見もの・読みもの日記

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秘仏のたのしみ/秋篠寺(奈良):大元帥明王立像

2010-11-20 23:56:09 | 行ったもの(美術館・見仏)
○秋篠寺(奈良市秋篠町):大元帥明王立像ご開帳(2010年11月8日~11月21日)

 金曜日に奈良で仕事があったので、後泊して見仏してきた。お目当ては、遷都1300年祭(11/7で終了)を記念して、まだまだ続く秘仏・秘宝公開のひとつ、秋篠寺の大元帥明王立像(重文、鎌倉時代)のご開帳。ふだんは年1回、6月6日しか公開されない秘仏である。前日に仕事で会った京都の友人が「秋篠寺に行ってきた」というので「大元帥明王でしょ!」と言ったら「違います。帥は発音しないので、たいげんみょうおうと読むんです」と正された。

 翌日、大和西大寺駅からバスで秋篠寺へ直行。拝観券を求めて境内に入ると、すぐ左が大元堂だが、同じバスを降りた参拝客は、気づかずに正面の本堂へ流れていく人が多い。私は、まず目的の大元帥明王立像を拝観する。小さなお堂の正面の厨子の暗がりに、ぬっと大きな黒いお像が腰から上を覗かせている。なるほど、聞いたとおりで迫力満点。

 近寄っていいというので、厨子の前まで行って、中を覗き込むように拝観させていただく。お姿は六臂。向かって左には三鈷杵(かな? 右手の三鈷杵に比べると先が開いている)・剣・棒、右には三鈷杵と斧を持つ。胸の前に引きつけた右手は、はじめ独鈷杵を持っているのかと思ったら、人差指を高く反らせて、印を結んでいるらしい。筋骨隆々とした腕・足・腰・胸などに18匹の蛇を巻きつけており、おとなしくアクセサリー化した蛇もいれば、カッと口を開いた蛇もいる。裳(袴?)にはかなり彩色が残る。下半身が極端に短いが、迫力が減じているとは思わない。なお、「大元帥明王」でGoogle画像検索をかけると、秋篠寺の尊像を含む、迫力ある画像が多数上がってくる。

 それから本堂に行き、久しぶりに伎芸天にまみえる。秋篠寺の本堂は、こう言っては失礼だろうが、あまり荘厳もされておらず、全くタイプの異なる仏像がテキトーに寄り集まっている感じが好きだ。いつまでもこのゆるい雰囲気のままでいてほしいと思う。ところで、ご朱印をいただこうとしたら「当寺はご朱印はしておりません」とつれない返事。あれ?そうだっけ?と思って、前回拝観時(2004年11月)のご朱印帖を探したら、確かに貰っていない。むかし(学生時代)は貰ったような気がするんだけどな…。

 それから、いろいろ迷ったが、奈良と京都を捨てて、滋賀県の近江八幡に向かう。以下、明日。
コメント (5)
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