのことを客室乗務員に訴えたとき、
    乗客は「真顔」で対応してもらいたいのです。その時に「穏や
    かな優しい」「作り笑顔」をされてしまったら、「この人は
    真面目に自分の言うことを聞いてくれているのか」という不信
    を抱くでしょう。
     「真顔」でこちらの訴えを聞いてくれて、何らかの処置をとって
    もらうことで合意し、席を離れるとき、「穏やかな優しい表情」
    を浮かべてくれたなら、乗客は、「ああ、この人は自分の訴えを
    しっかり聞いてくれた」と感じられるのです。
     「笑顔」と「真顔」との「落差」にこそ、信頼と安心が生み出さ
    れるのです。このグレード評価によると、「落差」のない能面の
    ような決して変わらぬ表情を「維持している」ことが評価が高く、
    真面目な表情を時には見せることは評価が低くなる、ということに
    なってしまいます。】

Q まるでロボットのような画一的なサービスを押し付けているということ
  よね・・。それってお客様に対しても失礼な気がする・・。

A サービスというのは、こころのこもった、お客様の状態に合わせた対応
  が大切よね・・。どんな場合にも一律に「常に笑顔で・・」というのは、
  表情だけとりつくろえばいいと言われてるようで、本当のサービスとは
  言えないんじゃないかしら・・。

Q 本当ね・・。みんなでもっと、グレード問題と本来のサービスのあり方
  について話し合っていきたいわね。

A 看護婦さんの組合では、『評価制度(成果主義)はチームワークをこわし、
  かえって士気が下がった』という結果が出て、導入を中止させたことろも
  あるそうよ。 私達も、みんなでこのグレード制度の問題点を話し合い、
  チームワークの保てる職場にしていきたいわね・・。




















    









   

グレード問題 東大教授のご意見 ①

2008-05-11 22:07:20 | 評価制度・グレード問題
Q この間、東大の先生にお話を伺いに行ったんですって・・?

A うん、文学、言語の専門の先生に評価制度の内容について
  いろいろ伺ってきたわ・・。

Q どうだった?

A 評価項目全般をご覧になって、「これらの基準は著しく客観
  性に欠け、納得性も透明性もありませんね・・」ですって!

Q やっぱり・・!たとえば「親しみやすく、あたたかさが伝わる
  自然な笑顔である」とか、「どの場面でも自然な笑顔である」
  とか、いくらでも主観的に評価できる項目ばかりが、何十項目
  ってあるでしょ? それで勝手に判断されてレッテル貼られる
  ことについて、特にベテランは怒ってるわ・・。

A 先生が仰るには・・、
   【たとえば「親しみやすく」という基準は、客室乗務員の「笑顔」
    に対する、乗客の側の印象です。いったいどのようにして乗客
    自身が一人ひとりの客室乗務員の「笑顔」に親しみを感じてい
    るのかを評価するのでしょう。さらに「親しみやすい笑顔」と
    「親しみにくい笑顔」を分離する基準がどこにあるのでしょう。
    結果的に評価する側の、評価される者への「好き」か「嫌い」
    か、「どう感じるか」という、客観的基準を立てることのでき
    ない判断になってしまいます。その判断が、職場での何らかの
    力関係において行われる場合、それは純粋なパワー・ハラス
    メントになります。】
 ・・ですって。

Q なるほどね・・!親しみやすく、あたたかい笑顔でサービスすること
  は、お客様にとってホッとする事だし、いいことではあるけど、それ
  を上司が主観的に評価して、差別することでチームワークが崩れる・
  ・・、これってお客様の立場に立ってることかしら・・?
   

         → 次回に続きます
  
    


 



   











ANAとJALの評価制度について

2008-04-13 23:03:54 | 評価制度・グレード問題
ANAのEG(エキスパティーズグレード)制度は2004年10月から、
JALのHT(ヒューマン&テクニカル)グレードは、2008年から実施
されています。

どちらも、評価内容に「客観性」「透明性」「合理性」が乏しく、主観的、
恣意的な評価になりがちで、客室乗務員のチームワーク上、またパワー
ハラスメントなど人権侵害を引きおこしやすいという点で、大きな問題が
あると考えます。

ANAでは、乗務時は勤続年数を全く無視したこのEGグレードによる
指揮順位となっており、さらに乗務手当にまで差がつくシステムになって
います。
またJALでは、ベテラン層に低いグレードが付けられる傾向にあり、指揮
順位や乗務手当には影響しないものの、グレードを低くされた客室乗務員
には日勤教育が強行されました。

この客室乗務員の評価制度に対し、JALの機長組合や乗員組合はじめ、
JJ7労組が「チームワークに影響し安全上問題であり、人権侵害の制度
である」との声を上げています。

欧米ではこうした評価制度による、客室乗務員間の差別はいっさい行われて
いません。 どこでも経験が大事にされるセニョリティー制度となっています。

今後、この評価制度が導入されたことによる安全上、人権上の問題点を、
職場の声を中心にお伝えしていきますね・・。