「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「振るいつきたくなるような美音」とは

2020年02月16日 | オーディオ談義

一昨日のこと、「AXIOM80」の熱烈な愛好家と話す機会があったのだが、その方が仰るには「〇〇さん、AXIOM80といっても知らない人が大半ですよ。どんなにその魅力を伝えようとしても所詮は猫に小判、豚に真珠みたいなものでしょう」。

何しろ70年ほど前の古いユニットなので仕方がない面もある。そこで、「だからブログで「AXIOM80」についてどんなに言及しても反応がサッパリなんですね」と、納得したことだった。

たとえば、前回のブログ「AXIOM80の2発同時鳴らしへの挑戦」のアクセス数が極端に不人気だったこともそのことを十分に裏付けている。

つまり、筆者が”はしゃげばはしゃぎ回る”ほど読者から浮いてしまい「独り相撲」になるのが関の山(笑)。

今回の記事もおそらく似たようなものだろうが、乗り掛かった舟なので続行するものの、自分にとっては今回の「2発騒動」は50年近いオーディオ歴の中でも一時代を画すほどの意義のある出来事だったことだけは申し上げておかねばならない。

しょうもない前置きはこのくらいにして、それでは前回からの続きです。

「AXIOM80」の2発同時鳴らしも「第1案」はイマイチだったし、「第2案」はほぼ満足したものの、もっと欲が出ていよいよ「第3案」へ突入。

第3案

「AXIOM80」の「復刻版」に代えて倉庫に仕舞い込んでいたJBL「D123」を試してみた。

ほかの候補としては同じ口径30センチの「スーパー12」(ワーフェデール)、グッドマンの「AXIOM150マークⅡ」「トライアクショム」などがあるが、JBLの「コーン型ユニット」独特の浅いカーブを持った形状がいかにもAXIOM80のスピードと合っていそうなのだ。

もちろん市販のサブ・ウーファーを使う手もあるが、ああいうのは単なる量感が増えるだけで分解能に乏しいのがネックで「AXIOM80」には合わない。実際にこれまでいろいろ試してきたがすべてアウトだった。

ただ、この「D123」はコーン紙が重たそうなので駆動するアンプもそれなりに力が要るが「6098シングル」なら不足はないだろう。



木製の植木鉢の底を取っ払ったものに収める方法で、「250ヘルツ以下」を対象に、ユニットの裏側から出る逆相の音をウェストミンスターの隙間から奥の方の空間に流し込もうという算段である。

この方式は以前にもやったことがあるが、その時はネットワーク方式で専用アンプを使っていなかったため音量のコントロールができず程なくお蔵入りした経緯がある。

はたして今回はどうかなと固唾を呑んで聴いてみたところ、予想がピタリと当たった。聴いてる音に違和感が無く、十分いけそうなのだ(笑)。

「最初期版」と「D123」との置き場所の違い(距離にしておよそ60センチ)による位相の差も問題なし。

というのも、「音速=周波数×波長」という公式がある。

音速は1秒間に約「330m」だし、クロスオーバーの周波数は「250ヘルツ」だからこのときの波長は「1.32m」となり、「60センチ」はこの範囲に十分収まっていることになる。

ちなみに、クロスオーヴァー1万ヘルツの場合は波長が3.3センチとなるからスコーカーとツィーターの振動板のシビアな位置調整が必要になる。

と、まあ勝手に思っているのだが「知ったかぶり」かもしれない。はたして真相はどうなんでしょう?(笑)

いずれにしても、「D123」と「復刻版」の切り替えはバナナプラグで簡単に出来るようにしているので、ごく一部のジャズや大編成のクラシックは前者で聴けばいいし、小編成やボーカルは後者で楽しめばよい。

まあ、前者の出番といえばめったに無さそうで本命は当然後者となる。そうじゃないとわざわざ2発で鳴らすように改造した意味がない(笑)。

結局、作業開始から完成形まで丸2日かかったことになるが、自画自賛で恐縮だが「自分で自分を褒めてやりたい」ほどスムーズに事が運んだ。

今回の改造により「AXIOM80」の新たな魅力を引き出せたような気がしているし、この素晴らしいサウンドを前にしていったいどう形容したらいいのだろうかとしばらく自問自答してみた。

すると、「振るいつきたくなるような美音!」、「ずっといつまでも聴き続けたい音」など、観念的な言葉しか思いつかないのが残念。少なくとも低音とか高音とかがどうのこうのという物理的に表現できる音ではないのは断言できる。

「振るいつきたくなる → 惚れ込む → 色気がある」は同義語だと思っているが、経験を積めば積むほど「サウンドに色気があるかないか」が大切な要素になってくるのは自分だけかな~(笑)。

ただし、これでスンナリ終わったわけではなかった。

後日、近所にお住いの「Y」さんともども試聴したときに実に興味深い波乱があったのだが、それはまた続編として稿を改めよう。

とにかく、これで我が家の真空管アンプは「ウェストミンスター」用で3台使い、「AXIOM80×2発」用で3台と、9台のうち計6台がフル稼働になったのはまことに喜ばしい限り。

けっして無駄な投資じゃなかった証しになる!(笑)

最後に、全国の「AXIOM80」のファンの皆様、この空前絶後のユニットについて、これを機会に使い方のノウハウなど(このブログが)ぜひ意見を寄せ合う場になるといいですね。

これよりももっと巧い使い方をして、「魅力的なサウンド」を出している方がきっといらっしゃるはずだし、「雄大なスケール感」は無い物ねだりにしても「リアリティ、透明感、色気」においては「世界有数の音」と言っても過言ではないでしょうからさらに極めていく価値が大いにありです。

メールのあて先は「自己紹介欄」にありますので、気が向いた方はどうかお気軽にどうぞ~。

なお、この度「2発へのきっかけ」を与えていただいた「S」(関東地方)さん、どうもありがとうございました。感謝してますよ!

最後の最後に、高校時代の同窓生「T」君が撮影した「ハチドリ」です。まるで今回のサウンドを象徴するかのような彩の鮮やかさ、美しさです!


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