「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

薄氷を踏むような人生

2024年05月17日 | 独り言

このところ、テレビの「モーニングショー」「アフタヌーンショー」では水原氏の裁判(アメリカ)の話題で持ち切りだ。

水原一平さん・・、MLBで大活躍している大谷選手の通訳を務めながら、その一方では賭博にのめり込み、同選手の銀行口座から無断で25億円余りの金額を引き出していたという。

いずれ発覚して大騒動になることは分かりきっているのにどうして・・、まったく不可解で 
魔がさした としか思えない。

これに関して、ふと20年ほど前の出来事を思い出した。

「県職員が強姦未遂」・・、 ちょっと信じられないような事件で、都会と違って田舎では公務員はそれなりの位置づけだし、ましてや率先して法律を遵守するべき立場にある公務員がなんてことを・・! 

事件の概要はこうだ。

容疑者(当時46歳)は ジョギングがてら午後6時頃に市内の大学建物に侵入。女子大学生を殴ったり床に押さえつけるなどして暴行、脅迫して乱暴しようとしたが未遂に終わった疑い。

被害女性からの届出を受けた県警が聞き込みなどの捜査を進めた結果逮捕に至る。本人は容疑を認めている。二人に面識はなかった。

こういう破廉恥罪で逮捕されるぐらいなら、むしろ役人にはつきものの汚職の方がまだマシというか 品がいい というものだろう(笑)。

ところが・・、容疑者の普段はとても評判がいいものだったのである。


「熱心な仕事ぶりだった」「信じられない」県庁の同僚らはそろって言葉を失った。G容疑者は部の主管課に在籍し予算編成から県議会対応など重要な業務をこなしており46歳で課長補佐級なので出世の方も順調そのもの。

さらにG容疑者を擁護する話が続く。以前同じ職場だった男性職員は「仕事ができるからこそ現在のポジションを任せられている。上司や同僚に対してはっきり物が言えるタイプで人望も厚かった」。

自宅近くの女性は「地区の体育部長などを務めていた。真面目な人柄で犯罪をするような人にはとても見えない」。

「魔がさした」のかもしれないが、なんとも愚かなことをしでかしたものである。本人にはまったく同情の余地がないが、被害者と犯人のご家族の心痛はいかばかりかと察するにあまりある。その後の風の便りでは離婚して消息不明だという・・、そりゃそうだよねえ。

さて、この手の犯罪については比較的寛容な態度で受け止めたり、あるいは厳しく断罪してみたりといろいろ個人差があると思うが、今回のケースはたまたま運悪くエアポケットに落ち込んでしまった可能性が高い。

 関連して、丁度「世界文学は面白い」(奥泉光×いとうせいこうの対談)という本を読んでいたら次のような話が掲載されていた。(102頁)



 「電車に乗っているとき、ふっと横に座っている女性のミニスカートの中に手を入れちゃったとしたら、俺の人生、終わるんだなあって。そんな欲望があるわけではないのに、何となく手を入れちゃったとしたら・・。」

男性諸氏にこういう思いをしたことがない方がいるとしたら、そういう人はまず「聖人君子」に近い存在だろうが、同時に無味乾燥で面白みのない人だと思う(笑)。

おそらくこの世には「大過なく人生を終える」人たちが大半だろうが、そういう人たちは一歩間違えばというスリリングな機会がたまたま無かったというだけ、言い換えれば好運(?)に恵まれただけで実は危険と隣り合わせの「薄氷を踏むような人生」だったのではなかろうか、なんてつい思ってしまうわけ。

何かの本(たしか小題が「時空を駆ける遺伝子」だったと思うが)で、長い目で見ると人間の肉体なんかは「一時的な仮の乗り物」に過ぎずDNA(遺伝子)こそが何代も続いて生き抜いていく本来の主役だという説を読んだことがある。

冒頭の公務員の事例では、本能としてできるだけ広く自分のDNAをばらまきたかったのかもしれない・・、もちろん許されることではないが(笑)。

それにつけても、犯罪者のうち地域社会で日頃から評判がよく「まさかあの人が・・」という犯人像が非常に多いような気がする。

それだけ日常的に抑圧されたものがあって何かを契機に爆発してしまうのかもしれないが、そういうものを発散する機会、たとえば趣味に熱中するなんかは非常にいいことだと思う。

ゴルフでもいいし、「音楽とオーディオ」でも何でもいい。

そして、後者は相手が要らず手軽に楽しめるし点がいいし、「好きな音で好きな音楽」を聴くといろんな欲望や怨念が全てとは言わないけれど一時的にも昇華できるところがいい。

そして、いずれ 天命 が尽きるとき
にどなたか熱心な方がシステムを引き継いでくれれば、「ありふれたDNA」を残すよりもずっと有意義のような気がしている今日この頃だ(笑)。



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