客乗連絡会

客室乗務員が集うCAのひろばです

Q&A「宇宙線被爆」

2005-09-02 09:50:18 | 健康・労災Q&A
Q: 航空機乗務員の宇宙線被曝について詳しく教えて下さい。

Q1: 宇宙線の発生の源、およびその成分はどのようなものですか?


A1:宇宙線は、太陽系外における超新星爆発や太陽活動の際に放出される高エネルギー粒子です。
     ・1次宇宙線  宇宙空間における陽子、アルファ粒子、重粒子
     ・2次宇宙線  大気圏内(高度100 km 以下)における陽
     子、中性子、 電子、ガンマ粒子、パイ中間子、ミューオン
     航空機乗務に伴う宇宙線被曝は、2次宇宙線によるものです。

Q2: 昨年、日乗連と客乗連とで各大臣宛に出した「宇宙放射線被曝に関する 要請文」の中に、‘ 91 年以来、専門家の協力で独自に調査した’と ありますが、どのように調査したのでしょうか?また、その結果を教えてください。

A2: 航空機乗務員の中で測定に協力していただける人たちを募り、携帯
   用の簡便な被曝線量計(胸ポケットにクリップで付けるタイプ)を
   装着してもらいました。この方法だと比較的容易に、他数回測定す
   ることが可能です。
     (尚、この測定で航空機の計器に影響を与えることはまったくあ
     りません)
     この結果、年に 800 ~ 900 時間搭乗するとして、成田?ニュー
    ヨーク路線のみを搭乗する航空機乗務員の年間被曝線量は、約
    2.8~3.2ミリシーベルトになります。

Q3:日本の法令では、放射線による被曝線量の上限値を、どのように定めていますか?また、航空機乗務員の放射線被曝の規制はありますか?

A3: 職業被曝をする人(原子力発電所の放射線業務従事者等)について
   は、全身の年間線量限度は50ミリシーベルトで、3ヶ月ごとの線
   量当量が30ミリシーベルトを超えないよう配慮されています。
     (尚、彼らの年間平均の被曝線量は、約1ミリシーベルトで
     す。)
    航空機乗務員の宇宙線に起因する一人あたりの年間の被曝線量は、
   2~3ミリシーベルトで、原子力発電所の労働者の2~3倍です。
   にもかかわらず、航空機乗務員は現行法令の規制の対象外におか
   れています。

Q4: ICRP(国際放射線防護委員会)の 1990年勧告の内容とは?

A4: ジェット機の乗務員も職業被曝の範囲に加えるべきであるとし、そ
   の年間の線量限度(全身)を、20ミリシーベルトまでに、また、
   妊娠中の女子の腹部の線量限度を、2ミリシーベルトまでに、とし
   ています。

Q5: 放射線防護の原則とは何ですか?

A5: 放射線防護の原則とは、「無用な放射線被曝はできるだけ避け
   る」、「避けることのできない放射線被曝は、被曝線量をできるだ
   け低くする」というものです。ある値を定めると「この値まで許さ
   れるんだな」とついつい思い込みがちですが、線量限度はそういう
   性質のものでは絶対にないという事です。だからこそ、 年間線量限
   度が50ミリシーベルトと定められている原子力発電所の労働者の
   年間被曝線量は、約1ミリシーベルトにとどまっているわけです。
   日乗連の調査結果からは、1万人の航空機乗務員がいれば、平均
   してそのうち 16 ~ 24 人がガンになって死亡するかもしれないと
   いう推定が出されています。一日も早い、官庁要請に沿った改善が
   求められます。

Q&A「腰痛」

2005-09-02 09:35:45 | 健康・労災Q&A
Q1:最近、腰がだるく心配ですが、腰痛とはどんな症状をいうのですか?

A:例えば腰がだるく重い、動いている時よりは、長時間同じ姿勢を続け
  ているときの方が腰が重く感じられたり、痛くなったりする。
  レントゲンには骨の異状は出ていないが、腰の痛みだけではなく、足
  のしびれもある。
  軽い時には、すぐに痛みがとれるのに、ひどい時は休んでもとれな
  い。横になっても痛い、仰向けに寝られない。立っているのが辛く、
  すぐ座りたくなる。
  他にもありますが、以上のような症状が重なっているのが特徴です。
  私たちは仕事が忙しく、この様な症状があってもがまんして飛んだ
  り、また、ちょっとしたきっかけで「激痛で立てない、腰の痛みが続
  く、腰が曲がらない」といった症状の悪化を招きがちです。ここまで
  悪化した場合は、なかなか治りません。大切なことは、「腰痛は初期
  のうちに、治療、休業すること」です。

Q2:腰痛にはどのような治療がよいのでしょうか?

A:治療方法には、針・灸・マッサージ・ホットパック・カイロプラク
  ティック・整体・牽引・温熱療法などがあります。(ただし、治療に
  よっては保険の適用されないものもあります。)
  また、自分で出来る治療として、腰痛体操・水泳・ストレッチングな
  どが効果的と言われています。
  最も大切で基本的なことは、安静と休養です。
  ・疲労を感じたら、休養をとる。また、睡眠を充分取るようにする。
  ・シフト勤務で乱れていた生活(睡眠・食事)を規則正しいものに戻
   す。
  ・精神的にもリラックスする。
   (自分にあった方法でストレスを発散させる。)  
  この他、乗務の中で、腰痛になりやすい姿勢、動作をさけ、腰に負担
  がかかる重いものは持たないように工夫したり、ランデイング時の姿
  勢に注意するなども大事です。

Q3:労災と認められる腰痛もあると聞きましたが・・・?

A:今までに労災として認められたケースは、次の様なものがあります。
  認定例
  ・手荷物整理で、手荷物をストウェイジに入れようと持ち上げた時、
   痛みを感じた。
  ・機内で子供を抱き上げた時、ギクッとなった。
  ・カートの中から、飲み物を出そうと無理な姿勢をとった時、にぶい
   痛みを感じた。
  ・窓側旅客へのサービスの際、無理に体を伸ばした時、痛みが走っ
   た。
  ・宿泊先のホテルから空港までマイクロバスで移動中、急ブレーキが
   かかり、腰を痛めた。
                               等
  労災ではなく私病扱いで休んだ場合は、有休や欠勤扱いとなります。
  また、治療についての費用も自己負担が多くなり、安心して治療に専
  念できません。業務に起因すると思われる腰痛は、労災の申請を行な
  いましょう。
  なお、労災かどうかを決めるのは会社ではなく、労基署です。また、
  労災の申請は2年前までさかのぼれます。