見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2020博物館に初もうで(東博)+KANNON HOUSE

2020-01-17 22:07:25 | 行ったもの(美術館・見仏)

東京国立博物館 本館・特別1-2室 特集陳列『博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ』(2020年1月2日~1月26日)

 新春恒例、干支にちなんだ「博物館に初もうで」展。今年は三が日を台湾で過ごし、次の週末は関西旅行に出かけていたので、ずいぶん遅くなったが見てきた。各種のネズミ色の着物とか、焼きものの鼠志野とか、切り口が工夫されているが、インパクトはいまいちだった。やはり水滴や印籠など、小さい工芸品が多いので、迫力に欠けるのだろうか。『金庾信墓護石拓本』と『十二類合戦絵巻』は京博と共通だった。

 面白かったのは『隼人石像碑拓本』。頭はネズミ、体は人間の人物が、褌姿の裸体で、胸元で両手を重ね、長い杖を持っている。奈良市法蓮佐保山の那富山墓(なほやまばか)内にあり、ネズミのほか、ウシ、イヌ、ウサギが見つかっているそうだ。これ、近いうちに見に行きたい。あと歌舞伎にちなんだ浮世絵もいくつか出ていた。私はネズミといえば『伽羅先代萩』の二木弾正、『頼豪阿闍梨恠鼠伝』の頼豪阿闍梨だと思うのだが、正月だから、あまりおどろおどろしいネタは駄目なのかな。

 「鼠と言えば猫」という発想で、猫に関する古文書や浮世絵も展示されていたが、子歳の私からすると、それは違うだろ、と言いたい。

前回の子歳(2008年)の展示レポート

 そのほか国宝室は、これも新春恒例『松林図屏風』(2020年1月2日~1月13日)。特別公開『高御座と御帳台』は相変わらず混んでいるのでパスしてしまった。仏教の美術で『不動利益縁起絵巻』を久しぶりに見ることができて嬉しかった。安倍晴明の祈祷を受けている(?)怪異のものたちがかわいくて大好き。

 アジアギャラリー(東洋館)は、最近、最上階の朝鮮絵画のコーナーから見るようにしている。「猫図」4点+「虎図」1点がミニ特集になっていて面白かった。黒と白のはちわれっぽいこの子たちがキュートで気に入った。

 中国絵画は特集陳列『生誕550年記念 文徴明とその時代』(2020年1月2日~3月1日)。文徴明(1470-1559)は明代中期を代表する文人で蘇州生まれ。50代で北京で3年間の官僚生活を送り、帰郷してからは、蘇州の芸苑、呉派の中心的人物として活躍した。本展は、文徴明だけでなく、祝允明の書、唐寅や謝時臣、李士達、盛茂燁の絵画など、さまざまな作品が楽しめる。明代の文化って、以前はあまり魅力を感じなかったけれど。最近、興味が湧いてきている。

びわ湖長浜KANNON HOUSE 『正妙寺 千手千足観音立像』(2019年12月24日~2020年3月15日)

 正妙寺(長浜市高月町)の千手千足観音立像がいらしていると聞いて、会いに行った。初めて参拝したのは、2010年の高月「観音の里ふるさとまつり」で、見たことも聞いたこともないお姿にびっくりしたことを覚えている。その後、展覧会などで何度かお見かけしている。

 この展示場はカメラOKなので、畏れ多くも写真を撮らせていただいた。嬉しい。異形の神仏は力強くて頼もしい。

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