「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魔笛試聴コーナー~CD(ライブ)の部~♯10

2008年08月09日 | 魔笛視聴コーナー~CD(ライブ)の部~

CD番号    メロドラム オペラ・ライブDP-SAZAS-GM-5.0044(3枚組)

収録年     1960年8月12日 ザルツブルク音楽祭

評  価     (A+、A-、B、C、D)の5段階評価

総  合     

指揮者        ヨーゼフ・カイルベルト    

管弦楽団    A- ウィーン・フィルハーモニー  

合唱団      A- ウィーンStaatsoper        

ザラストロ    A-  ゴットローブ・フリック        

夜の女王     C  エリカ・コース          

タミーノ      A+  フリッツ・ヴンダーリヒ     

パミーナ     B  リーゼンロッテ・フォルサー  

パパゲーノ    A- ワルター・ベリー       

音   質     B  モノラル・ライブ録音        

私   見     ヴンダーリヒの歌声を楽しむためだけの魔笛 

ようやく探し当てた45セット目の「魔笛」だったが、結論から先に言うとやや期待はずれに終わった。

まず、音質がよくない。終始こもった感じの音でスカッと抜けきらない。約50年前の録音それもスタジオではなくて劇場でのライブ録音なので要求するほうが無理かもしれない。

このマイナス・ポイントをカバーするためには配役陣の頑張りに期待するほかないがそれも女性陣がいまいち。

夜の女王役のコロラトゥーラは声量に余裕がなく肝心の最高音(ハイF)のところで声が伸びず完全な頭打ち。テンポも速すぎて伴奏と合っていない。

それにパミーナ役(ソプラノ)もやたらに声を張り上げる印象で声質にもっとしっとりとした柔らかさがほしい。独唱のときはまあまあ聴けるが二重唱となると調和が取れなくて浮いてしまう印象。

一方男性陣は充実の一言。タミーノ役のヴンダーリヒは言うに及ばずザラストロ役もパパゲーノ役も定評どおりの貫禄で水準以上。

とにかく、このオペラの全体的感想を言えば静謐感、緊張感に乏しくリズムもよくないし指揮者の手腕も冴えない。あまり感心できない出来栄えでこれほどの名曲にもかかわらず聴く途中で退屈してしまった。

この盤は「魔笛」ファンの方であってもあえて購入して聴くに値しないと思う。

ただし、不世出のテノール歌手ヴンダーリヒのファンにとっては別で、これ以外の彼の「魔笛」録音はベーム指揮の1964年盤だけなのでそういう意味ではこれは貴重な音源となる。

  
     

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