見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

見逃した!/珠玉の宋元仏画(神奈川歴博)

2007-12-03 23:55:33 | 行ったもの(美術館・見仏)
○神奈川県立歴史博物館 開館四十周年記念特別展『珠玉の宋元仏画』

http://ch.kanagawa-museum.jp/index.html

 終わってしまった展覧会(~11/25)だが、記録のために書いておこう。そう思って、神奈川歴史博物館のサイトを見に行ったら、すっかりデザインが変わっていた。それはよいのだが、過去の特別展のファイルがどこにあるのか分からない。がっかりである。

 本展は「中国、宋元時代に制作され、海を越えて日本にもたらされた羅漢図や十王図など、国宝、重要文化財を含む約130点の舶載仏画」を集めたもの。作品の一部(天王、羅漢など)を巧みに再編集した、宣伝用のポスターやWebサイトが非常に魅力的だった。ところが、当日、会場をまわってみたら、その「魅力的」だと思ったキャラが見つからない。実は、私がいちばん惹かれていたのは、奈良国立博物館所蔵の陸信忠筆『仏涅槃図』で、この作品は既に展示替えで撤収されたあとだった。別の陸信忠作品を見ることはできたが、上記『仏涅槃図』には及びもつかない。

 濃密な色彩、堅固で明瞭な描線で知られる陸信忠は、寧波を拠点に活躍した仏画師である。不勉強にして、今回初めて覚えた名前だが「日本で最も親しまれた」宋元の仏画師であるらしい。

 私は、鎌倉の円覚寺や建長寺の羅漢図は宝物風入れで見ているし、称名寺の『十六羅漢像』(禅月様と呼ばれる奇ッ怪な図)も金沢文庫で見ている。やっぱり、奈良博とか京都の蘆山寺とか、遠方(西国)からおいでの作品を拝みたかったが、会期中盤でお帰りになってしまったようだ。ううー残念。

 意外と面白かったのは、称名寺文書の金沢貞顕書状の数々。称名寺長老の釼阿と「唐物の展観があるなら見せてほしい」とか「いい出物が無かった」などのやりとりをしている。唐物展観というのは「売り立て」に近かったようだ。それにしても、好きだったんだなあ、舶来品。

 後半には、本年3月に修復が完了した館蔵『十六羅漢図』が公開されている。修復工程の写真が目をひいた。また、旧い軸木に修理年と修理者の銘(寛文十年もあれば、大正五年も!)が墨書されているのも興味深かった。

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