見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

臼杵・国東仏像めぐり

2004-12-23 22:00:19 | 行ったもの(美術館・見仏)
○九州旅行:臼杵、国東半島(宇佐神宮~富貴寺~真木大堂~熊野磨崖仏~両子寺)

 羽田から朝8:00過ぎの飛行機に乗った。離陸が30分ほど遅れたので心配したが、ホーバークラフトで大分に渡り、バスで大分駅へ。本数の少ない日豊本線の普通列車に滑り込みで間にあい、臼杵駅から路線バスに乗ったら、12:01には臼杵石仏に着いていた。びっくり。長年、遠い存在としてあこがれ続けていた臼杵石仏だが、実は東京から余裕の半日行程だったのだ!

 写真だけ見て、なんだか途方もない山奥にあるのかと思っていたのだが、ぜんぜん違った。低い丘陵に三方を囲まれた草地(むかしは田畑だったのだろうが、今は公園のように整備されている)を真ん中にして、一方の低い岩山に仏龕が彫られている。かなり立体的な丸彫りなので、据え付けた石仏のようにも見えるが、磨崖仏である。最も有名な古園石仏群の前で、腰の曲がったおばあちゃんが小さな体をさらに小さくして拝んでいた。その背中を見下ろす大日如来は、自分を拝んでいる人間などに関心があるのかないのか、慈愛に満ちた母親のようでもあり、ふと倣岸な少女のように見えることもあった。

 この古園石仏もかつては半分ほど地中に埋まっていたらしいが、一帯は、よほど土砂の堆積が多かったらしい。草地を挟んで古園石仏に正対する満願寺には、今も腰まで埋まったままの二体の仁王の石像がある。石仏の入口にあたる国道の傍には、これも深々と田んぼに埋まって足の短い「深田の鳥居」が立っている。

 初日は別府温泉泊。

 翌日は定期観光バスで国東半島を巡った。休日(天皇誕生日)というのに、ひとり旅の私のほかは、出張帰りのサラリーマン2人連れのみ。まあ、冬場はこんなものらしい。

 富貴寺の阿弥陀堂は均整の取れた美しい造りだった。内壁には浄土変相図の壁画がかすかに残っている。一時期はすっかり荒れ果てて、子供の遊び場だったそうだ。真木大堂は、ただの収蔵庫と見紛うような素っ気ない本堂に、巨大で迫力に満ちた大威徳明王、阿弥陀如来、不動明王と、それぞれの眷属たちが祀られている。いずれも藤原仏である。阿弥陀如来を取り囲む四天王のスラリとした縦長のフォルムが美しいと思った。

 熊野磨崖仏はほとんど山登り。両子寺は山下の護摩堂と大講堂のみで、奥の院の千手観音を観ることができなかった。う~ん、やっぱり定期観光バスだと時間が足りなくて、心残りが残るなあ...

 別府温泉に連泊。冬の花火「別府ファンタジア」をホテルの展望風呂から楽しんだ。立ち寄り湯の竹瓦温泉もよかったです。

(12/29記)
コメント
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